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日本人新星アーティストの誕生も!11月30日開催フィリップス(香港)オークション落札額TOP5と作品解説

2021年11月30日(現地時間)にフィリップス香港で開催された「20th Century & Contemporary Art Evening Sale in Association with Poly Auction」。今回は本オークションの落札価格TOP5と作品解説を紹介する。
落札価格は手数料込み。1HK$=14.53円(11月30日レート)で計算。

5)アレクサンダー・カルダー《Two Red Petals in the Air》

落札価格:約3億251万円(HK$20,820,000)

画像引用:https://www.phillips.com/

アレクサンダー・カルダーはアメリカ出身の現代アーティスト。動く彫刻「モービル」の発案者として知られ、彫刻作品に革命を起こしたアーティストでもある。また、「色彩の魔術師」と言われているほど、鮮やかな色の組み合わせも特徴的。本作も「空中の赤い花びら」と名付けられたタイトルの通り、鮮やかな色のパーツが軽々と空中を舞っている様子がよく想像できる作品だ。

予想落札価格:2億3,248万円〜2億9,060万円(HK$16,000,000 – 20,000,000)

4)マシュー・ウォン《Far Away Eyes》

落札価格:約3億779万円(HK$21,183,000)

画像引用:https://www.phillips.com/

先日のサザビーズ(NY)セールでも高額落札を叩き出したマシュー・ウォンの作品が、今回も予想落札価格の約2倍の価格で落札され、第4位にランクイン。風景を描く作品を多く描くウォンだが、本作は赤く染まった夕焼け空と、紅葉で色づいた山々を描いているのだろうか。どこか郷愁を感じる作品だ。

予想落札価格:1億1,624万円〜1億7,436万円(HK$8,000,000 – 12,000,000)

3)趙無極《20.3.64.》

落札価格:約3億2,010万円(HK$22,030,000)

画像引用:https://www.phillips.com/

中華系フランス人画家の趙無極。彼は1948年にパリに渡る前は故郷である中国で東西の絵画を学んでいたとのことなので、香港セールは彼のホームグラウンドとも言える。キャンバスにパレットナイフで絵の具をのせて描く彼の作品は、力強く躍動感があふれ、作家の挙動すら作品を通して垣間見えそうだ。

予想落札価格:2億9,060万円〜4億3,590万円(HK$20,000,000 – 30,000,000)

2)草間彌生《INFINITY-NETS (OPRT)》

落札価格:約3億2,889万円(HK$22,635,000)

草間彌生の代表作の一つである「無限の網」シリーズ。約2m四方の大型キャンバス作品に、近くで見ないとわからないほどの細かな網目状の集合体で描かれている。草間は今年、同シリーズである「無限の網」と関連資料をNFTとして中国のオークションハウス「上海嘉禾」に出品したところ、約17.8億円で落札され、彼女のオークションレコードを更新している。

予想落札価格:2億1,795万円〜3億6,325万円(HK$15,000,000 – 25,000,000)

1)ゲルハルト・リヒター《Kerzenschein (Candle-light)》

落札価格:約14億8,162万円(HK$101,970,000)

画像引用:https://www.phillips.com/

2022年に日本国内で大型個展を控え、盛り上がりを見せているゲルハルト・リヒターの作品が堂々の1位に。1984年に描かれた本作は、リヒターの初期の抽象作品の代表格であり、タイトルの通りキャンドルの炎と光がダイナミックに表現されている。本作は予想落札価格を大幅に上回る価格で落札された。

予想落札価格:7億9,915万円〜10億8,975万円(HK$55,000,000 – 75,000,000)

今回のセールでは日本の若き才能あふれるアーティストの作品が多数出品され、その中でも一際注目を集めたのが加藤泉の作品。胎児、昆虫、子供、植物、人間などの中間を思わせる生命体を主なモチーフとして、油彩画や木彫を制作する彼の作品は、これまで国内外で幅広く展示されてきた。本作は予想落札価格を大きく上回る価格で落札され、日本人アーティストとして世界に大きく存在感を示す結果となった。

落札価格:約1億7,065万円HK$11,745,000)
予想落札価格:約6,539万円〜約1億898万円(HK$4,500,000 – 7,500,000)

加藤泉《Untitled》画像引用:https://www.phillips.com/

ANDARTから落札情報をピックアップ!

KAWS《NEW YORK》

落札価格:約7,323万円(HK$5,040,000)

画像引用:https://www.phillips.com/

世界的人気スターの手だけが見える本作は、よく見るとばつ印が描かれており、これだけでKAWSの作品であることがわかる非常にアイコニックな作品だ。ポップで可愛らしい印象の作品を描くことが多いKAWSだが、本作もキャラクターが溺れているところが描かれていたりと、案外シニカルなメッセージ性を孕むものも多い。

予想落札価格:5,812万円〜8,718万円(HK$4,000,000 – 6,000,000)

五木田智央《Final Confrontation》

落札価格:約3,662万円(HK$2,520,000)

画像引用:https://www.phillips.com/

五木田智央の真骨頂とも呼べるグラデーションの表現が各所に散りばめられた本作は、美しいグラデーションや直線的なモチーフなどからデジタルで描いたかのようにも見えるが、キャンバスにアクリルガッシュで描かれている。高校卒業後はグラフィックやイラストの仕事をしていたという五木田の多彩ぶりが垣間見える。

予想落札価格:約1,744万円〜約3,197万円(HK$1,200,000 – 2,200,000)

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文章:ANDART編集部