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Covid-19のアーモリーショーへの影響から、ジャコメッティの贋作問題まで。今週のアートマーケット トピック振り返り(21.08.07-21.08.13)

注目のオークション結果から、アート市場の動向まで。今週、アートマーケットを賑わせたトピックを振り返り!(本文中のレートは1USD=109.59円で計算)

(※ 今週の「アートニュース」はコチラ

▍2021年上半期 作品ごとのオークションでの高額落札Best3

≪In this Case≫ / ジャン=ミシェル・バスキア 画像引用:https://fadmagazine.com/

先週「2021年上半期のオークション市場における落札総額トップ10」が発表されたが、作品単独の価格で見た場合はどうだろうか? 1作品あたりの落札額が高額であったアーティストのトップ3について見てみよう。 https://media.and-art.jp/art-news/art_market_210809/

1. ジャン=ミシェル・バスキア (1960-1988)
 ≪In this Case≫ (2021年5月11日 クリスティーズ) 約102億円 (9,310万USD)
 ≪Versus Medici≫ (2021年5月12日 サザビーズ) 約5.6億円 (5,080万USD)
2. Beeple (b. 1981)
 ≪Everydays – The First 5000 Days≫ (2021年3月11日 クリスティーズ) 約7.6億円 (6,935万USD)
3. 陳丹青 (b.1953)
 ≪Tibetan series : Shepherds≫ (2021年6月 ポリインターナショナル北京) 約2.8億円 (2,517万USD)

バスキアは、2021年の上半期に世界中のオークションで2億6,100万ドルを売り上げており、今年は彼にとって過去最高の落札額となる可能性もある。一方、従来のアートオークション市場では全く知られていなかった2位のBeepleは、NFT作品で一気に有名になる、現在はデイヴィッド・ホックニーとジェフ・クーンズに次いで、現存する中で世界で最も高価な3人のアーティストのうちの1人となっている。

3位の陳端清は、中国では高く評価されていたが、欧米ではヴェネチア・ビエンナーレやニューヨークのグッゲンハイムで展示されたにもかかわらず、比較的知られていなかった。彼は今回初めて世界の現代アーティストの落札額トップ20に入り、年間オークション売上高ではダミアン・ハーストをも上回っている。(artprice.com)

▍世界規模のアートフェア「アーモリーショー」、ディーラーの26%がオンラインに変更。Covid-19の影響続く。

アーモリーショーの会場となるジャビッツセンター 画像引用:https://www.artnews.com/

Covid-19のデルタ型の感染拡大に加え、ワクチン接種率のばらつき、さらに渡航禁止措置が続いていることから、アートフェアをはじめとした対面式の見本市の予定が不安定になっている。ニューヨークではこの2週間で「ニューヨーク国際古書展(NYIABF)」「ニューヨークオートショー」という大きなイベントが中止となった。

9月9日から12日まで開催予定の世界的なアートフェア「アーモリーショー」は、現在のところ開催予定であるが、ブースを出展する予定の212のギャラリーのうち、約26%となる55のギャラリーは、直接参加のプレゼンテーションを2022年のフェアに延期。アーモリーショーの新しいデジタルプラットフォーム「Armory Online」でのバーチャルプレゼンテーションに参加する予定だ。(ARTnews

▍サザビーズ、ラスベガスで100億円規模のピカソ・オークションを開催へ。

ベラージオのレストランでのピカソ作品展示風景 画像引用:https://news.artnet.com/

サザビーズは、今年10月にラスベガスのMGMリゾーツと協力し、ピカソの貴重な作品群をオークションにかけることを発表した。ここでの収益は1億ドルに昇ると想定されている。ピカソの140歳の誕生日に合わせたもので、1917年から1969年に制作された11点の絵画、紙作品、陶器が出品される。

一番の目玉は、ピカソのミューズであり愛人であったマリー=テレーズ・ウォルターを描いた数多くの肖像画の一つである≪Femme au béret rouge-orange≫であり、推定落札価格は2,000万ドルから3,000万ドルとなっている。なお、ウォルターを描いたもう一枚の作品、≪Femme assise près d’une fenêtre (Marie-Thérèse)≫ (1932)は、5月にニューヨークのクリスティーズで1億300万ドルで落札されている。(artnet news)

▍クリスティーズ、アジアで初のNFTオークションを開催へ。

≪Bored Ape Yacht Club #8746≫ / Yuga Labs (2021) 画像引用:https://news.artnet.com/

今年9月、クリスティーズは「No Time Like Present」セールを香港で開催し、アジアでNFTを提供する最初の大手オークションハウスとなる。注目作品は、イーサリアムのブロックチェーン上にピクセルで描かれた肖像画のカルト的なシリーズである「CryptoPunks」の複数の作品だ。今年5月には、クリスティーズで9つのCryptoPunksのセットが、1690万ドルという驚異的な価格で販売されている。(artnet news)

▍NFTの新興企業がクロード・モネのNFTを販売。その真贋が問われる。

InnovationWithout Bordersがモネの作品であると主張する≪Spring Sunshine≫

暗号通貨コンサルタント会社InnovationWithout Bordersは、最初の「印象派NFT」として、1865年のクロードモネの≪Spring Sunshine≫ (1865)のオークションを開始した。入札は200万ドル弱から始まっている。このNFTは、モネのオリジナルで物理的な ≪Spring Sunshine≫ にリンクしており、NFTを購入した人は、倉庫に保管中の現物の作品を譲り受けることができるという。しかしながら、モネのカタログレゾネ (アーティストの既知の全作品を掲載した包括的なリスト) を出版しているWildenstein Plattner Instituteは、この作品をカタログに掲載しておらず、今後の出版物に掲載する予定もないといい、作品そのものの真贋が問われている。(Defiant)

▍オークションに出品されたジャコメッティ作品は贋作?サザビーズが委託元を訴える。

サザビーズ 画像引用:https://www.artnews.com/

サザビーズは、委託者が疑わしい出所証明書を使ってディエゴ・ジャコメッティの作品3点を販売したと主張し、委託元のフロリダに住む夫婦とオークションハウスファインアート・マイアミ(FAAM)を訴えている。問題となっているのは、2016年10月にサザビーズに販売委託されたジャコメッティの作品3点。夫婦はこの販売で71万800ドルを得ている。その後、落札者が鑑定を依頼した結果、贋作と判断され、サザビーズがその出所証明書の筆跡鑑定を行った結果、その信憑性が低いことが判明。サザビーズは落札者たちに返金を行ったが、委託元はその返金に応じていないという。(ARTnews

▍アートへの投資を始める前に覚えておくべき重要なポイント

美術品は、投資ポートフォリオを多様化するために資金を投入できる数多くの商品の一つであるが、どのような点に注意をすべきであろうか?「投資対象についての情報を集める」「リスクを把握する」といったポイントのほか、「作品の維持にかかるコスト」や「贋作の可能性」、コレクションの「相続」の問題など、美術品ならではの注意点がある。一方で、アート投資は「投資」だけではない、魅力的な作品をコレクションする喜びも持ち合わせている。(LIFESTYLE ASIA)

アートの共同保有プラットフォーム「ANDART」では、プロが目利きした作品のコレクションを1万円から始めることができ、「作品の維持」「アートについての知識」などの課題を解決することができ、少額ずつ複数作品に投資することによる「リスク分散」などの点でもメリットがある。アート投資を考えている方は、一度検討してみてはどうだろうか。

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