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草間彌生とは?彼女の作風から作品を見られる美術館までご紹介

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草間彌生とは?

1929年長野県松本市生まれ。水玉模様やかぼちゃのモチーフで知られる日本を代表する前衛美術家の1人。10歳の頃より幻視のイメージから来る水玉模様などの絵画を描き始め、1957年に単身渡米。巨大な平面作品、ソフト・スカルプチュアなどを発表し、1960年代ニューヨークのアートシーンで重要な役割を果たす。1973年に体調を崩して帰国後、小説や詩集も手がけながら作品制作を続け、1993年ヴェネツィア・ビエンナーレに日本代表として参加。

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画像引用:文部科学省ホームページ, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=63881970

2011~12年に開催された大規模な回顧展『YAYOI KUSAMA』がテート・モダン、ホイットニー美術館などを巡回し、国際的評価を決定的なものにする。また2017年には東京都乃木坂にある国立新美術館開館10周年を記念して展覧会『草間彌生 わが永遠の魂』が開催されるなど、日本でも圧倒的人気を誇る作家だ。2014年にはイギリスの専門誌『THE ART NEWSPAPER』が毎年発表する「世界で最も多くの観客を集めたアーティスト」に選定され、2016年にはアメリカの『TIME』誌で「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、文化勲章を受賞した。90歳を超える今も現役で活動を続けている日本を代表する女性作家。

草間彌生美術館

草間彌生美術館
画像引用:https://yayoikusamamuseum.jp/about/museum/ , Photo by Kawasumi-Kobayashi Kenji Photograph Office

草間の世界観を存分に堪能するなら、「草間弥生美術館」に行くのがおすすめ。2017年に東京都新宿区弁天町で開館した美術館で、一般財団法人草間彌生記念芸術財団が運営している。ここでは絵画からインスタレーション作品まで幅広く作品が展示されており、代表作である南瓜や水玉シリーズ、ミラールーム、彫刻作品など様々な草間の作品の世界観に浸ることができる。屋上ギャラリーもあり、開放的な空間での作品鑑賞は東京都内とは思えないほど穏やかで刺激的な体験になるだろう。展示は1年に1回ほど入れ替わるため、開期をまたげば草間の新しい作品を鑑賞することもできる。

開館日は木・金・土・日曜日および国民の祝日。入場は日時指定の完全予約・定員制(各回90分)なので、事前予約を忘れずに、時間に余裕を持って来場することをお勧めする。

十和田市現代美術館《愛はとこしえ十和田でうたう》
画像引用:https://towadaartcenter.com/collection/love-forever-singing-in-towada/ ,撮影:小山田邦哉

青森県にある「十和田市現代美術館」ではアート広場の一角に草間の8つの屋外彫刻群《愛はとこしえ十和田でうたう》が設置されている。また、草間の生まれ故郷である長野県松本市にある「松本市美術館」は外壁一面が草間の水玉模様で覆われ、ダイナミックな花の屋外彫刻やコレクション作品が展示されている(松本市美術館は改修工事のため2021年4月1日~2022年4月中旬の予定で休館中)。

草間彌生の代表作品

自己消滅

画像引用:https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_07

水玉や網目は草間の代名詞ともいえるモチーフだ。草間は複雑な家庭環境で育ったことから強迫性障害を患い、モノの形が解体し水玉や網目状になって部屋や身体が埋め尽くされるというような幻覚に悩まされていたという。このような幻覚や幻聴から逃れるために、自らの筆によってその像を記録していたというのだ。実際、10歳の頃に描いた母親の肖像画にも無数の水玉が現れている。絵画の中で全ての物質を水玉の粒子として捉えることで、自らの存在とともに不安も消し、周りの環境から自身を解放することを目指していたのだろうか。

南瓜シリーズ

南瓜

《南瓜(黄かぼちゃ)》
画像引用:https://rito-guide.com/naosima-kabotya/

草間の作品のもう一つ代表的なモチーフに南瓜がある。草間はカボチャについて「太っ腹で飾らない容貌と精神的な力強さに私はずっと魅せられてきました」と語る。小学生の頃に初めて見て、画学生の頃から繰り返し描いており、「人生の伴侶」であるという。国内でよく知られる草間の作品の1つは、瀬戸内海のベネッセアートサイト直島にある《南瓜(黄かぼちゃ)》と《赤かぼちゃ》というオブジェだろう。鮮やかな黄色に黒の水玉模様が施され、青い海や空とのコントラストが際立つ。

ハプニング

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画像引用:https://www.formidablemag.com/yayoi-kusama/

1967~69年、ウォール街やセントラルパークなどのランドマーク的な場所で若い男女が突然裸になり、草間が彼らの身体に水玉をペインティングするというハプニングという表現活動を行なった。これはベトナム反戦、性の解放などをテーマにしたものだ。実施前には周到にメディアを巻き込み、「デイリー・ニューズ」の1面で紹介されるなど、1960年代のヒッピー文化の隆盛にも絡み大きな反響を呼んだ。

無限の鏡の間

ロンドンのテートモダンで草間彌生が最大級の「インフィニティルーム」を展示(テートモダン)

画像引用:https://www.arabnews.jp/article/arts-culture/article_30658/

草間のインスタレーション作品には鏡を全面に使った「ミラールーム」という部屋を使ったものがよくみられる。この部屋に入った鑑賞者や物体が鏡に反射して無限に反復する様を見ることができる没入型インスタレーションの作品だ。草間はたびたびミラールームの空間に多数のLEDライトを設置し、幻想的で美しいだけでなくまるで草間の創作の原点でもある水玉の幻覚を疑似体験するかのような作品を制作している。

富士山

《七色の富士》
画像引用:https://media.thisisgallery.com/works/yayoikusama_26

2015年NHK BSプレミアムで放映されたドキュメンタリー「ザ・プレミアム 草間彌生 わたしの富士山 ~浮世絵版画への挑戦~」の「現代の浮世絵版画を創るプロジェクト」で草間は初めて浮世絵作品に挑戦した。そこで制作された《七色の富士》は14,685個の水玉がアダチ版画の彫師により施され、味わい深い水玉の空と悠々と存在感のあるカラフルな富士山が印象的な色違い7枚組の作品。草間は他にも《富士は心の故郷》という木版画作品も制作している。

草間彌生のグッズをいくつかご紹介

草間のアイコニックな作品はグッズとしても人気が高い。美術館に行った際のお土産としてはもちろん、ファッションアイテムやインテリアとして様々なグッズを購入することができる。また、2012年にはルイヴィトンともコラボレーションを実施し、水玉やネット、カボチャなどの代表的なパターンを用いた商品「Louis Vuitton × YAYOI KUSAMA」を発表した。

草間のグッズは「六本木ヒルズ アート&デザインストア」「草間彌生美術館」の実店舗や「MoMAストア」「森美術館オンラインショップ」などの通販で購入することができる。

草間彌生:オブジェ PUMPKIN レッド

草間彌生:オブジェ PUMPKIN レッド

https://www.momastore.jp/shop/g/g0497608072018/

マスコット | 草間彌生 YAYOIちゃんプラッシュ

マスコット | 草間彌生 YAYOIちゃんプラッシュ

https://shop.mori.art.museum/view/item/000000000037

手ぬぐい | 草間彌生 LOVE FOREVER Red

手ぬぐい | 草間彌生 LOVE FOREVER Red

https://shop.mori.art.museum/view/item/000000000104

草間彌生をもっと深く知る

映画『草間彌生∞INFINITY』

草間彌生∞INFINITY

画像引用:https://filmarks.com/movies/84750/no_spoiler

2018年に制作された草間彌生の半生を追ったドキュメンタリー映画。草間本人のインタビューを交え、彼女の70年にわたる波乱万丈のアーティスト人生を記録した作品。本作では草間の過去のニューヨークでの映像や制作風景など貴重なシーンを見ることができる。

http://kusamayayoi-movie.jp/

映画『≒草間彌生 わたし大好き』

≒(ニアイコール)草間彌生(海外用PAL) [DVD] (NEAR EQUAL KUSAMA YAYOI)(English subtitle)日本国内で見れない仕様です。

画像引用:https://www.amazon.co.jp/gp/product/B001P9L6SU/ref=as_li_qf_sp_asin_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B001P9L6SU&linkCode=as2&tag=filmarks-22

2008年制作、2017年に公開されたドキュメンタリー映画。F100号のモノクロ作品シリーズ「愛はとこしえ」50作が完成する貴重な瞬間に密着する。草間の日常と制作風景を記録し、彼女の知られざる貴重な一面を垣間見ることができる。

作品集『草間彌生:わたしの芸術』

草間彌生:わたしの芸術

画像引用:https://www.momastore.jp/shop/g/g9784766132885/

本で草間の作品をいつでも眺めていたいという方には作品集がお勧めだ。2019年に出版された本作は絵画、パフォーマンス、インスタレーションまで幅広く草間の作品を見ることができる。さらには批評家やアーティスト仲間との対談も内容に盛り込まれている。

https://www.momastore.jp/shop/g/g9784766132885/

草間彌生の作品の値段は?

画像引用:https://www.sothebys.com/en/auctions/ecatalogue/2019/contemporary-art-evening-sale-hk0855/lot.1144.html

草間の作品は国内外で高く評価され、オークション市場での落札価格も高騰している。2019年に香港で開催されたサザビーズオークションでは《Interminable net #4》が約8億7,500万円で落札されオークションレコードを更新した。また、カボチャのモチーフは中国圏では縁起の良いものとされていることからも人気が高く、同じく2019年のオークションにて《PUMPKIN (TWPOT)》が約7億7000万円で落札された。

草間の作品にはシルクスクリーンやリトグラフなど同じ作品が複数存在するプリント作品もあり、中でも高額なものは先述した7枚組の木版画《七色の富士》で、120部刷られたうちの一つが2019年に開催されたオークションで3200万円で落札された。

草間彌生の作品オーナー権を購入する

ANDARTでは草間彌生の作品を取り扱っている。オーナー権とは各アート作品の価格からANDARTが数量限定で発行し、優待を受けられる会員権のこと。ANDARTでは草間のようなアーティストの作品も、“シェアする”という形で気軽にコレクションすることができる。そして価値が上がったアート作品のオーナー権はサービス内で簡単に売買することができ、そこで利益を得ることができる可能性もある。真贋の判断が難しい作品もこういったサービスを通すことで安心して所有することができる。

また、オーナーには特典や優待イベントなどもあるので、デジタル上で手軽にアートコレクションしたい人や部屋に作品を置くスペースがない人、アートのオーナー権を投資感覚で売買してみたい方などはぜひ利用して欲しい。

まとめ

草間彌生

画像引用:https://www.cinra.net/news/20190807-kusamayayoi

日本を代表するアーティストである草間彌生。彼女はまだ女性作家が活躍の幅を狭められる時代から前衛芸術家として活躍していた。ニューヨークに渡米、そして帰国後も彼女の芸術は必ずしも受け入れられるものではなく、そのアーティスト人生は波瀾万丈なものであった。女性として、日本人アーティストとして、そして1人の人間として激動の人生を歩んだ草間だからこそ、その作品は見るものの心を激しく揺さぶるものがあるのだろう。