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James Pfaff / Banksy Monkey Mask Session (Tag) London

覆面アーティスト バンクシーのポートレートを撮影した写真家 James Pfaff とは?その魅力と経歴を3分で解説

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James Pfaffとは?

James Pfaffは1965年、スコットランド生まれの写真家・現代アーティスト。とりわけ90年代~00年代は写真家としての活躍が顕著で、2000年代前半にロンドンでバンクシーと出会いスナップ写真的な作品から正式なポートレートまで撮り続けていた。

portrait of James Pfaff
James Pfaff 画像参照元:http://www.jamespfaff.com/

ここで言う正式なポートレートとはバンクシー唯一の公式作品集「Wall and Piece」に作家近影として登場した「Canvas Session」と英国国立肖像画美術館にもバンクシーのポートレートとして認められた「Mask Session Tag」等を指す。

バンクシーのポートレートを撮影

≪BanksyCanvasSessionLondon≫ (2004) / James Pfaff
≪Banksy Canvas Session London≫ (2004) / James Pfaff

1994年にスコットランドのグラスゴーからドイツのハンブルグに移り住み、1998年には彼の最初のアーティストブック「Alex & Me/Danilo Montanari Editore」(2016年刊行)のためのイメージを制作。その後、2001年にロンドンに移住。商業的な活動を続けながら、作品制作とプロジェクトの展示を行っていった。

この時期にJames Pfaffはバンクシーと出会い、2001年から2004年にかけ、3回に渡ってバンクシーと彼のスタジオを撮影することになる。ここで撮影されたポートレートのうち、≪Banksy Monkey Mask Session ≫≪Banksy Canvas Session≫ は、2005年にランダムハウスから出版されたバンクシー唯一の公式作品集「Wall and Piece」にも掲載されており、バンクシーとの強いつながりを感じさせる。

≪Banksy Monkey Mask Session (Tag) London≫ (2004) / James Pfaff
≪Banksy Monkey Mask Session (Tag) London≫ (2004) / James Pfaff

ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーは、後にそのうちの1枚 ≪Banksy Monkey Mask Session (Tag) London≫ をバンクシーのポートレートとして入手(2007年)。素顔を明かさないバンクシーだが、覆面ではありながらも、この作品は自他共に認めるポートレートとなっている。

James Pfaff 作品の魅力

▍アナログにこだわった高品質のプリント

≪Alex & Me≫ より / James Pfaff
≪Alex & Me≫ より / James Pfaff 画像引用元:https://www.1000wordsmag.com/

James Pfaffの作品はすべて、ライカ、ハッセルブラッド、フジフィルムなどの高品質なアナログ写真機材を使用し、コダックのフィルムストックで撮影されている。デジタルプロセスでは失われてしまう、アーティストとネガフィルムと被写体とのつながりを維持しようとしているのだ。

可能な限りアナログのプロセスに忠実であり、一部の大型作品を除くすべての作品は、ロンドンで手動でタイプCプリントされた後、チェックを受けて額装している。

▍数々の著名人のポートレートを手がける

James Pfaffの写真作品は大胆でバランスが良く、彼はポートレート写真家としても定評がある。バンクシーの他、エリック・クラプトン、ジョージ・ベスト、マルコム・マクラーレン、ダフネ・ギネス、ショーン・オノ・レノンなど、数多くの著名人のポートレートを制作している。

▍ファッション・カルチャーの分野からも注目

デンマークのブランドWonHundredのための写真 (写真:James Pfaff)
デンマークのブランドWonHundredのための写真 (写真:James Pfaff) 画像引用元:https://lineageofinfluence.wordpress.com/

彼は Vanity Fair、GQ、ELLE、The Wire、Monocle、The Faceといった雑誌をクライアントに持ち、VOGUE、Rolling Stone、PLAYBOYなどの雑誌にもその作品が掲載されている。また、Nike (Wieden+Kennedy)、Clements Riberio、Courrègesといったブランドも彼のクライアントとなっている。

▍日本とのつながりも

≪Vermilion Byobu.≫ (2020) / James Pfaff
Vermilion Byobu.≫ (2020) / James Pfaff 画像引用元:http://www.jamespfaff.com/

1998年に初めて日本を訪れたJames Pfaff。彼は「日本は今でも私にインスピレーションを与えてくれる国だ」と述べている。金閣や竜安寺などをモチーフにした写真作品が制作されているほか、近年の作品にも和紙を取り入れたり、石庭や屏風といった日本らしいモチーフにしたプリントにドローイングを加えた作品などを発表している。

James Pfaffの作品を購入する

≪Banksy Welders Mask Session London≫ (2004) / James Pfaff
≪Banksy Welders Mask Session London≫ (2004) / James Pfaff

YOUANDARTでは、James Pfaffのエディション付きプリント作品を販売している。人気のバンクシーのポートレート≪Canvas Session≫や≪Mask Session Tag≫のほか、ANDARTでオーナー権取り扱いのはじまった≪Napalm≫を描くバンクシーや、その作品の前に立つバンクシーの様子も収められている。

いずれも現在は10万円を切る比較的手頃な価格での購入が可能だ。≪Napalm≫ のオーナー権を購入した方は、こちらの写真作品を併せて所有することでより作品を身近に感じられるのではないだろうか。

また、現在販売されているJames Pfaffのバンクシーオフィシャルポートレートシリーズは2021年6月末をもって全世界販売終了となる。この日以降、現在の価格での販売は一切なくなる予定なので、これを機にぜひ検討したい。

まとめ

覆面アーティスト・バンクシーのポートレートを撮影した写真家・James Pfaff。アートのみならず、ファッション・カルチャーの分野からも熱い視線を受け、その作品のプリントも安定した高品質のものだ。バンクシーファンならば、ぜひ合わせて押さえておきたいアーティストの1人だ。