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KAWSとは?人気作品と経歴を3分で解説

KAWSとは?

KAWS(カウズ 本名:ブライアン・ドネリー)はアメリカのニュージャージー州出身、ブルックリンを拠点に活動するグラフィティ・アーティスト。「KAWS」という名はグラフィティアートによく用いられる自分の名前を意味する「タグ」を描く行為(タギング)で使用していたもの。アーティスト活動を始めた当初はタギングを主に行なっていたが、1990年代にニューヨークのビルボード広告や公衆電話ボックスの広告に独自のアートを加えて意味を改変する「Subvertising(サブバータイジング)」というスタイルのストリートアートで有名になる。ペインティング、ドローイング、彫像だけでなくプロダクトデザインまで手がける。

KAWS(Brian Donnelly) photo:Nils Mueller for Wertical
出典:https://media.and-art.jp

ビビットな色使いとポップなキャラクターの目に「××」マークを施した作風が特徴で、様々な既存のアニメキャラクターをモチーフにした作品も多数存在し、どれも落ち込んでいるように俯いていたり、泣いているように手で顔を覆っていたりとシニカルな印象を受ける作品が多い。

また、「Dior(ディオール)」「Supreme(シュプリーム)」「Nike(ナイキ)の」「A BATHING APE®(ア・ベイシング・エイプ)」などのアパレルブランドとのコラボや、「Kanye West(カニエ・ウェスト)」などのミュージシャンのカバーアートの実施までその活動範囲は多岐にわたる。

KAWSの制作風景やイメージビデオはYouTubeでも視聴することができる

KAWSは日本でも大人気

KAWSは日本でも非常に人気が高い。KAWSとユニクロのコラボレーションでセサミストリートのキャラクターをモチーフにした作品がデザインされたTシャツが販売されたことで日本でのKAWSの知名度が高くなり、また「KAWS×PEANUTS」のトリプルコラボレーション企画ではスヌーピーのぬいぐるみが大人気で品薄状態が続いた。

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UNIQLO「 KAWS×PEANUTS」ぬいぐるみ 
出典:https://godmeetsfashion.com

また、KAWSは日本と関わりが深く、過去には日本でも作品を制作している。彼の代表的なキャラクターである「コンパニオン」が世界中を旅するというコンセプトで、世界各地で巨大な立体作品を制作する《KAWS :HOLIDAY》というプロジェクトを実施した際、日本では2019年に富士山の麓に全長40メートルもの巨大コンパニオンの彫刻を制作した。日本の象徴でもある富士山に劣らぬ存在感で悠々と気持ちよさそうに寝そべる巨大なコンパニオンが印象的だ。この作品のキックオフイベントにはKAWS本人はもちろん国内外の著名人が参加するなど大変な注目を集めた。

KAWS HOLIDAY, 2019 © KAWS, photograph by @hirokingraphy courtesy AllRightsReserved

2020年には拡張現実(AR)や仮想現実(VR)を制作するアキュート・アート(Acute Art)と協力し、スマートフォン用ARアプリ「Acute Art」で KAWSの作品を購入、鑑賞、発見できるサービス「EXPANDED HOLIDAY」を開始した。それに伴い、日本では渋谷のスクランブル交差点に巨大AR彫刻を展示し、大きな話題を生んだ。

出典:https://www.haconiwa-mag.com/

KAWSはなぜ人気なのか

・人気キャラクターをモチーフとして起用

出典:https://sniffingeurope.com

 KAWSはシンプソンズ、セサミストリートやミシュランマンなど世界的な人気キャラクターをモチーフにした作品を制作する。彼は1996年までフリーランスのアニメーターとしてディズニーのスタジオで働いていたこともあり、そこでアニメキャラクターを著作権ギリギリのラインで描く技術を身につけたという。KAWSの代名詞とも言えるバツ印を施された人気キャラクターは、例えKAWSのことを知らない人でも親近感を覚えるだろう。

・ファッション界に人気

ディオール、キム・ジョーンズによるメンズ新作 - KAWSの“BEE”モチーフ&ロゴのウェアやバッグ - 写真1

Photographer Steven Meisel 
出典:https://www.fashion-press.net

KAWSはアパレルブランドとも多数コラボレーションしていることから、ファッションに興味のある若い世代からも人気が高い。KAWS自身も「オリジナルフェイク」というファッションブランドを立ち上げ、おもちゃやファッションアイテムの制作を行なったほどだ(2013年5月にクローズ)。こうした業界の垣根を越えたコラボレーションはアーティストの知名度を上げることにも役立ち、戦略的なコラボレーションがKAWSの人気を上げる理由とも考えられる。

・色彩豊かでアイコニックな作品

《URGE》
出典:https://and-art.jp/works/27

KAWSの作品の特徴といえば、鮮やかな色使いと「××」のマーク。特にバツ印はこれだけでKAWSの作品だと認知できるほどに彼の作品のアイデンティティになっている。KAWSの作品は非常にアイコニックで、キャラクターのフォルムや表情も可愛らしい。子供から大人まで親しみやすく、覚えやすいことも彼の作品の人気理由だろう。

・革新的な制作

KAWSの制作は非常に大胆だ。先述した富士山の麓に設置された体長40メートルの彫像や、最先端技術を使用した展示など常に新しい制作に挑戦している。さらに2020年に制作された『KAWS:HOLIDAY SPACE』では、宇宙飛行士の姿をしたコンパニオンが上空41.5キロメートルまで打ち上げられ他様子を撮影した動画を公開した。この作品はコロナ禍でも自宅で安心して作品を鑑賞してほしいという想いから制作された。このように革新的な発想で日々我々を驚かせてくれることもKAWSの魅力だ。

KAWSの作品に触れる

【1】KAWS-TOKYO-FIRST-展覧会ビジュアル-1-1200x900

「KAWS TOKYO FIRST」展覧会ビジュアル 
出典:https://media.and-art.jp

2021年7月16日から10月11日まで国内初のKAWS大型展覧会「KAWS TOKYO FIRST」が森アーツセンターギャラリーで開催された。この展覧会ではコマーシャルアートからファインアートまで網羅するKAWS作品の視覚的アプローチに迫り、制作初期の作品から最新作までの絵画や彫像、プロダクト、さらにはKAWSが保有するプライベートコレクションなど150点以上の作品が展示された。

展覧会名「KAWS TOKYO FIRST」は2001年に渋谷パルコで自身日本初の個展を開催した時と同じもので、20年後の今「原点復帰」の思いが込められている。

KAWS SEEING, 2018 © KAWS, photograph by Jonty Wilde
出典:https://media.and-art.jp

KAWSの作品価格は?

KAWSの作品は現在高値で取引されている。2019年4月にサザビーズ香港で開催された、NIGO®の個人コレクションオークション「NIGOLDENEYE® Vol. 1」にて KAWSの《THE KAWS ALBUM》が1478万4505ドル(約16億4700万円)で落札された。これは予想落札価格の約15倍の価格で、KAWSのオークションレコード1位の記録となっている。

the kaws album

《THE KAWS ALBUM》
出典:https://news.artnet.com/

KAWSはこれに対して自身のinstagramで「なんて奇妙な朝……。私は、私の作品がこんなふうに売れると思うか?―いいえ。今朝スタジオに着いたのは、いつもと同じ時間だったか?―はい。明日も同じようにするか?―はい」と素直な驚きの声を漏らしている。

KAWSの作品はメディコムトイやフィギュアなどのグッズやポスターにもなっており、これなら手が届きやすいものも販売されている。価格は数千円~数百万円のものまでピンキリで、楽天市場やヤフオクでも購入することができる。 可愛らしく、インテリアとして部屋に飾りやすいのでおすすめだ。

まとめ

《KAWS NEW TURN》
画像引用:https://media.and-art.jp

アートだけでなく、幅広いジャンルで活躍を続ける KAWS。彼の大胆かつ革新的な創作活動は人々を飽きさせず、さらに今年日本で開催される大型展覧会でもさらなる人気が高まることが予想できる。常に新しい挑戦を行うKAWSの活動に今後も注目していきたい。


KAWSのオーナー権を購入できる

ANDARTでは、KAWSのように資産として将来性も期待できる本格アート作品を1万円から共同保有することができます。現在、ANDARTで扱っているKAWSの作品は、《URGE》《NO REPLY》です。

バンクシーやアンディ・ウォーホル、奈良美智など、国内外の人気アーティストの作品を取り扱っているので、ぜひチェックしてみてください。会員登録は無料!会員の皆様にはオークション速報や新作販売のお知らせなどお得な情報をお届けしています。

文:ANDART編集部