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7月3日・4日開催 SBIアートオークション落札額Top5 作品解説

7月3日(土)・4日(日)に「第45回 SBIアートオークション|LIVE STREAM AUCTION」がオンラインで開催された。本記事では落札価格の高かった上位5作品とANDARTで取り扱うアーティストの落札結果を紹介する。(落札価格は手数料込み)

1)KYNE《Untitled》(2017)

落札価格:2,070万円

KYNE《Untitled》(2017)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

今回のハイライトである作品が期待を裏切らず、予想落札価格の上値の2倍以上となる価格で落札された。

本作は、F50(116.7 × 91.3 cm)という見応えのあるサイズで、クールに描かれた女性がこちらを見つめる、シンプルで印象深い作品となっている。福岡のUNION SODAでの展覧会「STAY GOLD MEGURU YAMAGUCHI × KYNE」(会期:2017年5月3日〜5月19日)で展示されている。

KYNEは大学時代に日本画を学び、並行して2006年頃から活動を開始し、グラフィティを描いていた。2010年頃から、1980年代の大衆文化を再解釈した女性のポートレート作品を発表している。現在、福岡を拠点に活動。近年は、アジアを中心としたアートマーケットで注目度が高まっている。

予想落札価格:600万円〜900万円

2)バンクシー《Soup Can: Original》(2005)

落札価格:約2,013万円

バンクシー《Soup Can: Original》(2005)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

予想落札価格の上値の2倍以上の高値がつき、バンクシーの変わらない人気の高さを見せた。当日は、次々とビットする声が上がり、オークショニアの手にも力が入る様子が見られた。

シルクスクリーンで制作された作品で、言わずと知れたアンディー・ウォーホルのキャンベルのスープ缶のオマージュである。バンクシーのトマトスープ缶のラベルにあるTESCO(テスコ)とは 、イギリス最大手のスーパー。ウォーホルのスープ缶を、現在消費されている商品に置き換えている。

作品名に「Original(オリジナル)」と付け加えている点からも、ストリートで無許可に描くグラフィティアーティストらしいユーモアが感じられる。

予想落札価格:500万円〜800万円

3)奈良美智《Sleepless Night (Sitting)》(2007)

落札価格:1,150万円

奈良美智《Sleepless Night (Sitting)》(2007)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

国内のアートオークションでは管理のしやすさを理由に、絵画作品のほうが立体作品よりも好まれる傾向があるが、ミクストメディアで作られたこの作品は、奈良作品の中でとくに人気のある少女モチーフということもあり、予想落札価格の上値の2倍以上の高値で落札された。

少女が身につけている着ぐるみに植毛が施されるなど、素材のテクスチャーも楽しめる立体作品となっている。

予想落札価格:350万円〜550万円

4)ルイ・ヴィトン × Supreme(シュプリーム)「Malle Courrier 90 Trunk」(2017)

落札価格:920万円

ルイ・ヴィトン × Supreme「Malle Courrier 90 Trunk」(2017)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

ルイ・ヴィトンのアイコニックなモノグラムと、シュプリームを象徴する赤が絶妙に調和している、2017年限定発売のコラボレーションアイテム。

当時、ルイ・ヴィトンのメンズ・コレクション・アーティスティック・ディレクターだったキム・ジョーンズがデザインし、パリ・メンズ・コレクションで発表されると話題になった。

シュプリームは、ニューヨークのストリートファッションブランド。ロゴデザインは、バーバラ・クルーガーの作品からインスパイアされて制作された。

予想落札価格:700万円〜1,000万円

5)李禹煥《Dialogue》(2010)

落札価格:約886万円

李禹煥《Dialogue》(2010)
画像引用:https://www.artprice.com/

「もの派」を代表する李禹煥(リ・ウファン)の水彩で描かれた作品が、予想落札価格の上値の3倍近い価格で落札された。

本作は、李が2000年以降に実践してきた「Dialogue(対話)」シリーズのうちの1点。同シリーズは当初、グレーの単色で描かれていたが、年月を通して色のバリエーションが増えていった。立体性を感じさせるオブジェクトは、一筆で描かれたようなシンプルな表現でありながら、余白の空間性を強く意識させ、精神世界をも感じさせる。

李は1936年、大韓民国慶尚南道生まれ。日本に拠点を置いて活動した。70年代に入ってから、木や石、鉄などを使った素材同士の新しい関係性を提示してみせる造形作品を制作した。香川県の直島に、李の70年代から現在までに至る作品を所蔵した、「李禹煥美術館」がある(建物は安藤忠雄設計)。

予想落札価格:200万円〜300万円

ANDART取り扱い作品から落札情報をピックアップ

ジュリアン・オピー《Up till now…》(2005)

落札価格:529万円

ジュリアン・オピー《Up till now…》(2005)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

雨の雫が落ちたときに見られる、波紋を描写した作品。ジュリアン・オピーは人物や風景を最小限の点や線で表現した作品でよく知られるが、本作も生き生きとした水の動きをミニマルに描写し、オピーらしさが感じられる。

水の流動的な造形を捉えた構図は、収集している歌川広重や喜多川歌麿の浮世絵からの影響を想像させる。

予想落札価格:300万円〜500万円

KAWS《Companion vs Astro Boy》(2002)

落札価格:約109万円


KAWS《Companion vs Astro Boy》(2002)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

KAWSの代表的なキャラクター・コンパニオンと鉄腕アトムが闘うシーンを描いた、シルクスクリーン作品。コンパニオンがプロレスのような技をアトムに仕掛ける様子を正面から捉えている。モノクロームの配色が、KAWS独特の不穏さを強調している。

落札予想価格:90万円〜140万円

山口歴《SPLITTING HORIZON NO. 10》(2019)

落札価格:69万円

山口歴《SPLITTING HORIZON NO. 10》(2019)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

1990年代から2000年代初頭の裏原宿のストリートカルチャーの影響を受け、現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動する現代アーティストの山口歴。本作は山口を象徴する手法・ブラッシュストローク(筆跡)を用いた「SPLITTING HORIZON」シリーズの中の1点。描いたブラッシュストロークをカット・コラージュしていく、エッジーな作風がストレートに伝わる作品。

予想落札価格の上値を超える価格で落札された。

予想落札価格:30万円〜50万円

アンディ・ウォーホル《Louis Brandeis (from Ten Portraits of Jews of the Twentieth Century) (F. & S. Ⅱ.230)》(1980)

落札価格:155万円

アンディ・ウォーホル《Louis Brandeis (from Ten Portraits of Jews of the Twentieth Century) (F. & S. Ⅱ.230)》(1980)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

アンディ・ウォーホルが思想家や作曲家、作家など著名なユダヤ人を描いた「20世紀の10人のユダヤ人の肖像画」シリーズの中の1点で、描かれているルイス・ブランダイスは、アメリカ最高裁判所判事を務めた人物。

シルクスクリーンで制作された本作は、ブランダイスの落ち着いた色のポートレートに、赤、青、黄などの明るい色が重ねられている。

同シリーズで他に描かれた有名人に、物理学者のアルバート・アインシュタインや、心理学者のジークムント・フロイト、小説家のフランツ・カフカなどがいる。

予想落札価格:80万円〜120万円

ロッカクアヤコ《無題》(2014)

落札価格:805万円

ロッカクアヤコ《無題》(2014)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

筆などを使わずに手で直接描くスタイルで創作しているロッカクアヤコの、キャンバスにアクリルで描いた作品。本作はよく知られるロッカクの漫画的な表現から、より抽象的で力強いタッチに置き換わっている。

予想落札価格の上値を超える価格で落札された。

予想落札価格:300万円〜500万円

名和晃平《Velvet – Throne (R)》(2019)

落札価格:約81万円

名和晃平《Velvet – Throne (R)》(2019)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

「Velvet」は、オブジェクトの表面に苔や菌糸のような絨毛(じゅうもう)を付着させた立体作品のシリーズ。本作は、2019年2月に発売された名和晃平の作品集『METAMORPHOSIS』(特装版)のために制作されたマルチプルだと思われる。

このマルチプルは10種類あり、それぞれ10エディションずつ限定販売された。現在は入手困難で、オークションで定価の数倍の価格で取り引きされている。

2018年に日本人で初めて、フランス・パリのルーヴル美術館にあるガラスのピラミッドで展示された《THRONE》はメタリックな黄金の玉座だったが、本作の「Throne(玉座)」はオーガニックな印象を与える。

予想落札価格:60万円〜90万円

杉本博司《Church of the Light》(2008)

落札価格:138万円

杉本博司《Church of the Light》(2008)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

安藤忠雄の代表的な建築である《光の教会》を被写体にしたリトグラフ。予想落札価格の上値を超える価格で落札された。

本作は、杉本が1997年から制作している「建築」シリーズの内の1点。同シリーズは、既存の芸術作品の外観をぼかして撮影することが特徴で、《光の教会》の神々しく内省的な面を浮かび上がらせている。

予想落札価格の上値を超える価格で落札された。

予想落札価格:75万円〜100万円

荒木経惟《秋桜子》(1995)

落札価格:39万円

荒木経惟《秋桜子》(1995)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

1991年に荒木経惟が札幌に訪れた際に出会った、当時17歳の少女が被写体になっている。荒木に声をかけられ写真のモデルを務めることになった少女は、「秋桜子(コスモス)」と名付けられた。荒木は8年にわたって彼女を撮影。写真家とモデルの距離感も感じさせる印象的な作品。

予想落札価格:20万円〜30万円

アレックス・カッツ《Homage to Frank O’Hara: William Dunas (Cantz 43)》(1972)

落札価格:約30万円

アレックス・カッツ《Homage to Frank O’Hara: William Dunas (Cantz 43)》(1972)
画像引用:https://www.sbiartauction.co.jp/

独自の具象表現を行なっているアレックス・カッツのポートレート。画面からはみ出した大胆な構図や、透き通るような色使いで知られ、本作にもその特徴が見られる。描かれているのは、ダンサーで振付師のウィリアム・デュナス。

予想落札価格の上値を超える価格で落札された。

予想落札価格:15万円〜25万円

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