
【不動産投資ローンとは?】住宅ローンとの違いやメリット、金利等の特徴を解説

区分マンションやアパート一棟などの不動産投資をする場合、ほとんどの人が不動産投資ローンを利用するでしょう。住宅ローンとの違いや金利など、不動産投資ローンの特徴やメリットを紹介します。
不動産投資ローンと住宅ローンとは
不動産の購入に関わるローンは、大きく分けて2種類あります。
不動産投資ローン
投資や事業目的のためのローンで、第三者に貸し出すなどの、自己居住以外の目的で不動産を購入するためのローンです。
住宅ローン
自分が住む家を購入する時に利用するローンです。賃貸に出すための不動産購入時には利用できません。
不動産投資ローンと住宅ローンの違い
目的が異なると、審査項目やそれぞれの融資条件なども異なってきます。
金利の違い
不動産投資ローンは住宅ローンに比べて金利が高い傾向です。変動金利の場合、
- 不動産投資ローン:おおよそ1.6%〜
- 住宅ローン:おおよそ0.3%〜
となっています(2022年2月時点、RENOSY編集部調べ)。
審査内容の違い
融資をする際の審査内容も異なります。
不動産投資ローンの場合は、物件が生み出す価値による収益性・事業性、それに加えて個人の返済能力等を審査されます。一方の住宅ローンの場合は、個人の返済能力等を審査されます。
返済の原資
不動産投資ローンは、入居者から入金される家賃をローンの返済に充てていきます。住宅ローンは購入者自身が収入から返済していきますので、「誰が返済するのか」という点は大きく異なります。
不動産投資ローンを利用するメリット
1. レバレッジを使うことで少ない資金で投資できる
レバレッジとは、金融分野で「てこの原理」を意味し、少額の投資で多額の利益を目指すことを指します。不動産投資の代表的なメリットが、不動産投資ローンのレバレッジ効果です。
何か投資を始めようとする時、一般的には自己資金の範囲内で投資を行い、リターンを得ます。
例えば、利回り3%の金融商品に投資するとします。
A. 100万円の自己資金を投資する
B. 1,000万円の自己資金を投資する
Aの場合は年間3万円増え、Bの場合は30万円増えます。投資に使える手元の資金がたくさんあればあるだけ、リターンも大きくなります。
不動産投資ローンを使うと手間と時間を一足飛びにできる
不動産投資ローンを利用すると、少しの手持ち資金で、数百万円、数千万円、時には億単位の投資運用が可能となります。
金融機関の融資を利用して、自己資金の何倍もの大きな金額の取引ができることで投資効率を高められることを、レバレッジ効果、レバレッジが効くなどと言います。
先ほどの例と比較すると、
C. 100万円の自己資金で、1,000万円のローンを組み投資する
利回り3%で賃貸経営(月々の家賃収入5万円)をするとき、年間30万円増えることになります(実際にはローンの返済等がありますので返済額等がマイナスされます)。
自己資金100万円を1,000万円まで貯めるのは至難の業です。手間と時間を、レバレッジ効果で一足飛びできるのが大きなメリットになります。
2. ローン返済に入居者の家賃支払いを充てられる
2つ目のメリットは、ローン返済に入居者からの家賃を使うことができる点です。ローンの返済にも、自分のお金は使わなくてよいのです。
つまり不動産投資は、レバレッジが効かせられ、自己資金は別の投資に生かすことが可能となります。
3. 団体信用生命保険への加入
不動産投資ローンを組む際、多くの金融機関は団体信用生命保険への加入を融資の条件としています。
団体信用生命保険とは、死亡など万が一のことがあった場合に、ローン残高が0円となる保険です。これにより家族に不動産を残すことができ、家族は不動産を貸し続けたり、売却して現金化し当面の生活費にしていくことが可能になります。
毎月手元にあるお金を使って保険料を支払う必要なく、生命保険に入ることになります。これが3つ目のメリットです。
【関連リンク】不動産投資ローン中にがんと診断。団信を使って残債0円にした20代オーナーの葛藤と安堵
不動産投資ローンを利用するデメリット
不動産投資ローンにもデメリットは存在します。
1. 返済利息があるので、現金一括より返済金額が増える
不動産投資ローンでは当然ながら金利がありますので、返済利息が発生します。
例えば、
- 2,200万円の物件取得
- 金利1.9%
- 元利均等返済
- 35年のローン
を組んだ場合、返済利息は約800万円かかります。
800万円もかかれば、「やはり現金一括で買いたい」と思われるかもしれません。ただ不動産を購入するために貯蓄するとなると長い時間が必要になります。不動産投資ローンを使うことで貯める時間が必要なくなり、人生において資産形成のスタート時期を早めることができます。
2. 変動金利で利率が変わった場合、返済金額が増える
上記の試算は金利変動がない設定ですが、不動産投資ローンで変動金利を利用した場合には、金利の変動の可能性があります。
金利が上昇すると、ローン返済に家賃収入を充てるだけでは足りなくなり、自己資金の持ち出しも発生する可能性は考えられます。リスクなく受け入れられる利率は何%までかなど、シミュレーションは必要となります。
3. 空室が続いた場合、入居が決まるまで自己資金で返済する必要がある
空室になると家賃収入がなくなるため、ローン返済を自己資金で行う必要があります。
不動産投資を始める際に、自己資金はそれほど必要はありませんが、貯蓄がまったくない状態だと、空室が発生した場合などのローン返済が苦しくなるため、ある程度の貯蓄は必要です。
4. 身の丈に合わないレバレッジをかけている
少ない自己資金で大きな投資効果を得られるレバレッジは、大きなメリットではありますが、時にデメリットにもなりえるので注意が必要です。
- 物件価格:2,000万円
- 頭金・ボーナス返済:無し
- 借入額:2,000万円
- 返済金利:2%
- 月額家賃収入:7万円
上記の例で考えてみましょう。この場合、月々の返済額は約6.6万円になります。
ローンの借入れ可能額が6,000万円まで組めるからと、上記条件と同様の物件を3つ購入したとします。あまり考えにくいですが、その後3部屋同時に空室になった場合、給料から3件分のローンを支払うことになります。身の丈に合わない投資をすることはリスクにもなりえます。
不動産投資ローンの融資を受けるには

不動産投資を始めようとして、「普通の会社員の自分が不動産投資ローンを組めるだろうか?」と疑問に思われることも多いでしょう。
アパートローン(パッケージ化された融資商品)は、ローン審査に一定の基準があるため、年収の基準を満たしていることが求められる傾向です。また勤続年数も関係します。
プロパーローン(オーダーメイド型の金融商品)の場合は、年収という基準よりも、事業性を丁寧に時間をかけて審査される傾向です。
年収500万円以下の場合
年収500万円以下の場合、不動産投資ローンの融資は難しいといわれています。年齢が若く、今後年収増加の見込みが予想されるなど、銀行が肯定的にとらえる条件が整っている場合には、融資が通る可能性はあります。
年収500万~1,000万円の場合
年収500万円を超えると、不動産投資ローンは利用しやすくなります。
従来からある銀行ではなく、預金などを受け入れずに貸付業務を主とするノンバンクや、リアルな店舗を持たないネット銀行による融資が増えています。
【関連リンク】年収500万円でも不動産投資はできる? 注意点をまとめてみた
年収1,000万円を超える場合
年収が1,000万円以上ある場合、都市銀行も視野に入ってきます。ただし、都市銀行の場合、自己資金や事業実績の有無も重要なポイントです。
信用情報も重要な審査対象
審査は、年収のほかにも、それまでのクレジット・ローンの契約や申し込みに関する内容も対象となります。
「クレジットカードの引き落とし日に銀行残高が足りなかった」ということは簡単に起こることですが、このときすぐにカード会社に連絡せず、また支払いせずに放置しておくと、信用情報機関に延滞の記録が残るようになります。
数万円の遅延で、大きな借入れができなくなる可能性があります。
審査期間を経て融資実行までの期間
ここでは、不動産会社が提携している金融機関にアパートローンを融資してもらう場合のおおよその目安をお伝えします。
事前審査から本審査、契約を経て融資実行まで、さまざまな事情で前後する可能性はありますが、基本的には約1カ月をみておくとよいでしょう。必要な書類が整っている場合、最短1週間で審査が通るケースもあります。
【関連リンク】不動産投資ローンを組むときに必要な年収と、最大の融資額はいくら?
不動産投資ローンに関する気になる疑問
続いて、不動産投資ローンに関して、みなさんが気にされているよくある疑問についてお答えします。
不動産投資に頭金は必要?
不動産投資では多くの場合頭金を求められません。フルローンで借入れが可能なことが多い傾向です。
フルローンとは、物件の購入価格を全額融資してくれるという意味です。それ以外にも、手付金や諸費用などもローンに組み込むことができる場合もあります(オーバーローン)。
ただし、職業などによっては頭金を数十%ほど払わなければ融資を受けられない場合もあります。また投資方針によって頭金をいくらか払った方がお得と考える人もいます。
【関連リンク】不動産投資でフルローンを組める? 事前に知りたいメリット・デメリットとは
借入金額は年収の7〜8倍程度が平均
不動産投資ローンで借りられる金額は年収の7〜8倍程度が目安といわれています。収入が500万円だと仮定すると、借りられる金額は4,000万円程度が目安になります。
ローン開始時に必要な初期費用は?
購入の不動産が新築か中古か、一棟か区分かなどによって、また不動産会社から直接買うか、仲介して買うかによっても異なります。
中古区分マンションで、売主が不動産会社の場合、初期費用の目安は50万〜80万円です(RENOSYの場合)。
仲介不動産会社を通して購入する場合や一棟アパートなどの購入の場合、物件価格の7〜8%を想定しておけばよいでしょう。
【関連リンク】不動産投資にかかる費用とは〜初期費用・運用費用・手数料など
注意すべきポイント
繰上返済はできる?
不動産投資のローンで注意すべきポイントは、固定金利期間中の借り換え(一括返済)や繰上返済に対する違約金があるかどうかです。融資を受けるときは気にしない方が多いかもしれません。しかし、予備知識として金融機関の担当者に確認しておく方がよいでしょう。
【関連リンク】不動産投資のローン繰上返済はやるべき? メリットやデメリット、タイミングなど解説
不動産投資ローンは対象により条件が異なる
不動産投資ローンは、投資対象によって、利用する金融機関によって融資を受けるための条件は大きく異なります。
これまで述べてきた内容は、あくまでも一般論としての内容であり、参考として検討をする際の目安です。当然ながら、年収のほか資産背景など、個人の状況によって選べる金融機関、借入れの金額や金利、融資期間等の融資条件も異なります。
同じ銀行でも支店によって融資に関するスタンスが異なる場合もあるので、融資が受けられる金融機関を探しましょう。
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