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3分間でチェック! 今週のアート市場 トピック振り返り(21.07.10-21.07.16)

注目のオークション結果から、アート投資関連記事まで。今週、アート市場を賑わせたトピックを振り返り!3分間で1週間のアート市場ニュースを総ざらい。(本文中のレートは1USD=110.08円で計算)

▍クリスティーズの2021年上半期の売上高は約3,850億円。2015年以降で最高額に。

バスキアの≪One-Eyed≫を香港で販売するGeorgina Hilton 画像引用:https://www.artnews.com/art-news/

7月13日、クリスティーズは2021年上半期の売上高を発表。売上高は約3,850億円 (35億ドル)であり、パンデミック前の2019年上半期に比べて13%増で、アートマーケットの旗手だった2015年以降で最高の結果となった。また、すべてのオークションで87%の販売率を記録するという驚異的な数字を記録。クリスティーズのCEOであるGuillaume Ceruttiは、「オークションとプライベートセールスの両方で、市場はまれに見る強さを見せている」と述べました。
なお、2021年上半期にオークションでの高額落札作品トップ12のうち7つはクリスティーズによって販売されたものであり、その中には、2年ぶりに110億円(1億USD)以上で落札されたピカソの≪Woman Sitting Near a Window≫も含まれている。(ARTnews)

▍フィリップスの「New Now ロンドンオークション」が世界のオークションで17の記録を樹立。同カテゴリーで最高額となる約9.7億円の売上を達成。

2021年7月13日、ロンドンで開催されたフィリップス・ニュー・ナウ・セールにて、オークショニアのヘンリー・ハイリー氏  画像引用:https://news.artnet.com/

7月13日、フィリップスで現代アートのセールである「New Now ロンドンオークション」が開催された。アンディ・ウォーホル、バンクシー、KAWSなどの既存の優良アーティストに加えて、話題性のある若手アーティストの作品も出品され、売上は約9.7億円(880万ドル)となった。これは、フィリップスのロンドンでの同カテゴリーのセールでは最高の合計額となる。アンディ・ウォーホルの「Flowers」も同カテゴリーのセールでの最高額で落札されたほか、17のオークション記録が達成された。

▍パブロ・ピカソの作品をブロックチェーンで分割所有。スイスの銀行で初の試み。

2016年にスウェーデンで競売にかけられる前のピカソの≪Fillette au béret≫ 画像引用:https://www.swissinfo.ch/

7月15日、デジタル資産銀行のSygnumと、アート投資のパイオニアであるArtemundiは、ピカソの絵画「Fillette au béret」をトークン化するために提携を発表した。これは、アート作品の所有権が銀行によってパブリック・ブロックチェーン上に公開され、投資家がアート・セキュリティ・トークン(AST)と呼ばれるアート作品の「株式」を購入・取引できるようになった初めての事例だという。これにより、約66万円(6,000ドル)でピカソの作品の一株を所有することができる。なお、作品そのものはスイスで厳重に保管されるという。(Swissinfo)

▍NFTを使用してアートとお金の境界を曖昧にする、ダミアン・ハーストの新たな試み

≪The Currencyプロジェクト≫の作品を持つダミアン・ハースト

アーティストのダミアン・ハーストが2016年から構想した巨大なコンセプチュアル・アートのプロジェクト ≪The Currencyプロジェクト≫ が、7月14日にローンチした。1万点すべてが同じサイズ・同じ素材で、視覚的にも似たデザインである紙の作品とNFTのデジタルアートワークがセットとなっているが、購入者は、2ヶ月後に紙の作品かNFTのどちらかを破棄しなければならない。1万点の優劣のない似通った作品は、通貨と類似した意味を持つ。ハーストが考えたのは、理論的にはそれ自体が通貨として機能するアート作品群であり、「お金が芸術を堕落させるとよく言われるが、これは芸術がお金を堕落させる試み」だという。(bloombarg)

▍Instagram、NFTマーケットプレイスの新機能を開発中か

シリコンバレーの関係者であるAlessandro Paluzziは、InstagramがNFTマーケットプレイスの新機能を開発中であることを明らかにした。この機能について、公式な発表はなされていないが、6月初旬に開催されたInstagramのクリエイターズウィークでは、CEOのアダム・モセリが、ユーザーの体験をさらに収益化することを検討していることを示唆していた。Paluzziのツイートによれば、この計画は、アーティストがInstagramで作品を紹介し、アーティストが作成したストーリーに「Collectibles」タグを付加することで、デジタルアートの販売を促進することを目的としているようだ。(yahoo!finance)

▍ArtStickerが越境ECサービスを導入

The Chain Museumが開発・運用するアート・コミュニケーションプラットフォーム「ArtSticker」は、 越境ECサービス『WorldShopping BIZ チェックアウト』を導入したことを発表した。「ArtSticker」では、デジタルの「スティッカー」を好きな作品に貼ることで、 アーティストを直接・気軽に支援することができるほか、作品の販売も行っている。これにより、ArtStickerでの作品販売は世界125カ国に向けての海外決済・海外販売対応が可能となるという。

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