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アートニュース
KAWS-UNTITLED-STORMTROOPER

3分間でチェック!今週のアートニュース(2021.5.29〜6.4)

1週間の国内外のアートニュースから、今週は「アートマーケット」「アーティスト」「展覧会」「美術館」「ファッション」の5つのテーマを軸に、NEW ART STYLE が厳選したニュースをお届け。3分間で1週間の注目ニュースを総ざらい。(記事内に記載の価格は 1USD=110円で計算)

アートマーケット

≪UNTITLED (STORMTROOPER)≫ / KAWS
≪UNTITLED (STORMTROOPER)≫ / KAWS (画像引用:https://www.phillips.com/)

▍サザビーズオークション (パリ) 開催。ピエール・スーラージュ2作品が落札額ベスト5に。

2021年6月3日18:00 (フランス時間)、サザビーズオークションにて現代アートのイブニングセールが行われた。ザオ・ウーキ、ピエール・スーラージュ、ギュンター・ユッカー、サム・サフラン、白髪一雄など、20世紀後半を代表する巨匠たちの作品が出品。高額落札ベスト5のうち2作品がピエール・スラージュ。また、奈良美智、ジャン=ミシェル・バスキアらの作品も高額で取引された。NEW ART STYLEでは、落札額トップ5の作品と注目作品を解説している。(参考:Sotheby’s “Art Contemporain Evening Sale”)

▍初期の代表的作品など、KAWSの希少な作品がオークションへ

6月7, 8日の2日間、オークションハウス Phillips香港で「20世紀の現代アート&デザインセール」が開催される。奈良美智のキャンバス作品≪Missing in Action≫や、バンクシーの有名な猿のモチーフの描かれた≪Laugh Now Panel A≫などが出品される予定だ。

また、今回のオークションではKAWSの作品が多数出品される。なかでもKAWS初期の代表作品のひとつであり、「スター・ウォーズ」シリーズに登場するストームトルーパーのような象徴的なキャラクターを描いた≪UNTITLED (STORMTROOPER)≫は、彼の芸術的要素をよく表す作品だ。予想落札額$33万 (約3,663万円)。(7日に出品)  また、高さ6フィートを超える巨大な 作品であり、7つのエディションと2つのアーティスト・プルーフと非常に希少でオークションに出品されるのは今回が初となる≪TOGETHER≫は予想落札額 $115万 USD (約1.27億円)と、注目だ。(8日に出品) (参考:Phillips)

※速報※ 本記事に写真を掲載している KAWSの≪UNTITLED (STORMTROOPER)≫ は、2021年6月7日のオークションで630万香港ドル(約8,888万円(手数料込))で落札された。これは、予想最高落札額の約2.4倍となる。

▍砂漠の奇祭フェス「バーニング・マン」、アートオークションでサザビーズと提携

ネバダ州の砂漠で開催される奇祭フェス Burning Man(バーニング・マン)を開催しているBurning Man Projectは、サザビーズと共同でチャリティ・オンライン・オークションを企画し、バーニングマンのアートを世界に発信することを発表した。(2021年6月2日発表) バーニング・マンは新型コロナウィルスの影響で2020年, 2021年の対人イベントを中止しており、プロジェクトの資金調達を目的としているとのこと。(参考:Burning Man Project)

▍サザビーズ、NFT特化のオークションを開催予定。”最初のNFT 作品”のほか、池田亮司初のNFT作品も。

オークションハウス・サザビーズは、NFTに特化したオークション「Natively Digital: Natively Digital: A Curated NFT Sale」を2021年6月3日〜10日に開催する。2014年5月に制作された最初のNFTとされるシンプルな幾何学的アニメーションであるケビン・マッコイの「Quantum」など、27人のデジタルアーティストの作品が出品される。ダムタイプの池田亮司は、アートとブロックチェーンの取り組みで知られるスタートバーン株式会社とともに初のNFT作品《A Single Number That Has 10,000,086 Digits》を出品する。

サザビーズが初めてNFTオークションを行ったのは今年4月。「Pak」と呼ばれるアーティストとの共同で開催したこのオークションでは、総額$1,680万 (約18.4億円)の売り上げを達成している。(参考:sotheby’s “Natively Digital: A Curated NFT Sale”)

アーティスト

映画「Women in Revolt」を撮影する際、カラトラバを着用したウォーホル
映画「Women in Revolt」を撮影する際、カラトラバを着用したウォーホル (1970) (画像引用: https://www.dmarge.com/ )

▍京都・両足院に杉本博司の手がけた襖絵 11月には一般公開

京都市東山区の建仁寺塔頭・両足院で、杉本博司による襖絵と掛け軸が公開された。2021年11月1日から14日には、両足院大書院特別展「杉本博司:日々是荒日」として一般公開も予定。京都府指定名勝庭園を目前に、8枚の襖絵と、掛け軸「日々是荒日」「日々是口実」を大書院で鑑賞できる。予約の開始は9月を予定している。(参考:RYOSOKU)

▍アンディ・ウォーホルがコレクションした時計、オークションへ

アンディ・ウォーホルは、アーティストであるのとともに著名なコレクターでもあった。彼のコレクションの中でも約300本の時計のコレクションは特に有名であるが、ニューヨークで開催されるクリスティーズのオンライン・オークションで、彼のコレクションのひとつであったパテック・フィリップのカラトラバ Ref.570が出品されることとなった。クリスティーズによる予想落札額は$95,000 (約1,045万円)。(1970年に「Women in Revolt」の初期シーンを撮影する際にカラトラバを着用したウォーホル) (参考:Christie’s “PATEK PHILIPPE, RETAILED BY HAUSMANN & CO., 18K GOLD WRISTWATCH, REF. 570, FORMERLY OWNED BY ANDY WARHOL” )

▍荒木経惟、20年間の名言と写真を収録した書籍を発売

雑誌『VOCE』で2001年から約20年続いた写真家・荒木経惟のインタビュー連載から、彼が残した“名言”を収録した書籍「愛バナ アラーキー20年ノ言葉 2001-2020」を発売。写真、生と死、人生論、恋愛、性、芸術など、多岐にわたるテーマで240本に及ぶ連載でのロングインタビューから、令和時代を生きる指針となる荒木氏の“名言”151を厳選。荒木による写真作品とともに掲載している。 (参考:Amazon「愛バナ アラーキー20年ノ言葉 2001-2020」)

展覧会

名和晃平の新作インスタレーション「Metamorphosis Garden(変容の庭)」(GINZA SIX)
名和晃平の新作インスタレーション「Metamorphosis Garden(変容の庭)」(GINZA SIX)  (筆者撮影)

▍初期作品から「わが永遠の魂」シリーズまで。「神秘と象徴の中間 : 草間彌生のモノクローム」展が草間彌生美術館でスタート

草間彌生のモノクローム (単色) 作品に注目した展覧会が、草間彌生美術館で2021年6月3日からはじまった。当初は2021年4月21日から開始予定だったものが、緊急事態宣言への対応のために延期となっていた本展覧会。1950年代の初期作品から最新の絵画シリーズ「わが永遠の魂」まで、限定された色の中で草間作品のエッセンスを感じることの出来る展覧会だ。2021年12月26日(日)まで。日時指定の完全予約・定員制。 (参考:草間彌生美術館「神秘と象徴の中間 : 草間彌生のモノクローム」)

▍NANZUKAの新しい拠点がオープン。オープニング展示はモリマサト個展

再開発によるビルの建て替えに伴い、2020年10月よりクローズしていたギャラリーNAZUKAが、2021年6月5日、新しいフラッグシップ・ギャラリーをオープンした。UNITED ARROWS原宿本店にほど近い神宮前3丁目に新設された「NANZUKA UNDERGROUND」は、中村哲也によるカスタムペイントを全面的に施した外壁に空山基のロゴを冠している。モリマサトの新作個展を皮切りに、今後はHaroshi、Christian Rex van Minnen、Wahab Saheedの個展を開催予定とのことだ。 (参考:NANZUKA )

▍ GINZA SIX吹き抜けで名和晃平の大規模インスタレーション。6月8日からARパフォーマンスも

GINZA SIXの吹き抜けに彫刻家・名和晃平の新作インスタレーション「Metamorphosis Garden(変容の庭)」が展示されている。アルミナとマイクロビーズの粒で覆われた宙に浮かぶ巨大な彫刻群は、来訪者にインパクトを与えている。また、2021年6月8日(火)からは、振付家ダミアン・ジャレとの共作による、5Gを活用した高速度ARのパフォーマンスが展開される。(参考: GINZA SIX「Metamorphosis Garden(変容の庭) 名和晃平」 )

GINZA SIXでは、これまで草間彌生や塩田千春といった現代アーティストの大型インスタレーションを吹き抜け空間で期間限定で展示してきている。

▍奈良美智、LACMAで日本人初の回顧展を開催中。YouTubeでの展示紹介も

ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA)で、2021年7月5日まで、奈良美智の初の国際的な回顧展である「Yoshitomo Nara」を開催している。絵画、ドローイング、彫刻、陶芸など100点以上の主要作品に加え、奈良氏のドローイングスタジオを再現したインスタレーション、未公開のアイデアスケッチなどを展示している。同美術館のwebページでは、奈良へのインタビューや同美術館の展示風景を紹介する映像を掲載している。(参考: LACMA “YOSHITOMO NARA”)

美術館

ポンピドゥーセンター×ジャージーシティのイメージ
ポンピドゥーセンター×ジャージーシティのイメージ (画像引用: https://news.artnet.com/ )

▍ポンピドゥー・センター、北米初の拠点をオープンへ 5つめのパートナーシップ

現代芸術のメッカとして名を馳せるパリのポンピドゥー・センターは、2024年にニューヨークに隣接するニュージャージー州に新たな展示・創作スペースを開設することを発表した。上海、ブリュッセル、マラガ、メッスに続く、5つ目の主要なパートナーとなるものであり、北米での初の事業となる。2023年末から2027年初頭まで改修工事のためにパリのポンピドゥーセンターが閉館する際に、所蔵作品を展示する予定とのことだ。(参考:ポンピドゥー・センター)

▍故サムスン会長の美術品寄贈をきっかけに。韓国で国立近代美術館設立の声が高まる

サムスンの故・李健熙(イ・ゴンヒ)会長の膨大な美術コレクションが国営美術館に寄贈されるというニュースが韓国の美術界で最も盛り上がっている。約2万3千点の美術品や文化財のために、新しい博物館を建設する計画を検討しているが、一方でソウルに近代の作品だけを集めた国立近代美術館を設立しようという声が高まっていることをThe Korea Timesが報じている。韓国国立近現代美術館(MMCA)は、韓国の博物館学が長い間、近代の作品を適切に扱ってこなかったことを主張。近代美術史だけを専門とする国立博物館の必要性を強調している。(参考:Korea Times )

ファッション

「アンディ・ウォーホル / ジャン=ミシェル・バスキア / キース・ヘリング」 UT
「アンディ・ウォーホル / ジャン=ミシェル・バスキア / キース・ヘリング」 UT (プレスリリースより)

▍ユニクロ「UT」で、アンディ・ウォーホルやバスキアとのコラボコレクション販売

ユニクロのグラフィックTシャツブランド「UT」は、20世紀を代表するポップアートの巨匠、アンディ・ウォーホル、ジャン=ミシェル・バスキア、キース・へリングとのコラボレーション「アンディ・ウォーホル / ジャン=ミシェル・バスキア / キース・ヘリング」 UTを6月28日(月)より発売する。アートワークを大胆にデザインしたポケッタブルバッグやハンカチをはじめ、ワンポイントを効かせたキャップや傘など、日々の暮らしでアートが楽しめるラインナップになるとのこと。原宿店の「UT POP OUT」では、6月11日(金)より先行発売を開始する。(参考:ユニクロ「アンディ・ウォーホル / ジャン=ミシェル・バスキア / キース・ヘリング」ルックブック)

▍「ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会」展、6月9日より国立新美術館で開催

戦前から現代まで、日本のファッションの歴史を通観することが出来るまたとない展覧会「ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会」が、6月9日より国立新美術館で開催される。当初2020年6月に開催予定だった展示が、新型コロナウィルスによる影響で約1年延期されたかたちとなる。これまでまとまって紹介されることのなかった、洋服を基本とした日本ファッションの黎明期から最先端の動向を、社会的背景とともに紐解く、世界初の大展覧会だ。(参考:国立新美術館「ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会」

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