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アート解説

ファッション界をも席巻!KAWSの世界観に魅了される、多彩なコラボレーション

アート解説

アートの楽しみ方とは、美術館に足を運んだり、家に絵を飾ってみたりするだけにとどまらない。たとえば「ファッション」という文脈にフォーカスしてみれば、アートとファッションは相性もとても良く、昔からアーティストとデザイナーの間で様々なコラボレーションが生まれてきた。そしてその流れは今も続いており、昨今ではとりわけ現代アートとファッションのコラボに熱い視線が向けられている。

鑑賞だけにとどまらない、アートの魅力とは何か?今回はそんな観点から「アートとファッション」というテーマで、ANDART編集部が最近注目しているコラボレーション企画の第一弾として、現代アートをリードする重要人物の一人であるKAWSとファッションの関係について、お届けしたい。

KAWSとは?

KAWSはアメリカ出身のグラフィティ・アーティスト。1990年代にニューヨークのビルボード広告や公衆電話ボックスにしたストリートアートで有名になり、ペインティング、ドローイング、彫像だけでなくプロダクトデザインまで幅広く手がけている。

ビビットな色使いとポップなキャラクターの目に「××」マークを施した作風が特徴で、様々な既存のアニメキャラクターをモチーフにした作品も多数存在し、アート業界のみならず幅広く認知されている。

画像引用元:https://www.businesstimes.com.sg/

今年 7月 16日 (金) より、森アーツセンターギャラリーにて行われる「KAWS TOKYO FIRST」で、一層注目度が高まっている。

またKAWSは、ファッション×アートを融合させた代表的存在としても知られている。これまでにも「Dior(ディオール)」「Supreme(シュプリーム)」「Nike(ナイキ)」「A BATHING APE®(ア・ベイシング・エイプ)」などのアパレルブランドとのコラボや、「Kanye West」などのミュージシャンのカバーアートの実施に至るまで、多岐にわたって数々のユニークな企画を実現してきた。

中でも、2019年にはアーティスティックディレクターとして「Dior」に就任したばかりの、キム・ジョーンズとコラボが実現したことは特筆に値すべきことで、KAWSの世界観とファッションの親和性の高さを証明する出来事であった、といえるだろう。

画像引用元:https://www.buyandship.com.sg/

キム・ジョーンズが手がけた、この「Dior SUMMER 2019 メンズ カプセルコレクション」では、KAWSがデザインしたポップなアイコン“BEE”のロゴが、Tシャツ、ブルゾン、パンツ、バックパックなどにプリントされたもの。遊び心あふれる“BEE”モチーフ(尚、ピンク“BEE”モチーフとホワイトの「Dior」ロゴは日本限定デザインとしてリリースされた)のは、世界先行発売となった東京・新宿伊勢丹メンズ館期間限定ストアの店頭を鮮やかに彩り、話題を呼んだ。

画像引用元:https://www.fashion-press.net/

KAWS × UNIQLO

この他にも、2019年6月には「UNIQLO」のグラフィックTシャツブランド「UT」コレクションの集大成として「KAWS:SUMMER」が販売されたことも、大きな話題となった。本コラボでは、6月7日の発売日当日、公式オンラインストアでは午前9時の時点で一部アイテムが完売。グローバル旗艦店「ユニクロ銀座店」では雨にも関わらず、開店前から長蛇の列ができるほど多くの客が訪れるなど、一大旋風を巻き起こしたからだ。

尚、本コレクションは、KAWS自身が初期から現在まで厳選したデザインをTシャツにプリントしたもので、KAWSの代表的なキャラクターである「COMPANION」をはじめ、青やピンクが印象的な「BFF」、さらにトレードマークでもある「××」がさりげなくあしらわれたアイテムまで、メンズ、キッズTシャツに加えて、トートバッグを含む全21アイテムという、充実のラインナップが出揃うかたちとなった。

画像引用元:https://www.uniqlo.com/

KAWS本人も、このコラボについて「UTのTシャツとトートバックに、自分のお気に入りの彫刻作品をデザインすることで、世界中のより多くの方々に触れていただける機会を持てたことを嬉しく思います」とコメントしていた。

「UNIQLO」の「UT」といえば、間もなく6月28日(月)より、アンディ・ウォーホル、キース・へリング、ジャン=ミシェル・バスキアといった現代アートの巨匠たちとのコラボTシャツの販売がスタートすることでも話題になった。

LifeWearブランドとして日々進化を続け、今や押しも押されぬ存在となった「UNIQLO」。Tシャツという定番シンプルのアイテムと、ポップな現代アートの魅力が絶妙にマッチするコラボレーションには、引き続きしっかりと注目してきたい。

KAWS× sacai × Nike

尚、直近のニュースとしては、「COMME des GARCONS(コム・デ・ギャルソン)」出身であり、世界で活躍するファッションデザイナーの阿部千登勢が手がけるブランド「sacai(サカイ)」と、KAWS、さらに「Nike(ナイキ)」によるトリプルコラボスニーカー「Blazer Low(ブレーザーロー)」が、来月7月に発売することも決定している。こちらは、Nike初のバスケットボールシューズとして登場して以来、常に多くのファンを魅了し続けてきた不朽の名作をベースにデザインされているということもあり、sacaiの秋冬コレクションの中でも、とりわけ注目の的となった。

画像引用元:https://uptodate.tokyo/

これに加え「sacai 」とのコラボでは、KAWSのトレードマーク「××」がフロントにあしらわれたメンズTシャツ、フーディー、フード付きポンチョやプリーツスカート、タートルネックセーターなど、KAWSらしいカラフルでビビッドな色使いとsacaiのディテールへのこだわりが見事にミックスした多彩なアイテムが、同時にお披露目となる。本コラボでは、前述した「Dior」とはまた一味違った、KAWSの魅力がファッションの世界に落とし込まれているので、要チェックしたい。

画像引用:https://www.waitfashion.com/

KAWS × COMME des GARCONS

さらにKAWSは、日本を代表するファッションデザイナー・川久保玲が手がけるブランド「COMME des GARCONS(コム・デ・ギャルソン)」と2021年秋冬コレクションにて初コラボレーションすることが決定した。(2021年8月販売)KAWSが本コラボのために描き下ろした「CDG」のテキストや、代表的なキャラクター「コンパニオン」などのグラフィックを用いたアイテムが展開。ジャケットや総柄シャツ、裏地にコンパニオンをあしらったスウェットジャケット、スウェットフーディー、Tシャツ、バッグなどがラインナップする予定だという。こちらの展開も見逃せない。

画像引用元:https://cdg-freak.com

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