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20世紀作品の最高記録保持者!アンディ・ウォーホル作品の落札価格ランキングTOP10

20世紀後半、資本主義大国アメリカでポップアートの礎を築いたアンディ・ウォーホル。シルクスクリーンの技法を用い、大量消費や大衆文化のイメージをファインアートと融合させたことで注目を集めた。キャンベル・スープの缶やマリリン・モンローの肖像が並べられたポスターのような絵柄は、誰しもどこかで目にしたことがあるだろう。

キャンベルスープ
画像引用:https://www.moma.org/

ウォーホルが多用したシルクスクリーンは、ひとつの版から大量に刷ることができるため、安いものでは10万円前後から市場に出回っており、本人が関与しないところで刷られた海賊版も存在する。

一方、エディションが少ないなど希少価値のある作品は価格が高騰しやすく、オークションでは億単位で取り引きが行われている。ウォーホルがアーティストとして活躍し始めた1960年代には10万円程度で売られていた作品が、50年後には300倍を超える値上がりを見せた例も。

アート作品のオーナー権を1万円から購入できるプラットフォームANDARTでは、来歴のしっかりしたウォーホルの作品を複数取り扱っており、アート投資という観点からも注目されている。


アートマーケットで高い人気を誇るウォーホル作品は、2022年5月、8年ぶりにオークションレコードを更新。そこで本記事では、これまでオークションで取り引きされたウォーホル作品の落札価格ランキングTOP10を振り返る。(落札価格は1USD=130円で計算)

10位《Colored Mona Lisa》

落札価格:約73億145万円($56,165,000)

10位《Colored Mona Lisa》
画像引用:https://www.christies.com/


本作が制作される前年、フランスからアメリカにレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が貸し出されるという一大イベントがあった。ウォーホルはニューヨークのメトロポリタン美術館で《モナ・リザ》を目にし、カタログの写真をもとに、シルクスクリーンを用いて制作に取り掛かったとされる。

本作は2015年5月、サザビーズ(ニューヨーク)の戦後&現代アートイブニングセールに出品され、高額で取り引きが成立。ちなみにルーブル美術館に所蔵されている本家の《モナ・リザ》は、世界一高額な絵画であると推定されており、1962年に史上最高となる1億ドルの保険金が設定された。

予想落札価格:非公開
オークション開催日:2015年5月13日

9位《Coca-Cola [3]》

落札価格:約74億4,705万円($57,285,000)

9位《Coca-Cola [3]》
画像引用:https://www.christies.com/


ウォーホルにとってコカ・コーラの瓶は、キャンベルのスープ缶やブリロの箱と同じくらいお気に入りのモチーフだった。ウォーホルは著作の中で「アメリカという国の偉大なところは、富める消費者と貧しい消費者が実質的に同じモノを買う、というところから伝統が始まったことだ」と語っており、セレブにもホームレスにも同じように飲まれるコーラは、大量消費文化を象徴する存在として扱われている。

モノクロで描かれた、成人男性の背丈程の大きさがある本作は、2013年にクリスティーズ(ニューヨーク)に出品され、予想最高落札価格に迫る高値で落札された。

予想落札価格:約52億〜78億円($40,000,000 – 60,000,000)
オークション開催日:2013年11月12日

8位《Sixty Last Suppers》

落札価格:約79億1,375万円($60,875,000)

8位《Sixty Last Suppers》
画像引用:https://www.christies.com/


ウォーホル生前最後の1年に制作された本作は、イタリア・ミラノにて、ダ・ヴィンチの《最後の晩餐》が所蔵されている建物のすぐ近くで展示された。オリジナルの《最後の晩餐》そっちのけで、およそ3万人が鑑賞に詰めかけたと言われている。本作と同時期に、《The Last Supper (Pink)》や《The Camouflage Last Supper》など、100を超えるパターンの最後の晩餐シリーズが制作された。

本作は2017年11月、クリスティーズ(ニューヨーク)に出品された。オークションハウス以外の第三者によって購入が保証されていたが、第三者の正体や金額は明らかにされていない。

予想落札価格:非公開
オークション開催日:2017年11月15日

7位《Race Riot》

落札価格:約81億7,505万円($62,885,000)

7位《Race Riot》
画像引用:https://www.christies.com/


1963年、アラバマ州バーミンガムで、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を中心とする人種隔離撤廃闘争が起きた。その際、デモ行進の列に警官が警察犬をけしかけるという事件があった。本作のモチーフになった写真は、報道カメラマンのチャールズ・ムーアが撮影したもので、ジョン・F・ケネディ元大統領が人種差別撤廃の法案を提出するきっかけになったと言われる。

2014年5月にクリスティーズ(ニューヨーク)に出品された本作には、ウォーホルが手がけた作品の中でも政治色が濃く表れている。

予想落札価格:非公開
オークション開催日:2014年5月13日

6位《Men in Her Life》

落札価格:約82億3,712万円($63,362,500)

6位《Men in Her Life》
画像引用:https://www.phillips.com/


ハリウッドの大女優エリザベス・テイラーは、8度も結婚を経験しており、多くの恋愛遍歴で知られる。「LIFE」誌から引用した写真には、テイラーと3番目の夫マイク・トッドが、友人夫妻であるエディ・フィッシャーとデビー・レイノルズとともに写っている。一見すると家族愛と友情を表現しているようだが、本作の制作時にはテイラーはトッドと死別しており、トッドの親友だったフィッシャーと再婚したためにスキャンダルになっていた。複雑な人間関係を暗示するような作品である。

2010年11月、ニューヨークで開催されたフィリップスのオークションに出品され、予想を大きく上回る価格で落札された。

予想落札価格:約52億〜65億円($40,000,000 – 50,000,000)
オークション開催日:2010年11月8日

5位《Four Marlons》

落札価格:約90億4,865万円($69,605,000)

5位《Four Marlons》
画像引用:https://www.christies.com/


映画『乱暴者』(アメリカ、1953年)の主演俳優マーロン・ブランドをモチーフにし、ウォーホルの最盛期にあたる1966年に制作された。ハリウッドスターを描いた作品の中でも有名なもののひとつ。同時期に同じ写真をもとにしたキャンヴァス作品が8パターン制作されているが、イメージが繰り返されているのは、本作を含め3作のみである。

同シリーズの《マーロン》も、2012年にクリスティーズ(ニューヨーク)で約30.8億円($23,714,500)の値をつけて落札されている。本作は2014年、同オークションに出品され、ウォーホル作品史上に残る落札価格を記録した。

予想落札価格:非公開
オークション開催日:2014年11月12日

4位《Green Car Crash (Green Burning Car I)》

落札価格:約93億2,360万円($71,720,000)

 Car Crash (Green Burning Car I)》
画像引用:https://www.christies.com/


実際に起こった事故や自殺者を描く「死と惨事」シリーズと呼ばれる1960年代の作品。凄惨な自動車事故の様子が、緑の画面上で繰り返されている。当時ウォーホルは「ぞっとするような恐ろしいイメージを何度も何度も見ていると、そのイメージは何の効果も持たなくなってくるんだ」と語っており、情報があふれる現代社会への警鐘が感じられる。

2007年5月にクリスティーズ(ニューヨーク)に出品されると、予想落札最高価格の2倍以上まで高騰した。2013年に記録が塗り替えられるまで、6年以上にわたってウォーホル作品の歴代落札価格1位をキープしていた。

予想落札価格:約32億5,000万〜45億5000万円($25,000,000 – 35,000,000)
オークション開催日:2007年5月16日

3位《Triple Elvis [Ferus Type] 》

落札価格:約110億8,753万円($81,925,000)

3位《Triple Elvis [Ferus Type] 》
画像引用:https://www.christies.com/


鑑賞者に銃を向けるカウボーイ姿のエルヴィス・プレスリー。プレスリー主演映画『燃える平原児』(アメリカ・1960年)の宣伝用写真をもとにした等身大サイズの三重肖像だ。ウォーホルは1人から11人まで、さまざまなパターンで制作。背景のシルバーはハリウッドの銀幕を想起させるだけでなく、ウォーホルが幼い頃に見たビザンチン・カトリック教会の装飾を反映しており、肖像は大衆のスターが神格化されたような雰囲気を漂わせている。

本作と5位の《Four Marlons》がともに出品された2014年11月のクリスティーズ(ニューヨーク)のイブニングセールは、総額約1,109千億円(8億5,288万7千ドル)を売り上げ、当時史上最高の出来高を記録した。本作はその中でも最高額で落札されている。

予想落札価格:非公開
オークション開催日:2014年11月12日

2位《Silver Car Crash (Double Disaster)》

落札価格:約137億785万円($105,445,000)

2位《Silver Car Crash (Double Disaster)》
画像引用:https://www.sothebys.com/


2022年まで第1位の座にあったのは、「死と惨事」シリーズの一作。壮絶な自動車事故の瞬間が、ピカソの《ゲルニカ》のように大画面にモノクロで描かれた。現実に起きた事故を扱っているが、同じイメージが繰り返されることによって、フィクション映画の1コマのような印象を与える。本作は2枚のパネルで構成されており、右側の銀色のパネルは死を暗示していると言われる。

2013年11月、サザビーズ(ニューヨーク)の現代アートイブニングセールにおいて、3人の入札者が競って価格が高騰した結果、1億ドルの壁を破り、ウォーホル作品史上最高額を大幅に更新する価格で落札された。

予想落札価格:非公開
オークション開催日:2013年11月13日

1位《Shot Sage Blue Marilyn》

落札価格:約253億5,520万円($195,040,000)

1位《Shot Sage Blue Marilyn》
出典:https://news.artnet.com/


8年ぶりに1位を塗り替えたのは、ウォーホルの代表的なモチーフであるマリリン・モンローの肖像画。数あるマリリンの中でも、ウォーホルの最良の時期に制作された作品であることや、即興的な言葉遊びによって銃弾が撃つ込まれたという珍しいエピソードによって、価格が高騰したと考えられている。

2022年5月9日、クリスティーズ(ニューヨーク)に出品されたトーマス&ドリス兄妹コレクションの一作で、メガディーラーのラリー・ガゴシアンが落札。ウォーホルのオークションレコードだけでなく、20世紀の美術品としての記録も更新した。さらに、アートオークション史上でもレオナルド・ダ・ヴィンチ《サルバトール・ムンディ》に次ぐ2番目となる。

予想落札価格:約260億円($200,000,000)
オークション開催日:2022年5月9日

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文:ANDART編集部