
今週のアートニュース (21.06.19-21.06.25)
1週間の国内外のアートニュースから、今週は「ファッション」「美術館」「展覧会」の3つのテーマを軸に、ANDART / YOUANDART取り扱いアーティストの情報を中心にニュースをお届けします。
ファッション
▍Supreme、2021年夏シーズンのTシャツコレクションでKAWSとコラボレーション

「Supreme」の2021年春夏コレクションにおいて、KAWSとのコラボボックスロゴTシャツが発売されることが発表された。KAWSは2001年から「Supreme」とのコラボレーションを行ってきたが、ボックスロゴをモチーフにしたものは今回が初だという。「Supreme」ロゴの輪郭をチョークで描いたというシンプルなデザインだ。6月26日にSupreme旗艦店および公式オンラインストアにて発売。
関連記事:ファッション界をも席巻!KAWSの世界観に魅了される、多彩なコラボレーション(NEW ART STYLE)
▍村上隆デザインのeスポーツジャージ、限定発売へ

村上隆が eスポーツチーム「FaZe Clan」のために、eスポーツジャージやマウスパッドなどの新しい商品をデザインした。「FaZe Clan」は、カウンターストライク、フォートナイト、FIFAなど様々なゲームで活躍するプロゲーマー集団。村上はこのコラボレーションをアンディ・ウォーホルが若きジャン=ミシェル・バスキアとコラボレーションした際の関係になぞらえつつ、「若い人たちとのコラボレーションはちょっと恥ずかしいと思いながらも、未来の観客が見るであろう風景の新鮮さを信じて、彼らのリクエストに応えました。」と述べている。このコラボレーションは、ライブ販売プラットフォーム「NTWRK」で6月28日より販売もされるという。
▍NFTはファッションとアートの風景をどう変えるのか?
アメリカの経済誌「Forbs」にて、起業家のMirjana Perkovicが、NFTがファッション・アートに及ぼす影響を考察し、ラグジュアリー市場もNFTもその基本は「希少性」にあり、今後、NFTは高級ファッションの世界を大きく変えようとしていると述べている。例えば、デジタルツイン向けのファッションアイテムが市場を形成していく可能性や、ファッションの二次市場でゲームチェンジが起こる可能性を指摘。ファッション業界やアート業界の新進気鋭のブランドは、NFTの最新情報をフォローする必要があると述べている。
参考:Forbs
美術館
▍UTを通じてアートの魅力を発信。ユニクロ、英国立近代美術館テート・モダンとグローバルパートナーシップを締結

「ユニクロ」は、イギリスの国立近代美術館「テート・モダン」と、3年間のグローバルパートナーシップを締結したことを発表した。「テート・モダン」の所蔵アート作品にインスパイアされたオリジナルデザインのUTコレクションの共同開発を通じて、あらゆる人に広くアートの魅力を届けることを目的としているといい、2022年にはコラボレーションUT商品をグローバルで発売予定とのことだ。
ユニクロは「MoMA」、「ボストン美術館」、「バルセロナ美術館」、「ルーブル美術館」といった美術館ともパートナーシップを結んでおり、2021年5月から「テート・モダン」で開催されている草間彌生展もサポートしている。(プレスリリースより)
参考:ファーストリテイリング
▍マイアミにチームラボらのアートセンターを開業したSuperblue、体験型アートセンターを京都駅東南部エリアに展開予定

京都駅東南部エリアに計画中の複合文化施設に、一大アート事業「Superblue」が参画することが発表された。Superblueは、ニューヨークを本拠地とするメガギャラリー「Pace Gallery」のCEOらと、社会活動団体「エマーソン・コレクティブ」を創立パートナーとする「体験型アート」に特化した事業であり、2021年5月20日には、フロリダ州マイアミに最初のアートセンター「Superblue Miami」をオープン。ジェームズ・タレル、エス・デブリン、チームラボによる没入型の空間作品を、長期的に展示している。京都駅東南部エリアには、新たな体験型アートセンター「Superblue Kyoto」をオープンする予定とのことだ。(プレスリリースより)
▍「ポーラ美術館」、レオナール・フジタ《ベッドの上の裸婦と犬》を新収蔵

神奈川県箱根町にある「ポーラ美術館」は、レオナール・フジタの最初期の裸婦像《ベッドの上の裸婦と犬》を新たなコレクションに加えたことを発表した。この新収蔵作品は、4 月 17 日(土)から開催中の「フジタ-色彩への旅」展にて公開中。これにより、同美術館は既に収蔵していたフジタ作品と合わせ、計 215 点(油彩画 168 点、水彩画類 28 点、挿絵本 17 点、版画集 1 点、立体物 1 点)の日本最大級のフジタ・コレクションを有することとなるという。(プレスリリースより)
参考:ポーラ美術館
▍収蔵品のレパトリエーション(本国送還)の動きが広がる。カナダの博物館で先住民の遺物を返還へ

モントリオールの「ラチネ博物館」で70年以上にわたり展示されてきた、先住民により171年前に作られたビーズ・フードが、先住民に返還されることとなった。研究者の調査により、博物館から500km離れたカナダの先住民・クリー族のものであることが分かったものだ。植民地時代に入植者たちが先住民たちを抑圧しようとした文化を象徴しているという。クリーブ族(Eeyou Istchee)の大評議会の大酋長であるアベル・ボサム氏がフードの送還を正式に依頼した後、モントリオール市はこれを承諾した。過去の略奪・盗掘品を返還する動きがカナダでも広がりつつあるようだ。
参考:MACLEANS
展覧会
▍現代アーティストと建築家の手がける”パビリオン”群。 「パビリオン・トウキョウ2021」が7月1日開幕

新国立競技場を中心とする複数の場所に、建物やオブジェを設置し、自由で新しい都市のランドスケープを提案する世界初の試み「パビリオン・トウキョウ2021」が7月1日より開催される。会田誠や真鍋大度 + Rhizomatiksといった現代アーティストのほか、藤本壮介、妹島和世ら建築家の手がける合計9つのパビリオンが設置される。(会期:2021年7月1日(木)〜9月5日(日))
関連イベントとして、ワタリウム美術館では「パビリオン・トウキョウ2021展 at ワタリウム美術館」を開催。クリエイター7名によるパビリオン制作時のプロセス、スケッチや図面、模型、実際に使用された素材なども展示する。
▍山口晃の大型ステンドグラスのパブリックアート、公開へ

現代美術家・山口晃が3年をかけて原画を手がけた縦約2.1m×横約6mの大型ステンドグラスが7月1日より公開される。人物や建築物などを緻密に描き込む作風で知られる山口晃。今回の作品 ≪日本橋南詰盛況乃圖≫ では、日本橋南詰の変遷を凝縮して表現し、過去と現代を行き来しながら旅をするように街を眺めることができるという。展示場所は東京メトロ日本橋駅B1出口付近。(プレスリリースより)
参考:高島屋
▍「美術手帖」の特集から生まれた新進気鋭の若手アーティストによるグループ展「エマージング・アーティスト展」

「銀座 蔦屋書店」で「エマージング・アーティスト展 」をPart 1、Part 2の二部構成で開催する。雑誌『美術手帖』2021年2月号「ニューカマー・アーティスト100」特集に掲載された今後の活躍が注目されるであろう20代・30代のアーティスト100組のアーティストの中から、「銀座 蔦屋書店」がセレクトしたアーティスト総勢19名の作品を展示するもの。YOUANDARTで取り扱う新進気鋭のアーティスト・鮫島ゆいも参加。(プレスリリースより)(会期:2021年7月3日~7月21日)
▍小林健太、個展「エイリアンと出逢ってしまった」に デビュー以降初の「絵画作品」を出品

アーティスト・小林健太による個展「エイリアンと出逢ってしまった」が阿佐ヶ谷の「TAV GALLERY」で7月2日より開催される。デジタルネイティブ第一世代の写真家として、アナログとデジタルの融合をコンセプトに数多くの作品と業績を残す小林だが、今回は反戦の文脈を持つピカソによる「ゲルニカ 」 (1973年) を題材に、自己完結的な世界観を問いただす自画像を制作するという。絵画作品の出品は、小林のデビュー以降初となる。(会期:2021年7月2日〜7月25日) ※2021.06.30 UPDATE TAV GALLERY移転のため、小林健太による個展はテナント移転後の柿落とし展として時期を改めて開催予定となった。
参考:「エイリアンと出逢ってしまった」(TAV GALLERY)
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