
バンクシーの最新ストリートアートから、NYに登場したKAWS巨大フィギュアまで。今週のアートニュース (21.08.07-21.08.13)
1週間の国内外のアートニュースから、ANDART / YOUANDART取り扱いアーティストの情報を中心にピックアップ。今週は「アーティスト & 作品」「展覧会」「ファッション & カルチャー」の3つのテーマでお届けします。気になるアーティストの話題をさくっとチェック!
(※ 今週の「アートマーケット」ニュースはコチラ)
アーティスト&作品
▍イギリスの沿岸部にバンクシーのグラフィティが次々と登場!バンクシー本人もメイキング映像を公開。

今週、イギリスの街にバンクシーらしきテイストの5つのグラフィティが次々と描かれ話題となっていたが、8月13日、バンクシーはInstagramで自身がこの作品を描いたことを公表した。話題となっていたのは、イギリスの海岸沿いの5つの町;ローストフト、ゴールストン、オウルトン・ブロード、クロマー、グレート・ヤーマスの路上に描かれた作品群。

紙製の海賊帽をかぶり壊れたカヌーで遊ぶ子供たち、「高級賃貸物件のみ」という看板を掲げるヤドカリ、ベンチの上の壁に描かれたアーケードクレーンの爪(歩行者をつまみ出そうとしている)、アコーディオン奏者の横でスイングダンスをするお洒落なカップルなど、さまざまな姿が描かれており、作品の1つには「BANKSY」の名前も添えられていた。
8月13日にBanksyはInstagramを更新。”Great English Spraycation “と名付けたビデオの中で、オーストラリアの歌手Tones & Iによる2019年の楽曲「Dance Monkey」のアコーディオン演奏に合わせ、次から次へと現場を移動しながら作品を制作する様子が紹介されている。(artnet)
▍高さ約5.5m!KAWSの巨大フィギュアがロックフェラーセンターに登場。

森アーツセンターギャラリーでのKAWS TOKYO FIRST展も好評なKAWSが、今週、ニューヨークのロックフェラーセンターで最新作を発表した。≪SHARE≫と題したこの作品は、KAWSのキャラクター「コンパニオン」がエルモを模したキャラクター「BFF」フィギュアを抱えている。高さ約5.5mの本作について、KAWSは除幕式にて「建築物の垂直性や、子供の頃にロックフェラーセンターを訪れて上を見上げて圧倒されたことなど、そのような感情につながるような彫刻を作りたかったのです」と語っている。
展覧会
▍「バンクシーって誰?展」、今週末いよいよ開幕!

2020年に開催予定だったものの、コロナ禍で延期となっていた「バンクシーって誰?」展 が、2021年8月21日(土)より、天王洲アイルの寺田倉庫 G1ビルで開幕する。世界各都市を巡回する「The Art of Banksy展」の傑作群を、日本オリジナルの切り口で紹介する展覧会。
バンクシー本人の監修とは異なる非公認の展覧会ではあるが、プライベート・コレクターの所蔵する本物認定されたオリジナル作品群を、彼の活動の主戦場である“ストリート”を再現した”映画のセット”のような空間で展示するという。NEW ART STYLEではその見どころを注目作品を解説している。
▍「リボーンアート・フェスティバル」が開幕! 今年は2期に分けての開催。

牡鹿半島を舞台にしたアートと音楽、食の総合芸術祭「リボーンアート・フェスティバル」が2021年8月11日(水)に開幕した。震災から10年目となる今回は、2021年夏と2022年春の2期に分けて開催。アート部門のキュレーターは窪田研二。今回の夏会期は、初めて女川町が会場に加わり、常設作品のある鮎川エリアを含む6地区で23組のアーティストが作品を展示する。
▍府中市美術館で淺井裕介の公開制作「種を食べた美術館」開催中。

公開制作室を常設し、開館から20年間にわたり80組以上の公開制作を行ってきた府中市美術館で、現代アーティスト・淺井裕介による公開制作「種を食べた美術館」が行われている。アトリエでの絵画制作と並行しながら、土やマスキングテープなど身近な素材を用いた作品制作も行う淺井。今回、約4ヶ月にわたる公開制作では、平面を離れ、半立体となる支持体を作成し、四つ足の動物から、芽が生え木々が茂り、小さな生き物が集まっていく様子を、室内を舞台に展開する。
NEW ART STYLEでは、淺井裕介へのインタビューを行い、今回の制作の様子を紹介している。
▍東京五輪では見ることのできなかったスケートボードのリアルな世界。写真家・嶋本丈士による写真展「4Wheels 四輪」。

写真家・嶋本丈士による写真展「4Wheels 四輪」が、南青山のADF Art galleryで開催されている。今夏、東京五輪の新競技としてスケートボードが話題になったが、今回の展覧会では、嶋本が長年撮り続けてきたスケートボードの写真を中心に展示する。ストリートで活躍するスケーターやストリート・シーンにもっと触れてもらいたいと想いから、開催に至ったという。東京五輪の表舞台では見ることのできなかったスケートボードのリアルな世界に触れたい。会期は2021年8⽉10⽇〜8⽉23⽇。
▍「夜」を描くアーティスト橘川裕輔の個展「YÖ TOKYO」。10日間に渡るライブペインティングも。

「夜」の原風景を独特の時空間で表現する画家・橘川裕輔の個展「YÖ TOKYO」が開催される。会場は、銀座4丁目にあるスキンケアブランド「KOIVE」のフラッグシップショップYOSEIDO銀座店の多目的空間〝Future Labo〟。今回の展覧会では、1メートルを超える巨大パノラマの夜景作品が公開されるほか、期間中には10日間に渡り行わたりライブペインティングが行われるという。会期は2021年8月17日〜8月26日。
▍ダニエル・アーシャムらの彫刻作品がロンドンのリージェンツパークに登場。「フリーズ・スカルプチャー」展に向けて。

イギリス最大級のアートフェア「フリーズ・ロンドン」「フリーズ・マスターズ」に合わせて開催される屋外彫刻展「フリーズ・スカルプチャー」の作品群がロンドンに上陸している。今年で9回目を迎え、今年は建築、地政学的な権力構造、環境問題などをテーマにした作品が選ばれている。ダニエル・アーシャムの≪Unearthed Bronze Eroded Melpomene (ブロンズに侵食されたメルポメネ)≫は、終末論的な架空の考古学の残骸を提示している。展示は9月14日から10月31日まで、入場無料で誰もが見ることができる。(FRIEZE)
ファッション&カルチャー
▍DC SHOES がバスキアとコラボ。スニーカー、Tシャツ、スケートボードなどを発表。

アメリカのスポーツ用品メーカー・DC SHOESがジャン=ミシェル・バスキアをフィーチャーした特別なコラボコレクション “21AT21”を発表した。バスキアが彼の生涯の中で最も多くの作品を生み出した21歳時(1981〜82年)の作品にフォーカス。アートプリントのスニーカーのほか、80年代のカウンターカルチャーを象徴するような、グラフィカルデザインのスケートボードも3種類展開される。
▍アニメ「ブルーピリオド」、第2弾キービジュアルで美術家・山口歴とコラボ。

アニメ「ブルーピリオド」の第2弾キービジュアルが発表された。アニメスタジオ・Seven Arcsと美術家・山口歴の合作で、山口らしいのブラシストロークの作品を背景に、アニメのキャラクターたちが描かれている。「ブルーピリオド」は、月刊アフタヌーンで連載中の山口つばさによる同名漫画を原作とするTVアニメ。高校2年生の主人公・矢口八虎が東京藝術大学への合格を目指すアート系スポ根物語だ。
なお山口歴は、8月下旬より渋谷と銀座の2会場での個展も控えている。個展は、渋谷PARCO 2FのOIL by 美術手帖ギャラリーでは8月27日から、GINZA SIX 6Fの銀座 蔦屋書店では8月30日から一般公開される。
▍夏の京都でグッチ創設100周年を祝う。荒木経惟らのヴィンテージブックも。

今夏、グッチの創設100周年を記念したスペシャルプロジェクト「Gucci in Kyoto」が京都で開催されている。京都を会場としたのは、ブランド発祥の地イタリア・フィレンツェと京都が姉妹都市であることから。体験型エキシビション「GUCCI BAMBOO HOUSE」、ジュエリーと時計の新作コレクションを発表する「Gucci High Jewelry&Fine Watch」、京都一の観光名所・清水寺を舞台とした「Gucci Aria in Kyoto」の3つのエキシビジョンを中心とする。
「GUCCI BAMBOO HOUSE」では、荒木経惟、ライアン・マッギンレー、アンドレアス・グルスキーなどの貴重なヴィンテージブックを含む300冊の写真集が公開されている。事前予約制で8月22日(日)まで。(GUCCI)
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