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アート解説

現代アートを牽引する二大巨頭!バンクシーとダミアン・ハーストの共通点とは?

アート解説

バンクシーとダミアンハーストの共通点

正体を明かさずに世界中のストリートに作品を描くバンクシーと、強烈な死生観でセンセーショナルな作品を作り続け、世界一稼ぐアーティストとも言われるダミアン・ハースト
現存するアーティストの中でも特に高く評価され、オークションでも高額落札を叩き出す印象の強いこの2人にはいくつかの共通点がある。

まず両者ともイギリスのブリストル出身であるということ(バンクシーに関しては正確な情報ではないが、ブリストル出身という説が濃厚である)。ブリストルはアートの街として知られ、バンクシーをはじめ多くのストリートアートの活動が盛んで、街中にアート作品がある。

バンクシー《Aachoo!!》画像引用:https://www.banksy.co.uk/

また、両者ともネガティブなことを題材に作品を制作しているという点も共通していると言える。バンクシーは紛争や移民問題などの社会問題を題材にし、親しみやすい絵の中に世界の残酷さや皮肉の片鱗を見せる表現をよく行う。一方、ダミアン・ハーストは本物の動物や虫の死骸などを使うことで、鑑賞者が作品を通して「死」の概念について考えさせるられような作品を多く作る。

ダミアン・ハースト《In His Infinite Wisdom》画像引用:https://damienhirst.com/

さらに、バンクシーはコロナ禍に電車の中に作品を残したり、ハーストは斬新な仕掛けを施したNFTプロジェクトを始めたりするなど、常に革新的なアイディアで見る者に強烈なインパクトを残す点も共通しているといえよう。

そんなリアルタイムで現代アートを牽引するバンクシーとダミアン・ハーストだが、過去にはコラボレーションした作品もいくつか存在する。

バンクシーとダミアンハーストのコラボレーション

《Keep it Spotless》

画像引用:https://theartofbanksy.jp/

ホテルのメイドが掃き掃除をしている様子が描かれた作品。よく見るとカーテンのようにめくりあげているのはダミアン・ハーストの代表作「スポット・ペインティング」シリーズの作品のようだ。ダミアン・ハーストの「スポット・ペインティング」シリーズは、カラフルなドットが等間隔で並べられているのが特徴で、このドットは薬の錠剤を表している。「Keep it Spotless=染みひとつなく綺麗に保つ」と名付けられたこの作品は、ハーストのドットを「スポット(染み)」としたダジャレかつバンクシーらしい皮肉めいた作品である。

2008年にはこのキャンバス作品がサザビーズのチャリティオークションにて170万ドル(約1億9000万円)の価格で落札され、当時のバンクシーの落札価格1位の作品となった。

《Improved Spot Painting》

画像引用:https://sumally.com/

こちらも《Keep it Spotless》同様、ダミアン・ハーストの「スポット・ペインティング」シリーズの作品をオマージュしたバンクシーの作品。バンクシーが多用する代表的なモチーフであるネズミがペンキ塗りの格好をし、ハーストの作品を灰色に塗り潰そうとしてる。作品タイトルも「Improved Spot Painting=改善されたスポット・ペインティング」なので、ネズミのペンキによって元の作品より良い作品に改善されているという挑発的なメッセージが込められている。

ディズマランド

画像引用:https://casabrutus.com/

バンクシーが「悪夢のテーマパーク」として2015年の8月から5週間限定でオープンした「ディズマランド」。イギリスの片田舎であるウェストン・スーパー・メアという土地に広大に開催されたこのテーマパークは、名前の通り某夢の国のオマージュであるが、プリンセスが倒れていたり、従業員が無愛想だったりと、まさに悪夢のような空間が広がっている。

そのテーマパーク中にあるサーカス風のテントの中に展示されていたのが、ダミアン・ハーストの作品。彼の代表的な表現方法である動物をホルマリン漬けにした作品が展示されていた。シニカルなディズマランドの空間とダミアン・ハーストの死生観の強い作品は非常に相性が良かったのではないだろうか。

バンクシーとダミアンハーストの新作販売が決定

1万円から有名作品のオーナーになることができるANDARTでは、新たにバンクシーの《Very Little Helps》とダミアン・ハーストの《M-Fluorobenzylamine》の2作品を販売することが決定しました。現代アートを牽引する2人のアーティストの作品のオーナーになるチャンスなので、ぜひこの機会に購入ください。

ダミアン・ハースト《M-Fluorobenzylamine》

ダミアン・ハーストの代表作「スポット・ペインティング」シリーズの作品。ダミアン・ハーストの作品なら、まず最初に押さえておきたいモチーフだ。ひとつひとつのカラフルなドットは錠剤を表し、このシリーズのタイトルには薬の名前がつけられている。

バンクシー《Very Little Helps》

本作はバンクシーがイースト・ロンドンに残した壁画をもとに2008年にエディション作品化したもの。イギリスの大手スーパー「Tesco」のレジ袋を掲げ、少年少女が忠誠を誓うポーズをとる姿を描いた、資本主義を皮肉ったような作品。