1. HOME
  2. アート鑑賞
  3. シンプルな形状からにじみ出る 複雑な光のアート。「レギーネ・シューマン展 immersion in fluorescent light」をレポート。
アート鑑賞

シンプルな形状からにじみ出る 複雑な光のアート。「レギーネ・シューマン展 immersion in fluorescent light」をレポート。

アート鑑賞

日本橋三越本店 本館6階のコンテンポラリーギャラリーで、レギーネ・シューマン展「immersion in fluorescent light」が開催されている。

レギーネ・シューマンは、ケルンを拠点に活動するドイツのライトアーティスト。蛍光顔料を混入させたオリジナルのアクリル板を使用し、絵画とオブジェとの中間領域に位置する作品を制作している。

新作を中心とした15作品が並ぶ本展をレポートする。

レギーネ・シューマンについての解説はコチラ▼

▍光で、角度で。複雑に表情を変える魅惑的なライトアート。

会場では、10cm角程度の手のひらサイズのものから 高さ2mに及ぶものまで、箱状の作品が並ぶ。

形状はとてもシンプルながら、その直方体は複雑に表情を変える。作品を構成しているアクリル板は、製造業者との共同研究によって産み出されたものであり、混入させる顔料の種類や量を変えることで、光の反射・吸収の度合いを調整している。こうしたアクリル板を組み合わせているため、見る角度を変えると色の重なり合いや表面の反射によって、多様な色彩に変化して見える。

「レギーネ・シューマン展 immersion in fluorescent light」展示風景 (白色灯下)

また、白色灯の下ではクリアで淡い色合いに見える彼女の作品だが、ライトがブラックライトに切り替わると、その表情は一変する。アクリル板に封入された顔料が「蛍光」を発し、まるでネオンサインのようにカラフルで明るく光る。蛍光灯下で見えた色の重なりとは全く異なる雰囲気となり、会場全体の空気感までも一転させる。

「レギーネ・シューマン展 immersion in fluorescent light」展示風景 (ブラックライト照射時)

▍空間も変容させる、作品からにじみ出る光。

厚みのある「縁」の部分ではとりわけ強い蛍光が見られ、作品から周囲の空間にまで、じわりと光がにじみ出るように見える。

≪colormirror satin rosé soft yellow Tokyo≫ (部分) / レギーネ・シューマン

今回の展覧会のタイトル「immersion in fluorescent light」(蛍光への没入)の通り、レギーネ・シューマンの作品は、彫刻の物質そのものに留まることなく空間にまで広がり、作品を見る人にも影響を与えるようだ。

今回展示されている作品の多くは、この個展のために制作された新作であり、多くの作品のタイトルには「Tokyo」の文字が入る。

「レギーネ・シューマン展 immersion in fluorescent light」展示風景 (ブラックライト照射時)

見る角度や光によって表情を変化させる様子、そして、空間の空気までも変化させる様子は、ぜひ会場で実物を体験して欲しい。

≪color satin ice blue Tokyo≫ / レギーネ・シューマン

【展覧会情報】

レギーネ・シューマン展 immersion in fluorescent light

展覧会URL:https://www.mistore.jp/store/nihombashi/shops/art/art/shopnews_list/shopnews0228.html
会期:2021年12月8日(水) ~ 2021年12月20日(月)
時間:10:00 ~ 19:00 (最終日午後5時終了)
会場:MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY
住所:東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店 本館6階
入場料:無料

ANDARTに会員登録すると、話題の展覧会情報など、今が旬のアートニュースをお届けします。メールアドレスの他、SNSでも簡単に登録できるので、ぜひご検討ください。

文・写真:ぷらいまり