
メインは抽象画の巨匠!12/9~15サザビーズオークション落札価格TOP3
2021年12月9日〜15日、サザビーズオンラインオークション「Contemporary Art | Milan」が開催。定評のあるアート界の巨匠から新進気鋭の若手アーティストの作品が出品された。本オークションより落札価格の高かったトップ3の作品とANDARTに関連するアーティストの落札情報をピックアップして紹介。金額は1EUR=128.67円(12月15日終値)で計算、手数料込み。
3)アンディ・ウォーホル
《Flowers (Feldman & Schellmann II.69)》
落札価格:約1,540万円(€119,700)

1964年にニューヨークのレオ・カステロ・ギャラリーで初めて展示された「フラワー」シリーズは、キャンベル・スープやマリリン・モンローと並ぶウォーホルの代名詞的モチーフである。ハイビスカスの写真を使ってプリントされていて、本作は1970年に制作された250部のプリント作品。(予想落札価格:約515〜772万円 / €40,000〜60,000)
ANDARTでは、東京とニューヨークをまたいで制作された、菊の花がモチーフの《KIKU (F&S II.308)》と代表作のキャンベル・スープシリーズから《Soup Can I (Pepper Pot)》のプリント作品を取扱い中。
3)バンクシー《Nola (Grey rain)》
落札価格:約1,540万円(€119,700)

「Umbrella Girl」または「Rain Girl」とも呼ばれる本作は、2005年にハリケーン・カトリーナがアメリカのルイジアナ州ニューオリンズを襲った3年後の2008年に制作されたプリント作品。「Nola」のNOはニューオリンズ、LAはルイジアナ州のイニシャルをとってつけられたもの。元々この作品は、ニューオリンズを襲った災害を題材にした14の壁画シリーズの一部で、現在も壁画が残っているのはこの《Nola》のみである。(予想落札価格:約1,158〜1,673万円 / €90,000〜130,000)
2)ハンス・アルトゥング《T1964-E7》
落札価格:約1,621万円(€126,000)

ハンス・アルトゥング(1904-1989)はドイツ生まれの画家。1935年にナチスを嫌ってフランスに移住し、その後南フランスで亡くなるまで活動を続けた。「熱い抽象」と呼ばれる表現的な抽象絵画を代表する人物の一人でもある。アルトゥングは1960年代初頭、自動車産業で使用されているビニール塗料に着目して使い始め、本作にもビニール塗料が使用されている。(予想落札価格:約901〜1,287万円 / £70,000〜100,000)
1)ハンス・アルトゥング《T1962-R35》
落札価格:約2,432万円(€189,000)

こちらもアルトゥングのキャンバス作品。1960年代のアルトゥング作品は、暗い色彩に線が糸のように細くなり、その跡をつけるため刷毛やローラー、木の枝、ほうきなどのツールが使用されている。これは絵の具をのせたキャンバスをパレットナイフなどで削って質感を出す「グラッタージュ」という技法で制作した作品。(予想落札価格:約1,287〜1,930万円 / €100,000〜150,000)
1)ジョルジュ・マチュー《Ténèbres ensevelies》
落札価格:約2,432万円(€189,000)

ジョルジュ・マチュー(1921-2012)はフランス生まれの抽象画家。躍動感溢れる色彩で叙情的な抽象画で人気を呼んだ。1957年には来日し、日本橋で公開制作したこともある。1984年からは、絵画にグラフィカルな要素が増し、マチューはそれを「宇宙的な転換期」と呼んでいる。本作は1989年に油絵具で制作されたキャンバス作品。(予想落札価格:約772〜1,029万円 / £60,000〜80,000)
ANDART関連アーティスト落札情報
ダミアン・ハースト《You don’t have to say it today》
落札価格:約616万円(€47,880)

本作は2021年7月にリリースしたダミアン・ハーストの初のNFT作品《The Currency》の一部。《The Currency》とは、A4サイズの紙に全て色の違うドットを描いた1万枚の作品をそれぞれ2,000ドルで販売し、購入者はそのNFTを保管するか、実際の作品と交換するかの選択が迫られるという作品。(予想落札価格:約129~193万円 / €10,000〜15,000)
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文:ANDART編集部