
バンクシー×glambのカプセルコレクションが7月下旬に発売
ストリート系ファッションブランドglamb(グラム)と覆面アーティスト・バンクシーのコラボレーション「glamb×BRANDARISED THE WORLD’S MOST FAMOUS GRAFFITI COLLECTION」が7月下旬に発売される。
バンクシーの作品のグラフィティ写真を保有するイギリスのFull Colour Black社によるプロジェクト「BRANDARISED」(ブランダライズド)とのタッグにより今回のカプセルコレクションが実現。その中から3つのおすすめをアート解説と併せて紹介。

以下全ての画像引用:https://www.glamb-lodge.com/
バンクシーとは
バンクシー(Banksy)は、イギリス・ブリストルが拠点とされる匿名のアーティスト。ステンシルアートという型紙とスプレーを用いた表現技法で、反資本主義や反戦などのメッセージが込められた社会風刺的で政治色の強い作品を制作しているのが特徴。多くの作品が無断で建物の壁面などに残されるため、行政により落書きとして消されてしまう事例もあるが、知名度・人気の高さが上がるにつれ、作品をアクリル板で保護して展示されることも増えている。
2021年8月21日〜12月5日には「バンクシーって誰?」展が東京都で開催予定。日本でも高い人気を誇り、世界中が注目する謎多きアーティストだ。
おすすめアイテムとバンクシーの作品解説
Tシャツ ×《Laugh Now》

Tシャツにプリントされたのは、バンクシーの初期の作品《Laugh Now》。元々はイギリス・ブライトンにあるナイトクラブのコミッションとして2002年に制作されたもの。モチーフとなっている猿はネズミと同様に、バンクシーのシンボルのひとつでもある。
猿が首から下げるボードには「Laugh now, but one day we’ll be in charge(今は笑うがいいさ、でもいつか俺たちが取り仕切る時が来る)」とある。密猟や動物実験など、これまで人間が動物をどのように扱ってきたかに対してのバンクシーの批判や猿(動物)たちからの警告とも捉えることができるメッセージだ。
また《Laugh Now》は、各主要オークションでも高額で取引される人気作品。直近のオークションでの落札結果はこちらから。
フットボールカットソー×《No Ball Games》



腕に入ったイエローのポイントと背中のナンバーがスポーティーなフットボールシャツに使用されたのは、《No Ball Games》。これは2006年にLAで行われたバンクシーの個展「Barely Legal」にてキャンバス作品として初公開された3年後、ロンドン北部・トッテナムにある店舗の壁面に再び登場した作品。
小さな子どもたちが投げているのは、ボールではなく「ボール遊び禁止」の赤いサイン。これは政府や行政が設けるルールによって、子ども達が外でボール遊びすら出来なくなってしまっていることを暗示し、子ども達の遊びでさえ国家が管理してしまうことへの皮肉や批判を表現した作品。
この作品は、2013年にロンドンのSincura社が壁から取り外した後、3つのパートに分けられて恵まれない子ども達のために販売された。
スタジアムジャケット×《Euro Stars Man》


ブラックとブルーの2色展開のスタジアムジャケットは、裏地にglambのロゴをのせた総柄生地を使用し、リバーシブルでの着用が出来る仕様になっている。
ジャケットの前から後ろの身ごろにかけてプリントされているのは、2017年当時イギリスがEU離脱を巡り、政治的混乱を極める中で見つかった《Euro Stars Man》。「完璧」と「充実」を表す意味を持つ欧州旗の星のひとつを男性が取り除いている描写は、時事性と政治性を作品に反映させているバンクシーならでは。
ちなみにこの作品が見つかったイギリス・ドーバーの建物のすぐ近くにあるフェリーターミナルは、イギリスとヨーロッパのメインランドを繋ぐ港。公共物に無断でグラフィティを残すことは犯罪行為ではあるが、場所と作品がリンクしているのがストリートアートの面白いところだ。
他にもジップアップフーディーやリバーシブルカーディガン、ライダースなど年間を通して選べるアイテムが充実した今回のコレクション。バンクシーのようなメッセージ性が強い作品は、その意味を自分なりに理解してファッションに取り入れるのも楽しみ方のひとつかもしれない。
その他お問い合わせやコレクションの詳細は、glambの公式ホームページまで。
【glamb Tokyo】
https://www.glamb-lodge.com/
ANDARTで扱っているバンクシーの作品は、《Jack and Jill (Police Kids)》《BOMB LOVE》《Sale Ends (v.2)》のシルクスクリーン作品。会員限定のメルマガでは、オークション速報やアートニュースを配信中。

ANDART編集部