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アートニュース
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3分間でチェック!今週のアートニュース(2021.6.5〜6.11)

1週間の国内外のアートニュースから、今週は「アートマーケット」「アーティスト」「展覧会」「美術館」「ファッション」の5つのテーマを軸に、NEW ART STYLE が厳選したニュースをお届け。3分間で1週間の注目ニュースを総ざらい。(記事内に記載の価格は1USドル=110円 で計算)

アートマーケット

≪Missing in Action≫  奈良美智画像引用:https://www.phillips.com/
≪Missing in Action≫ / 奈良美智 (17アーティストが新記録を樹立 フィリップス香港オークション) (画像引用:https://www.phillips.com/ )

17アーティストが新記録を樹立 フィリップス香港オークション

オークションハウス・フィリップスとポリオークションは、2021年6月7, 8日、香港で「20世紀 & 現代美術」のオークションを開催。デイセールとイブニングセールをあわせ、合計で約9,040万USドル (約99.4億円) の売上を達成した。88%の作品が見積を上回り、17人のアーティストが新記録を樹立。昨シーズンの売上を約40%上回る結果となった。

注目は 奈良美智の≪Missing in Action≫(2000年)。1,600万USドル (約17.5億円) で落札され、オークションでの奈良作品の歴代2位の記録となった。また、ゲルハルト・リヒターの≪Astraktes Bild (940-7) ≫(2015年)は1,200万USドル (約13.4億円)で落札され、2000年以降に制作されたリヒター作品の中で最も高額な作品となった。NEW ART STYLEでは、このオークション結果と作品について詳しく解説している。 (参考:Phillips)

NEW ART STYLEの解説記事はこちら

▍サザビーズがNFTセールでオークションに新風 仮想世界で作品を鑑賞するバーチャルギャラリーも

2021年6月3〜10日、オンラインでオークションハウス・サザビーズにてデジタルメディアオークションが開催された。全28の出品作品は完売した。落札総額は1,710万USドル (約18.8億円) 。サザビーズによると、購入者の7割近くがオークションハウスを初めて利用する人だったとのことで、NFTの流行がアートマーケットに新たな風を吹き込んでいる様子が伺える。なお、サザビーズはNFTで土地を提供する仮想世界プロジェクトDecentralandにバーチャルギャラリーを開設し、今回出品されたデジタル作品をこのギャラリーで展示する試みも行った。 (参考:Sotheby’s)

▍ライゾマティクス Perfume初のNFTアート「Imaginary Museum “Time Warp” 」をリリース

ライゾマティクスは、独自のNFTアートのマーケットプレイス「NFT Experiment 」内で、Perfume初のNFTアートの販売を2021年6月11日より開始した。本作は、 Perfume結成20周年とメジャーデビュー15周年を記念し開催したオンライン・フェス『“P.O.P” Festival』で 披露したパフォーマンスで使用したデータを元に、演出振付家MIKIKOによる振付の中でPerfume3名の象徴的なポーズを3Dデータ化しNFTアートにしている。(参考:NFT Experiment)

アーティスト

「The Walled Off Hotel」の客室に描かれた壁画 画像引用:https://www.geo.fr/
「The Walled Off Hotel」の客室 (バンクシーの ”世界一眺めの悪いホテル” を再現したホテルがパリにオープン? その目的は) (画像引用:https://www.geo.fr/ )

▍バスキアの親族が手がける初の企画展開催へ 多数の未公開作品で構成

ジャン=ミシェル・バスキアの親族が初めて独自の展覧会を企画し、その多くが未公開作品で構成されることが明らかとなった。ジャン=ミッシェル・バスキア・エステートを運営するバスキアの姉妹・継母によって企画されたこの展覧会は、2022年初春にニューヨークで開催予定。これまでに見たことのない / めったに見ることのできない絵画、ドローイング、マルチメディア・プレゼンテーション、エフェメラル、工芸品 約200点が展示される予定とのことだ。

バスキアの姉妹は、以下のように語っている。「私たちは、ジャン=ミシェルがどんな人だったのか、もっと知りたい、聞きたいという人たちから常に声をかけられています。」「私たちだけが、彼の文化や家族のルーツ、そしてそれらが彼の芸術の物語にどのように関わっているのかという、より広い文脈を提供することができるのです。」(参考:artnet news)

▍村上隆がNYのアウトサイダーアートフェアをキュレーション 「スーパー・ラフ」をプロデュース

村上隆がゲスト・キュレーターを務めるアウトサイダー・アート・フェアがニューヨークで開催されている。展示の中で村上隆は、ワールドワイドのアール・ブリュットやアウトサイダー・アーティストの作品から、約200点の彫刻作品を集めた「Super-Rough」をプロデュースした。そのタイトルは、独学で学んだ彫刻家たちの職人技の力強さに注目していることが伺える。村上は、大学生時代に「1993年の世田谷美術館での展覧会を見て、アウトサイダー・アートを意識した」という。村上は2016年に自身のコレクションを公開した「村上隆のスーパーフラット・コレクション展」(横浜美術館)の中でヘンリー・ターガーなどのアウトサイダーアートの作品も展示している。(参考:The New York Times

▍バンクシーの ”世界一眺めの悪いホテル” を再現したホテルがパリにオープン? その目的は

イスラエルとパレスチナを分かつ分離壁の目の前に、バンクシーが2017年に制作した ”世界一眺めの悪いホテル” として知られる「The Walled Off Hotel」。このホテルがパリに再現され、2021年6月9日に「The Walled Off Hotel Paris」としてオープンした。バンクシー非公認の展覧会会場に隣接するこのホテルには、バンクシーの作品の複製が壁に複数飾られ、約20室の部屋には宿泊も可能だという。しかしながら、このホテルもバンクシー非公認であるようだ。このホテルを設立したパリで劇場を経営する実業家は「詳細な写真を見ながら」パレスチナのホテルを再現したといい、「私たちのホテルの空間は同じではありませんが、その場所の精神を守りました。私たちはバンクシーの作品を劇場化しています」と説明しているという。(参考:GEO)

展覧会

「resilience – Art, antique and objects curated by Kojiro Nagumo」展 MAHO KUBOTA GALLERY のキービジュアル 画像引用:https://www.mahokubota.com/
「resilience – Art, antique and objects curated by Kojiro Nagumo」展 MAHO KUBOTA GALLERY (MAHO KUBOTA GALLERYにて、”古きもの”と”現代アート”を一つの空間に共存させる展示の試み) (画像引用:https://www.mahokubota.com/ )

▍「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」展 東京展がいよいよ開幕

現代日本を代表する建築家のひとり、隈研吾の大規模な個展が、2021年6月18日より、東京国立近代美術館でスタートする。当初2020年に開催予定だったものが延期となったもの。隈建築の中から公共性の高いものを中心に30件を選び、全点に隈自身による作品解説をつけて紹介されるという。模型、写真、モックアップに加え、瀧本幹也、藤井光、津田道子、マクローリン兄弟などのアーティストによる映像展示にも注目だ。(会期:2021年6月18日〜9月26日)(参考:展覧会公式HP)

▍MAHO KUBOTA GALLERYにて、”古きもの”と”現代アート”を一つの空間に共存させる展示の試み

明治神宮外苑ちかくにあるMAHO KUBOTA GALLERYにて、ユニークな展示が開催されている。「resilience – Art, antique and objects curated by Kojiro Nagumo」と題する本展。クリエイティブディレクターの南雲浩二郎をキュレーターに迎え、南雲のセレクトした世界各国の”骨董品”と、ギャラリーオーナーの久保田真帆氏がセレクトした、ジュリアン・オピーや多田圭佑といった現代アーティストの作品を合わせて紹介するという。時代、国、文化を超えた”美”の組み合わせからは、何が見えるのだろうか。NEW ART STYLEでは、展示の様子を写真とともに紹介している。(会期:2021年6月5日〜6月19日)(参考:展覧会公式HP)

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▍ベルリンで草間彌生の大型個展を開催中 3Dビューも一般公開

ドイツ・ベルリンの美術工芸博物館「マルティン・グロピウス・バウ」で、草間彌生の大規模回顧展「Yayoi Kusama: A Retrospective」が開催され、その3Dバーチャル・ウォークスルーがオンラインで一般公開されている。約3,000平方メートルの壮大な空間に展示された約300点の作品を、初期のドローイングから新作インスタレーションまで、自宅から楽しむことができる。NEW ART STYLEでは、実際に3Dバーチャル・ウォークスルーを体験し、その模様を解説付でレポートしている。

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美術館

《Plaque: Warrior Chief》 16~17世紀, ナイジェリア (メトロポリタン美術館 3 点のアフリカ美術品をナイジェリアに返還へ) (画像引用:https://news.artnet.com/ )

▍メトロポリタン美術館 3 点のアフリカ美術品をナイジェリアに返還へ

2021年6月9日、メトロポリタン美術館は所蔵する3点の美術品をナイジェリアに返還することを発表した。今回ナイジェリアの国立コレクションに寄贈されるのは、16世紀にナイジェリアのベニンの宮廷で制作された真鍮製のプレート2点と、14世紀頃にイフェで制作された真鍮製の頭部1点の計3点。今回の返還は、来年ドイツが国立コレクションからベニンのブロンズ像を返還するという発表に続くもの。これにより、19世紀後半にイギリス軍によって略奪されたナイジェリアの宝物を返還する動きが加速すると予想される。(参考:artnet news)

ファッション

山口歴デザインのアパレルコレクション (山口歴デザインのアイウェアと日本限定アパレルコレクション オークリーより発売)

▍山口歴デザインのアイウェアと日本限定アパレルコレクション オークリーより発売

アパレルブランド・オークリーは、ブルックリン在住の日本人アーティスト山口歴がデザインを手掛けるアイウェアと日本限定のアパレルコレクションを発表した。山口歴はアート、ジェスチャー、フォルムの可能性を広げる独自の「立体的で彫刻のような絵画」スタイルで知られる。山口のシグネチャースタイルであるブラシストロークがプリントされたサングラス全5モデルと、バッグ、Tシャツ、スウェットシャツなどのアイテムが公式オンラインストアで限定販売されている。(参考:オークリー

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▍アディダスがKYNEとコラボレーション フットウェアとTシャツを抽選販売

グラフィックアーティスト・キネ(KYNE)とアディダスのコラボレーションアイテムが2021年6月18日より発売される。80年代のカルチャーからインスピレーションを受けたグラフィックで人気を集め、2019年のアートフェア東京では作品が即完売となったことでも有名なKYNE。今回のコラボレーションのために書き下ろされた新作をモチーフにフットウェアとTシャツの商品が展開される。(参考:adidas)

▍エディションぬいぐるみレーベル WEI WEI WORLD が添田奈那とのコラボぬいぐるみをリリース

エディションぬいぐるみレーベル”WEI WEI WORLD”が、アーティスト・添田奈那とコラボレーションしたぬいぐるみを30体限定でリリース。添田奈那は、アジアで売るおもちゃや看板、ガラクタなどの「チープ」さと、社会にまつわる理不尽な事柄に対する憤りや悲しみをテーマに作品を制作するアーティスト。ぬいぐるみというと一見アートとは離れて見えるが、作家と共にこだわりをもってして作られた”アートピース”として仕上がっている。(参考:作品販売ページ)

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