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モノクロームの人物像で知られる、アーティスト五木田智央を5分で解説

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五木田智央とは?

1969年東京生まれ。高校生の時に友人からの依頼や、母親がやっていたジャズバーに来る編集者たちから仕事を受けるなどして、イラストやデザインを制作している。1998年、雑誌『BARFOUT!』5月号で描いたUAの顔のイラストが表紙に採用され、ファッション業界や音楽シーンから注目を集めた。雑誌や商業デザインの仕事を続けていたが、90年代半ばに画家へ転向した。

国内ではタカ・イシイギャラリー、海外ではBlum & Poeに所属。グワッシュで描いた、モノクロームの人物のペインティングでよく知られている。

主な展示として、2014年のDIC川村記念美術館での個展『THE GREAT CIRCUS』、2015年4月のロサンゼルスのHonor Fraser Galleryでの個展『BÉSAME MUCHO』、2016年のニューヨークの老舗ギャラリー メアリー・ブーンでの個展『Out of Sight』、2018年の東京オペラシティアートギャラリーでの個展『五木田智央 PEEKABOO』、2020年のタカ・イシイギャラリーでの個展『MOO』などがある。

海外で先に評価され、日本では逆輸入される形で人気に火がついた、世界的に認知される作家である。

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画像引用:http://www.mutanteggplant.com

代表作品

五木田の代表作は、白と黒の色彩を使い、メタリックなグラデーションで描いた人物像。具象的なモチーフを用いながら、顔は描かずに抽象的なイメージで構成する独自のタッチを展開する。五木田の作品の中でも、特に人気が高い。

『Old Portrait』(2016年)前澤友作氏蔵 ©Tomoo Gokita Courtesy of Taka Ishii Gallery Photo: Kenji Takahashi
画像引用:https://numero.jp

代表作の特徴

雑誌のカットなどから着想し、具象的なモチーフと抽象的な表現を一体にした、コラージュ的な手法を用いている。

五木田は「なぜ、顔が塗りつぶされているのか」と、記者からよく聞かれるのだという。「プロレスのマスクやアフリカの仮面に惹かれているから」と答えることもあったが、本人いわく、実際は自分でもよく分かっていないそうだ。

『記念撮影』(2017年)個人蔵 © Tomoo Gokita Courtesy of Taka Ishii Gallery Photo: Kenji Takahashi
画像引用:https://numero.jp

作品集『ランジェリーレスリング』(2000年、リトルモア)

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画像引用:https://www.amazon.co.jp

五木田が海外での活動が広がるきっかけとなった、2000年に出版されたドローイング集。

当時、画材の色数を揃えたりキャンバスを用意するにはお金がなく、白と黒の画材と紙を買って、黒いドローイングを制作した。パルコギャラリーなどで同名の展覧会を開催している。

そして、この作品集を見たというニューヨークの知らない作家からグループ展のオファーが来る。グループ展に参加すると五木田の作品は好評となり、何人ものギャラリストから声がかかった。その後、国内外で多数の展覧会を開催。

同著はなかなか手に入らない一冊なので、ファンは見かけたら迷わず手に入れたい。

作品の特徴

木炭やインクで描いたドローイングや、モノクロームの絵画、青色の単色で描いた作品、ステンシル画、コラージュ作品、立体作品などを制作。2020年のタカ・イシイギャラリーでの個展『MOO』では、国内で初めてのカラー作品を発表した。

表現の幅を広げている五木田がインスピレーションの源泉としているのは、1960〜70年代のアメリカのサブカルチャーやアンダーグラウンド。古い雑誌や映画のスチール写真、印刷物、ポストカードなどから着想を得ているという。また、大のプロレス好きでもあり、作品にもモチーフとして登場している。

Tomoo Gokita, “Untitled”, 2008-2015, mixed media, dimensions variable© Tomoo Gokita / Courtesy of Taka Ishii Gallery, Tokyo
画像引用:https://forbesjapan.com

音楽×五木田

イラストレーター、グラフィックデザイナーとして活動していた五木田は、現在も音楽シーンとの結びつきが深い。

テイ・トウワ(TOWA TEI)の、オリジナルアルバム『CUTE』(2015)やカバーベストアルバム『94-14 COVERS』(2014)のジャケットのアートワークを担当。細野晴臣のドキュメンタリー映画『NO SMOKING』のポスターのキービジュアルを、テイトウワと手がけている。

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画像引用:https://www.amazon.co.jp

五木田の作品価格は?

国内外で高い評価を得ている五木田は、アートマーケットでも人気のある日本人アーティストの一人だ。作品価格を、落札価格から振り返ってみたい。

2018年7月に開催されたSBIアートオークションでは、2点組の版画《Uncovering method》(2008)、《Weight sensation》(2008)が97万7500円で落札(落札予想価格は50万~80万円)。《A Bud》(2011)は、460万円で落札された(落札予想価格は250万~350万円)。どちらも中型の作品でありながら、予想価格を大きく上回る金額となっている。

また、2019年10月に原宿のバツアートギャラリーで開催された、アートオークション「Harajuku Auction」では、《MATURE #2》(2017)が、同オークションでの最高予想落札額である2000〜3000万円という価格が付けられ、2900万円で落札された。

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《MATURE #2 2017》
画像引用:https://numero.jp

五木田の作品に触れる

手軽に楽しみたいなら、書籍やファッションから取り入れてみるのもいい。より身近に五木田の世界が感じられるだろう。

『シャッフル鉄道唱歌』(2010年、天然文庫)

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画像引用:https://bccks.jp

鉄道にまつわる文を絵の具のようにかき回して生まれた唱歌80本と、唱歌から生まれた書き下ろしドローイング24点が掲載されている。ゆるいドローイングと謎の文章で、なんとも言えない世界観が構築されている。アーティスト五木田智央の別の一面が見られる一冊。

『777』(2015年、888ブックス)

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画像引用:https://www.amazon.co.jp

2006~2015 年に描かれた777点のドローイングを掲載。イラストのようなドローイング、人物画、抽象画など、五木田が描いた白黒の作品をたっぷり詰め込んだ作品集となっている。

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画像引用:http://www.nadiff-online.com

五木田がTACOMAFUJI RECORDSとコラボレートして制作したTシャツ。2017年に発売された。ギャラリーショップなどで購入することができる。

さらに、日本のファッションブランドのトーガ(TOGA)が「2021-22年秋冬コレクション」でアーカイブ作品を起用したり、過去にユニクロがTシャツを手がけるなど、ギャラリーショップ以外でも、五木田の作品を目にすることができる。音楽やサブカルチャーに影響を受けてきた作家であり、過去にデザインやイラストを手掛けていただけあってファッションと親和性が高く、魅力的なものが多い。

五木田作品のオーナー権の購入が可能

ANDARTでは、五木田智央の作品も取り扱い中だ。ANDARTでは、数量限定で発行されるオーナー権を購入し、“シェアする”形で気軽にコレクションに加えることができる。

アートコレクションを始めてみたいが、信頼できる著名なアーティストの作品を購入したいという方にお勧め。人気があり入手困難なシリーズの作品の所有を希望される方も、ぜひ検討していただきたい。

まとめ

アメリカのアートシーンで高い評価を受け、バスキアを見出したギャラリスト メアリー・ブーンのお墨付きを得たアーティスト五木田智央。サブカルチャーやアンダーグラウンドを背景に持ち、独特の匂いがする世界観を放ちながら、美しいモノクロームのグラデーションや計算された画面構成からは絶妙なバランス感覚がうかがえる。ますますの活躍が見込まれるため、目が離せない作家の一人だ。

画像引用:https://www.mpweekly.com