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アートニュース

【今週のアートニュース】アート・バーゼルで展示されるバスキアの初期作品群 & NFTから、「世界一小さな美術館」での第二弾バンクシー展まで。(21.11.20-21.11.26)

展覧会情報から、注目のオークション結果まで。ANDARTとYOUANDARTのお取り扱いアーティストの話題を中心に、21.11.13-21.11.19に起こった世界のアートニュースを振り返ってみよう。(1ドル= 113.37円、1ポンド=151.26円、1ユーロ=128.27円で換算)

注目の作品

アート・バーゼル・マイアミ・ビーチで、バスキアの写真を使用した6枚のNFT作品もオークションにかけられる予定。 画像引用:https://www.barrons.com/

▍アート・バーゼル・マイアミ・ビーチでバスキアの初期作品群を展示。バスキアの写真を使用したNFTも。12月2日〜4日に開催されるアメリカ最大級のアートフェア「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」で、ジャン=ミシェル・バスキアの親しい友人や恋人のコレクションから集めた初期作品群が展示される。バスキアと一緒にグラフィティタグ「SAMO」を共同制作したミュージシャンのアル・ディーアスと、バスキアの元恋人で写真家のアレクシス・アドラーがキュレーションを担当。ドローイング、文章、アパレル、ミクストメディア・コラージュなど21作品を展示する。また、バスキアの写真を使用した6枚のNFTが12月3日に出品され、そのうち5枚が会場とオンラインでオークションにかけられる予定だという。(PENTA)

▍バンクシーの壁画、保護か撤去か?年間1,500万円超の維持費用が争点に。先日、バンクシーの壁画を建物のオーナーが売却し撤去されたことがニュースとなったが、同じくイギリスで存続の危機にさらされているバンクシーの壁画がある。2018年にイギリスのポート・タルボットで描かれた壁画だ。壁画のオーナーは市議会に対して、この壁画を展示するストリート・アート・ミュージアムを設立することを持ちかけているものの、本作品の維持には年間約1,500万円 (10万ポンド) 程度がかかるとして市議会は難色を示しているという。来年1月にはイギリスのピーターバラに移設される予定だという。(BBC)

▍ANDART、バンクシーの作品の中でも、日本との結びつきが強い《Flag》のオーナー権を販売開始。​日本初、アート作品の共同保有プラットフォーム「ANDART」は、11月24日、バンクシーの《Flag》の作品オーナー権の販売を開始した。《Flag》のモチーフは報道写真「硫黄島の星条旗」。反戦のメッセージを発するような作品であり、日本との結びつきも強い作品だ。

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アーティスト

ニューヨークで女性が60ドルで手に入れたバンクシー風のアートワークのひとつ 画像引用:https://nypost.com/

▍バンクシーがニューヨークの地下鉄駅で作品を1枚60ドルで販売?ニューヨークのある女性が、地下鉄の駅構内で謎のアート販売に遭遇し、バンクシーの作品2点をわずか120ドル(約13,600円) で手に入れたかもしれないことをTikTokで語り、話題となっている。彼女は、仕事帰りにバンクシー風のアート作品が 地下鉄の駅の床に散らばっているのを発見したという。一度は通り過ぎたものの、どうしても気になって引き返し、スキーマスクを被った謎の男から1枚60ドル(約6,800円)の作品を2枚購入したそうだ。

突飛な話にも思えるが、バンクシーは2013年に路上で1日だけオリジナル作品を60ドルで販売したことがある。この際にも多くの人は本物だとは信じずに通り過ぎていったという。今回の作品は果たして本物か、夢のある話だ。(NEW YORK POST)

▍俳優の永山瑛太による写真集で、荒木経惟も被写体に。2022年1月20日、俳優・永山瑛太の撮影した写真集「永山瑛太、写真」が発売される。女性ファッション誌「GINZA」での2016年9月号〜2022年1月号までの連載を一冊にまとめたもの。俳優、ミュージシャン、格闘家のほか、荒木経惟や奥山由之ら、通常は”撮影する側”の写真家たちも被写体となった。撮影は永山瑛太自身がキャスティング、ロケハン、撮影まで一人で行ったという。(amazon)

オークション

アルバート・アインシュタインとミケーレ・ベッソが1913年6月から1914年初頭にかけて共同で執筆した54ページの作業原稿 画像引用:https://www.reuters.com/

▍相対性理論のスケッチが描かれたアインシュタインのノート、オークションで約15億円に。伝説的な物理学者であるアルバート・アインシュタインの原稿が、パリのオークションで約15億円 (1,170万ユーロ) で落札された。アインシュタインの手書きの文字が約半分を占める54ページの原稿であり、アインシュタインが一般相対性理論を発表するまでの考え方を知ることができるものだ。アインシュタインは生前にほとんどメモを残さなかったため、非常に価値のある原稿だという。クリスティーズでの予想最高落札価格である約3.8億円 (300万ユーロ) の約4倍の価格での落札となった。(REUTERS)

NFT

▍「NFT」が2021年のワード・オブ・ザ・イヤーに。使用率が急激に高まる。「NFT」(ノンファンジブル・トークン)という言葉が、コリンズ辞典の2021年ワード・オブ・ザ・イヤーに選ばれた。この言葉の使用率は、2021年に11,000%以上上昇。コリンズ社によれば、ある略語の使用率がこれほどまでに上昇するのは「異例」だという。同社は「NFTが永続的な影響力を持つかどうかはまだわからないが、世界中の会話の中では突然存在感を示したことは、ワード・オブ・ザ・イヤーとする理由として明快だ」としている。(BBC)

▍クリスティーズ、NFTマーケットプレイスのOpenSeaとの提携を発表。「クリスティーズ」は、NFTマーケットプレイスのリーディングカンパニーである「OpenSea」との提携を発表した。これにより、クリスティーズが提供するNFT作品を、OpenSeaのプラットフォームを通じて、イーサリアムのブロックチェーンで購入できるようになるという。第一弾として、NFTオークション「Christie’s x OpenSea」を12月1日よりオンラインで開催。同オークションの出品作品は、アート・バーゼル・マイアミ・ビーチで展示される予定だという。(CHRISTIE’S)

▍キュレーターがアニッシュ・カプーアらの作品を無許可でNFT化。アーティストらは法的措置を検討。ロンドン在住のキュレーターが、自身が担当したプロジェクトで制作された作品の写真から生成したNFTを、アーティストの許可なく販売しようとした。アニッシュ・カプーア、ミスター・ブレインウォッシュなどのアーティストがカスタムペイントした等身大のスター・ウォーズのストームトルーパーのヘルメットを継続的に展示するプロジェクトの作品。NFTマーケットプレイス「OpenSea」の該当ページは削除されたというが、12人のアーティストは法的措置を検討していると言われている。(artnet news)

過去にはバンクシーの作品が無許可でNFT化・販売されたこともあり、NFTの時代に、どのようにして作品に対するアーティストの権利を維持するかは今後も課題となりそうだ。

展覧会

GERHARD RICHTER – ABSTRAKT エスパス ルイ・ヴィトン大阪での展示風景 (2021年)
Lilak、1982年 260×400 cm Möhre、1984年 200×160 cm Courtesy of Fondation Louis Vuitton
© Gerhard Richter Photo credits: © Keizo Kioku/Louis Vuitton

▍エスパス ルイ・ヴィトン大阪で、ゲルハルト・リヒター展「Abstrakt」展開幕。ルイ・ヴィトンの運営するアートスペース「エスパス ルイ・ヴィトン大阪」で、ゲルハルト・リヒターの作品を紹介する展覧会「Abstrakt」が開幕した。会期は2022年4月17日(日)まで。ルイ・ヴィトンによる財団の所蔵作品から選び抜かれたリヒターの18点の抽象作品を展示。そのうちの2作品、《940-4 Abstraktes Bild(アブストラクト・ペインティング) 》と《941-7 Abstraktes Bild (アブストラクト・ペインティング) 》(2015年)は、今回が初公開となる。(エスパス ルイ・ヴィトン大阪)

▍バンクシーの ≪Bomb Love Over Radar≫ を世界初公開。「世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公」第2弾展示。今年9月、GMOインターネットグループによるアートスペース「世界一小さな美術館@GMOデジタル・ハチ公」が渋谷に誕生したが、12月1日よりその第2弾展示が開催される。今回は、バンクシーが手がけた世界にたったひとつしか現存しない希少な作品「Bomb Love Over Radar」を世界初公開。第1弾で展示された「風船と少女」もあわせて公開されるという。第1弾展示の鑑賞者には第2弾展示の「無料招待メール」が送付される予定だという。(GMOインターネット株式会社)

▍原宿の「バンクシー展 天才か反逆者か?」展にアンディ・ウォーホル&バスキア作品も登場。バンクシーのルーツに迫る。70点以上のバンクシー作品を展示し、世界を巡回して300万人以上を動員する「バンクシー展 天才か反逆者か BANKSY GENIUS OR VANDAL?」展が12月12日からWITH HARAJUKUで開幕するが、この中でバンクシーの“ルーツ”を探るオリジナル企画コンテンツが発表された。アンディ・ウォーホルやバスキアの実物の作品を比較展示することで、バンクシー作品の制作背景に迫り、再解釈するというもの。本展示では、ANDARTの所有するバスキアの≪Jawbone of an Ass≫も展示される。(バンクシー展 天才か反逆者か?)

▍中国のUCCA Edgeでアンディ・ウォーホルの全てを知れる展覧会を開催。中国にあるユーレンス現代美術センター(UCCA)Edgeで、11月6日より、アンディ・ウォーホルの大規模回顧展「Becoming Andy Warhol」がスタートした。同展は、中国で初となるアンディ・ウォーホルの総合的な展覧会。「アンディ・ウォーホル美術館」が所蔵する作品から、ウォーホル美術館以外では初公開となる作品を含む作品を選び、写真家・映像作家としてのウォーホルに新たな視点を加えた展覧会となっている。(「Becoming Andy Warhol」UCCA edge)

なお、ANDARTでは、同展覧会の北京展について、「アンディ・ウォーホルの全てを知れる展覧会「Becoming Andy Warhol」が中国で開催中」という記事で解説している。

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文:ANDART編集部