
【ANDARTアーティストニュース】リヒターやハーストらの作品を展示するラグジュアリーホテルから、ダニエル・アーシャム × ポケモンの展覧会まで (22.1.8-22.1.14)
NFTの話題から、展覧会情報まで。ANDARTお取り扱いのアーティストの話題を中心に、1週間のアートニュースを振り返ります。(1ドル=114円、1ポンド=156円 で換算)
作品
▍リヒターやハーストらの作品を展示するラグジュアリーホテル「THE SHINMONZEN」、京都にオープン

京都の祇園白川にラグジュアリーブティックホテルTHE SHINMONZENが昨年12月にオープンした。フランスのホテルVilla La Coste(ヴィラ・ラ・ コスト)が日本に初進出したものだ。安藤忠雄らが建物を手がけたほか、館内には、ゲルハルト・リヒター、ダミアン・ハースト、杉本博司らの作品も展示されているという。現在は宿泊のみ予約を受け付けており、2022年春にはレストランもオープン予定だという。(THE SHINMONZEN)
▍ダニエル・アーシャム、実物大のゲームコントローラーの彫刻を発表
ダニエル・アーシャムが、プレイステーションのコントローラーをモチーフにした最新の彫刻作品≪Crystal Relic 004≫を発表した。昨年から続く「Crystal Relic」シリーズの新作で、高い透明度の樹脂で制作されている。これまでに帽子、ゲームボーイ、カメラをかたどった彫刻が発表されていた。限定500エディションで販売される。(HypeArt)
アーティスト
▍安井鷹之介、石巻の小学校に作品を寄贈
石膏と布で造形した独特の質感で、立体と平面の作品を制作するアーティスト 安井鷹之介が、宮城県石巻市雄勝町の小学校に作品を寄贈した。安井は昨年10月から約1ヶ月間、雄勝町で滞在制作を行っており、住民らと親睦を深める中で寄贈が決まったという。今春以降、学校の校木「奇跡の桜」をテーマにした壁画を児童生徒と共同制作する構想も立てているという。(河北新報)
▍ダミアン・ハーストの個人コレクションギャラリー、工事進まず地元民から不満の声

歴史的な邸宅を改修し、ダミアン・ハーストの個人コレクションのギャラリーとなる予定の建物の改修工事が進まず、地元民から不満の声が上がっていることを「ガーディアン」誌が報じている。
ダミアン・ハーストは2005年にコッツウォルズ(イギリス)にある歴史的邸宅を300万ポンド(約4.7億円)で購入。彼の個人的なアートコレクションのギャラリーとする予定だったが、17年たった今も足場とシートに覆われたままだという。遺産保護団体は地元議会と協力し、早く修復を進めるよう働きかける予定だという。(The Guardian)
なお、ダミアン・ハーストの財産は2020年時点で3億8,400万ドル(約438億円) といわれており、彼は世界で最も裕福な現役アーティスト。そのコレクションは世界屈指の個人コレクションと言われている。(Reader’s digest)
NFT
▍大英博物館、ターナーの作品をNFTで販売。北斎に続く“デジタルポストカード”

昨年、葛飾北斎の作品をNFTの“デジタルポストカード”として販売した大英博物館だが、新たにイギリスを代表する画家 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの作品20点をNFT化しオークションにかけることを発表した。大英博物館でも1年のうち2週間しか展示されない、門外不出の作品だ。
9作品がウルトラレア(2エディション作成し、うち1点は大英博物館保管)、7作品がスーパーレア(10エディション)、残り4作品はオープンエディションになるという。ただし、NFTを落札しても物理的な作品の所有権は持つことはできない。(Daily Mail Online)
▍Wikipedia編集者らが NFTをアートに分類しないことを決議。波紋を呼ぶ
ウィキペディアの編集者グループは、少なくとも今のところ、NFTをアートとして分類しないことを決議した。「現役アーティストによる最も高価な美術品の販売額」を紹介するページを編集する際に、BeepleやPakといったNFTアートの高額落札作品をリストに載せるべきかどうかを疑問視したことから始まった議論。
編集者6人で投票を行い、5人がNFTをアートに分類しないことに投票した。暗号通貨のコミュニティの一部はこの結論に憤りを示し、NFTプラットフォーム「Nifty Gateway」の共同設立者であるダンカン・コックフォスターはtwitterで「(NFTによって)デジタルアーティストたちが、初めて相応の評価を受けるようになったのです。」「デジタルアーティストたちは、彼らの正当性を求めて戦ってきました。ウィキペディアの編集者のために彼らを後退させるわけにはいかない!」と述べている。(artnet news)
▍シアトルにNFT美術館がオープン
シアトルに今月、NFTに特化した新しい美術館がオープンする。シアトルNFTミュージアム(SNFTM)と名付けられ、デジタルアートやその他の収集品を展示するためのカスタムデザインのスクリーンが30個設置されている。アートを専門としない、テック企業の経営者2人によって創設されたもの。
美術館のコレクションは持たず、アーティストやコレクターから直接借りたNFTを展示するという。創業者は「数ヶ月前に初めてNFTを展示しているギャラリーを訪れ、デジタルアートを物理的な空間で実物大で見る事がいかに劇的な効果をもたらすかを目の当たりにしました」と語っている。(artnet news)
展覧会
▍ダミアン・ハースト、国立新美術館で日本初の大規模個展 開催決定

イギリスを代表する現代アーティスト ダミアン・ハーストの日本初の大規模個展が開催されることが発表となった。会期は2022年3月2日(水)〜5月23日(月)、会場は六本木にある国立新美術館だ。最新作である「桜」のシリーズ107点から、ハースト自身が厳選した24点の作品によって展示空間を作り上げる予定だという。(ダミアン・ハースト 桜)
詳細記事:ダミアン・ハースト 日本初の大規模個展。国立新美術館で3月に開幕!
▍ダニエル・アーシャム × ポケモンの展覧会、都内5箇所で開催

ダニエル・アーシャムと株式会社ポケモンのコラボレーションによる展覧会プロジェクト「A Ripple in Time」(時の波紋)が、2月から開催される。会場は「NANZUKA」の3つのギャラリーに加え、六本木ヒルズ内66プラザ、丹下健三が設計した草月会館1F草月プラザのイサム・ノグチによる石庭の5会場。展覧会にあわせ、本プロジェクトを取りまとめた作品集『ダニエル・アーシャムのポケモン図鑑』も出版される。(NANZUKA)
▍「バンクシー展 天才か反逆者か」で、NYでの人気コンテンツ「バンクシーVRストリート」が日本に初上陸

原宿駅前の東京・WITH HARAJUKUで3月8日まで開催中のバンクシーの個展「BANKSY GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)」に、1月17日から新たな企画コンテンツ「バンクシーVRストリート」が登場する。VRウォークスルーで、世界中の街並みにバンクシーが残してきたストリートアート130点を楽しめる。1月31日まで、1日6名限定だ。(バンクシー展 天才か反逆者か)
▍「オルタナティブ! 小池一子展」が開催。杉本博司、横尾忠則らの作品・インタビュー映像展示も
1月22日より、3331 Arts Chiyodaで「オルタナティブ! 小池一子展 アートとデザインのやわらかな運動」展が開催される。クリエイティブ・ディレクター 小池 一子は、1983年に開設した “オルタナティブ・スペース”「佐賀町エキジビット・スペース」において横尾忠則、森村泰昌、大竹伸朗らの作家を見いだしてきた。展覧会では、20作家の作品を展示するとともに、杉本博司、小柳敦子らが「人間・小池一子」について語るインタビュー映像なども上映されるという。また、また、内藤礼による作品《地上にひとつの場所を》を事前予約制で公開する。(小池一子展)
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文:ANDART編集部