
3分間でチェック! 今週のアートマーケット トピック振り返り(21.07.24-21.07.30)
注目のオークション結果から、アート投資記事まで。今週、アート市場を賑わせたトピックを振り返り!3分間で1週間のアート市場ニュースを総ざらい。(本文中のレートは1USD=110円で計算)
(※ 展覧会情報やアーティスト情報など、今週の「アートニュース」はコチラ)
▍クリスティーズが2024年に香港本社を開設。アジア市場の拡大にあわせ。

クリスティーズは、2024年にアジア本社を、ザハ・ハディド・アーキテクツが設計したフラッグシップ・ビルである「ザ・ヘンダーソン」に移転することを発表した。移転に伴い、現在の4倍以上の規模のギャラリーやサロンを設置予定であるという。現在、香港でのオークションは春と秋の2回しか開催されていないが、ここでは、年に6回の大規模なオールウィーク・オークション・イベントを開催できるようになる。近年のアジアのアート市場拡大の動向にあわせたもの。(ARTnews, REUTERS)
▍ジョブズの履歴書が「物理版」と「NFT版」でオークション対決。勝ったのはどっち?

アップルの共同創業者スティーブ・ジョブズによる手書きの履歴書が、「実際の紙の履歴書(=物理版)」と、それをデジタル化した「NFT(デジタル版)」の2つのバージョンで同時にオークションに出品された。結果としては、「物理版」が約3,800万円 (34.3万USD) 、「デジタル版」が約300万円 (約2.75万USD) と、物理版が圧勝となった。同時に「物理版」と「デジタル版」のどちらにより価値があると思うか?という投票も行われ、物理版:デジタル版=80:20と、こちらも物理版が圧倒的であった。(Steve Jobs’ Job Application)
なお、先日、ダミアン・ハーストは、物理的な作品とNFTのデジタル作品のどちらかを破棄することを購入者に選択させる作品をリリースした。こちらの作品でも、購入者はどちらにより価値を感じるのか注目だ。
関連記事:ダミアン・ハーストが揺さぶる アートとお金の既成概念。NFTプロジェクト「The Currency」が問いかけるものとは?
▍バンクシーの版画は、なぜ高額での取引が続くのか?

バンクシーのオークション市場が他と比べて際立っている理由について、Artnet Newsが解説している。バンクシーの版画市場は、彼の巨大な市場の中でも特に活況を呈しており、その平均価格は、2011年から2021年の間に375%も上昇。Price DatabaseによるBanksyの検索数は一貫して高く、バンクシーの市場は衰える気配がないという。バンクシーの版画に安定した需要があり、常に価格が上昇しているのは、供給が限られていることが原因のひとつだ。バンクシーは2017年以来、新しい版画を制作しておらず、それ以前は2010年が最新作だった。アーティストによる真正なエディションの供給が少ない中、彼の市場が拡大し続けているのは不思議ではないということだ。(Artnet news)
関連記事:匿名ストリートアーティスト・バンクシーはどうやって稼いでいる?5つのポイントで分かるバンクシーのビジネス
なお、NEW ART STYLE内でもバンクシーのプリントが高額で取引される理由について詳しく解説している。こちらも合わせてチェックして欲しい。
関連記事: なぜバンクシーのプリント作品は高値で売れるのか。独特なマーケット管理の仕組みを解説
▍一般販売が即完売したバンクシーの《Napalm》、「ANDART」内で会員間取引でのオーナー権売買を開始。

ANDARTでは、バンクシーの作品《Napalm》の作品オーナー権の会員間取引を7月29日より開始した。本作品のオーナー権は、発売開始から1時間ほどで即完売となっていたもの。《Napalm》は、人気キャラクターと歴史的な有名写真をモチーフに使用した、バンクシーらしいメッセージ性の強い作品。
なお、会員間取引でのオーナー権購入は、以下のような手順でなされる。
①購入したい作品の作品詳細ページにて、購入希望価格でオファー単価を設定。
②注文オファーを確定後、該当作品のオーナー権を所有しているユーザーが注文を承諾すると取引が成立。
▍Yahoo! JAPAN、ヤフオク!にてNFTアイテムの取引を今冬より開始することを発表。

ヤフーは、Yahoo! JAPANが提供するネットオークションサービス「ヤフオク!」上にて、LINEが独自に開発したブロックチェーン「LINE Blockchain」を基盤としたNFTアイテムの取引を今冬より開始予定であることを発表した。ユーザーは「LINE BITMAX Wallet」で管理する「LINE Blockchain」基盤で発行されたNFTアイテムを「ヤフオク!」でかんたんに出品・落札できるようになる。市場価値に応じて価格が上がるオークションの仕組みを活用し、NFTアイテムを気軽に売買できるNFTマーケットプレイスを目指すという。(プレスリリース)
▍アートは「見る」時代から「買う」時代へ?株式会社MAGUSがアンケート結果を発表。

株式会社MAGUSが、消費者や企業のアートに対する意識と行動について実施したアンケート調査の結果を公表した。「一都三県在住、年に3回以上美術館に訪問、世帯年収 500万円以上」の方を対象に行った調査。年代別で直近3年間でのアート購入有無を調査した項目では、20代では7割以上、30代では6割以上が購入済みとの回答になり、若い世代のアート購入への意識が高いことが分かった。このほか、「アートに力を入れている企業の方が、企業イメージが良い」ことなど、興味深い結果が現れている。(MAGUS)
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文:ANDART編集部