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5分で学ぶポップアートの旗手 アンディ・ウォーホル

ポップアート

アンディー・ウォーホルとは?

アンディー・ウォーホル(1928年~1987年)はアメリカ合衆国、ペンシルベニア州ピッツバーグ出身の芸術家。現代美術の芸術運動の一つであるアメリカにおけるポップアートの旗手だ。銀髪のカツラと黒縁メガネがトレードマークで、美術だけでなくロックバンドのプロデュースや映画監督など幅広い分野で活躍した。本名はアンドリュー・ウォーホラ(Andrew Warhola)。

画像引用:Jack Mitchell, CC BY-SA 4.0,

https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15047586

ウォーホルは幼少期、顔や手足に痙攣が起こる「シデナム舞踏病」にかかり、ベットで寝たきりの状態で過ごすことが多かった。その時期に絵を描いたり、文化的な趣味を楽しんだことが彼の将来のアートの基盤を作ったと後に語っている。

1945年に高校卒業後、カーネギー工科大学(現カーネギー・メロン大学)絵画・デザイン学部で商業美術を学ぶ。元々は広告デザイナーやイラストレーターとして活躍していたウォーホルだが、1960年(32歳)にファインアートの世界に入り、その翌年にはキャンベルのスープ缶やドル紙幣をモチーフにした作品を描く。ここで現在まで知られるウォーホルのポップアートが誕生した。

ウォーホルが描くポップアートのテーマは、その頃高度経済成長の真っ只中にあったアメリカの大量生産・大量消費や大衆文化をテーマにしたもので、油絵など一点ものであることに価値を見出す従来の美術と相反するシルクスクリーンの技法で作品を制作した。

1964年(36歳)からはニューヨークにファクトリーというスタジオを構え、セレブや放浪者など様々な人々を招き入れた。ファクトリーという名前は「工場のように大量生産する」という意味が込められていて、ここでアート・ワーカーという芸術労働者を雇って制作を行なっていた。まるで工場のようにスタジオ内が銀色で埋め尽くされていたため、「ザ・シルバーファクトリー」と呼ばれていた。しかし1968年、このファクトリーの常連(当時ファクトリーに出入りするものは「スーパースター」と呼ばれていた)のひとりであるヴァレリー・ソラナスによってウォーホルは狙撃事件に遭い、一命を取り留めるもこれ以降ファクトリーの出入りには厳しい制限が設けられるようになった。

部屋全体は銀色でおおわれ、中央にウォーホルが寝そべる赤いカウチがある。

画像引用:https://www.subculture.at/the-factory/

ウォーホルの作家としての活動は絵画作品に止まらず、雑誌『Interview』(インタビュー)を創刊したり、映画、音楽など幅広い芸術分野のプロデュース業や、『アンディ・ウォーホルTV』などテレビ出演も積極的に行った。

1970年代から没年まで、ウォーホルはビジネスアートに力を入れるようになり、主に富裕層パトロンの依頼でポートレイト作品などを受注制作をするようになる。

1987年58歳の若さで死去。胆嚢手術を受けるも睡眠中に容態が急変したことが原因と言われている。ウォーホルの死後、彼が集めた美術品はオークションにかけられ、売り上げは2000万ドルに達した。

アンディ・ウォーホルの作品

画像引用:https://www.subculture.at/the-factory/

ウォーホルのポップアート作品の特徴はシルクスクリーンの手法を使い、効率よく大量生産できる点だ。シルクスクリーンとは孔版画の技法の一種で、メッシュ状の版に孔(あな)をあけ、そこにインクを流し込むと孔からインクが落ち、印刷されるという仕組み。Tシャツなど布に印刷する際に使われることが多い方法だ。

ウォーホルの代表作のほとんどはこのシルクスクリーンの手法で制作されている。例えばアメリカのロックバンドであるザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの1967年のレコードアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』のジャケットをデザインした際に用いられたバナナのモチーフはウォーホルの代表的な作品となっている。

『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』のジャケット(1967年)
画像引用:https://www.amazon.com/Velvet-Underground-Nico/dp/B00000E5J1

さらに、同じくウォーホルの代表作として有名な《キャンベルスープの缶》(1962年)は、32枚のキャンバスからなる作品だ。シルクスクリーンの手法によって同じ缶の絵を繰り返し描くことでアメリカの大量生産・大量消費社会を表現している。ファインアートの世界に入って間もない初期の頃の作品で、これによりウォーホルはアメリカのポップアーティストとして名声を上げた。ちなみにウォーホルの作品でよく見かけるトマト缶の絵はこの作品の一部である。

アンディ・ウォーホル「キャンベルスープの缶」(1962年)

《キャンベルスープの缶》(1962年)
画像引用:https://www.artpedia.asia/campbells-soup-cans/

人物の顔を描くポートレイトもウォーホルの代表的な作品のパターンだ。ウォーホルのポートレイト作品の被写体で一番有名なのはマリリン・モンローだろう。1962年の彼女の急死以降制作されるようになり、映画『ナイアガラ』のスチール写真を切り抜き、シルクスクリーン作品として様々な色のマリリン・モンローのポートレイトを量産した。

《マリリンのディスパッチ》(1962年)
画像引用:https://www.artpedia.asia/marilyn-monroe/

1972年、アメリカ大統領リチャード・ニクソンが中国に訪問したことをきっかけに制作された作品が、当時の中華人民共和国の政治家である毛沢東のポートレイト。天安門広場に掲げられている6メートルある毛沢東の肖像画をシルクスクリーンでコピーし、様々な色で印刷したり、口紅やアイメイクのような装飾を加えた。この化粧のような装飾はマルセル・デュシャンの《L.H.O.O.Q》(1919年)のオマージュと言われている。

《毛沢東》(1973年)
画像引用:https://media.thisisgallery.com/works/andywarhol_01

ウォーホルは世界的に活躍する日本人ミュージシャンである坂本龍一のポートレイトも手がけている。これは1980年代のシルクスクリーン作品だが、現存する作品は世界に3枚しかない。そのうちの1枚はアイウェアブランドの「Zoff」がコレクションし、残りの2枚は坂本龍一本人が所有しているという。

坂本龍一のポートレイト
画像引用:http://salondeangeaile.blogspot.com/2014/05/blog-post.html

新型コロナウイルスの影響で開催期間が延期調整中となっているが、京都市京セラ美術館 新館の東山キューブで、京都初のウォーホルの大回顧展『ANDY WARHOL KYOTO / アンディ・ウォーホル・キョウト』が開催予定だ。開催すればウォーホルの作品を日本で一挙に観ることができる良い機会となるだろう。

https://www.andywarholkyoto.jp/

アンディ・ウォーホルの映画

ウォーホルは絵画だけでなく幅広い分野で活躍したが、その中でも特筆すべきは映画監督としての活動だろう。1963年から1968年にかけ、60本以上の映画を制作した。商業的に成功した最初の映画は『チェルシー・ガールズ』(1966年)で、アメリカの映画監督であるポール・モリセイとの共同制作だ。画面を2分割したダブルスクリーン方式が採用され、チェルシーホテルの客室を中心に、ニューヨクの様々な場所で生活する女性のライフスタイルが覗き見できるような内容の映画となっている。

『チェルシー・ガールズ』(1966年)
画像引用:https://www.artpedia.asia/chelsea-girls/

最も有名な映画作品の一つに『スリープ』(1963年)がある。この作品は上映時間の6時間ただ裸の男が寝ている様を撮影するという非常に実験的な内容の作品。このほかにもウォーホルの監督作品には同じ被写体撮り続ける画面上に変化のない作品が多く存在する。また、1970年代に入ってからは、ホラー映画の観衆も行った。

Sleep (Andy Warhol, 1964)

『スリープ』(1963年)
画像引用:https://www.sabzian.be/article/on-sleep

アンディ・ウォーホルの作品を購入したい

ウォーホルの作品はシルクスクリーンのため大量生産することができる。そのため一点ものの作品に比べたら比較的手に入れやすいが、本物はやはり高値で取引されることが多い。また、ウォーホルの作品の中には本人も黙認していた「サンデー・B・モーニング」という海賊版が存在する。こちらは比較的手が届きやすい値段で販売されることが多い。

ウォーホルの作品はカラフルでインパクトのある作品が多いため、ポスターとして部屋に飾るのもいいだろう。ニューヨーク近代美術館(MoMA)が監修するMoMA Design Storeでは通販でもウォーホルのポスターを購入することができる。他にもウォーホルの作品をデザインした商品を多数販売しているので、ウォーホルの作品を気軽に楽しみたい人にお勧め。

https://www.momastore.jp/shop/

ウォーホル:Blue Marilyn ポスター

画像引用:https://www.momastore.jp/shop/g/g0497608096588/

さらにユニクロの「UT」コレクションにもウォーホルの作品は度々起用されており、特に2021年2月8日に販売された「Andy Warhol × Kosuke Kawamura UT」は、コラージュアーティストの河村康輔がウォーホルの作品を再構築したデザインがTシャツにプリントされている。バナナや花など親しみ慣れたモチーフの新しい一面を見ることができるとともに、ファッションに取り入れて気軽にウォーホルの作品の世界観を感じることができるのが嬉しい。ユニクロでは他にもウォーホルの代表的なモチーフをデザインしたトートバックや豆皿なども販売している。

https://www.uniqlo.com/jp/ja/spl/ut-graphic-tees/andy-warhol-kosuke-kawamura/men

画像引用:https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E434374-000/00?colorDisplayCode=00

アンディウォーホルのオーナー権を購入

ANDARTではアンディ・ウォーホルの作品を取り扱っている。

オーナー権とは各アート作品の価格からANDARTが数量限定で発行し、優待を受けられる会員権のこと。ANDARTではアンディ・ウォーホルのような著名なアーティストの作品も、“シェアする”という形で気軽にコレクションすることができる。そして価値が上がったアート作品のオーナー権はサービス内で簡単に売買することができ、そこで利益を得ることができる可能性もある。アンディ・ウォーホルの作品をコレクションしようとすると、貴重な作品ほどとても高価な取引となってしまうが、ANDARTでは1枠10,000円からオーナー券を購入できる。ウォーホルの作品は大量生産されたものもあり、その価値を判断するのが非常に難しいので、個人で購入するよりも安心感がある。

また、オーナーには特典や優待イベントなどもあるので、デジタル上で手軽にアートコレクションしたい人や部屋に作品を置くスペースがない人、アートのオーナー権を投資感覚で売買してみたい方などはぜひ利用して欲しい。

まとめ

Andy Warhol’s old New York studio sells for $10M

画像引用:https://pagesix.com/2016/11/18/andy-warhols-old-new-york-studio-sells-for-10m/

アメリカのポップアートの旗手、アンディ・ウォーホルの魅力は伝わっただろうか。

日本では美術館や展覧会はもちろん、それ以外の意外な場所でも彼の作品を目にする機会が多いため、「アンディ・ウォーホルの名前は知らなくても、彼の作品は見たことがある」という人もいる。それほど彼の作品は日本でも非常に人気で、現在私たちが抱くアメリカンアートのイメージの象徴とも言える。

彼は生前、自分自身について「アンディ・ウォーホルについて知りたいなら、表面だけを見ればい」という言葉を残した通り、創作活動において芸術家の内面をなくして常に表面的であることに努めた。有名なものや流行を大衆と同じ目線で愛することで、彼の作品特有の親しみやすさが生まれ、それが死後もなお愛されている理由だろう。