
貴重なエディション作品が大集合。10月19日〜21日開催フィリップスオークション(NY)落札額TOP5と作品解説
2021年10月19日〜21日にかけてフィリップス(ニューヨーク)でエディション作品が多数出品される「Editions & Works on Paper」オークションが行われた。この記事では落札価格上位5作品と、ANDART関連作品の落札情報をピックアップして紹介する。落札価格は手数料込み。$1=113.68 円で計算(10月25日 3:20時価)
5)ジャスパー・ジョーンズ《Target (ULAE 147)》
落札価格:約3,580万円($315,000)

ジャスパー・ジョーンズは20世紀のネオ・ダダを代表するアメリカの画家。本作は彼の代表的なシリーズでもある標的(ターゲット)をモチーフにした作品。このシリーズでは、本作以外にも色違いや、作品上部分に人の顔が描かれていたりなど様々なバリエーションがある。本作は予想落札価格を上回る価格で落札された。
予想落札価格:約1,705万円〜約2,842万円($150,000 – 250,000)
4)アンディ・ウォーホル《Marilyn (F. & S. 31)》
落札価格:約4,297万円($378,000)

アンディ・ウォーホルの作品の中でも特に有名なマリリン・モンローのポートレート作品。モンローの死後制作されたので、当時は不謹慎とされることも多かったが、ウォーホルがハリウッドスターが大好きだったと言うエピソードから、レクイエム的な作品としてみられることもある。現代ではこの作品を見て初めてマリリン・モンローの存在を知る人もいるほど、ウォーホルとモンローの両者にとって象徴的な作品になっている。
予想落札価格:約2,273万円〜約3,410万円($200,000 – 300,000)
3)草間弥生《Amour pour Toujours (K. 282-291)》
落札価格:約5,299万円($466,200)
水玉のかぼちゃや帽子、網目模様など、草間の代表的なモチーフが詰まった10点セットの作品。同じモチーフの作品が2点ずつで構成されており、それぞれ草間らしい独特の色使いで一つ一つに存在感がある。色が変わるだけで同じ絵柄でも雰囲気がガラリと変わったり、縁取りの有無などセット作品だからこそできる贅沢な比較が楽しい。本作は予想落札価格を大きく上回る結果で落札された。
予想落札価格:約1,705万円〜約2,842万円($150,000 – 250,000)
2)奈良美智《Untitled (M. & S. E-2010-003 – E-2010-012)》
落札価格:約8,594万円($756,000)
奈良美智の代表的なモチーフである少女の絵が10点セットになった作品。表情豊かな少女たちとテキストから、様々なシーンに置かれた彼女たちの感情を予想して鑑賞できるのも魅力的だ。和紙に施された木版画印刷が、奈良の色使いや描線と相まってさらにあたたかみを感じさせる。本作は予想落札価格を大幅に上回る価格で落札された。
予想落札価格:約3,410万円〜約4,547万円($300,000 – 400,000)
1)アンディ・ウォーホル《Cowboys and Indians (F. & S. 377-386)》
落札価格:約9,281万円($816,500)

本オークション落札価格第1位となったのは、アンディ・ウォーホルの作品。ウォーホルのキャリアの後半でも並外れたシリーズである「カウボーイズ&インディアンズ」の10点セットの作品。俳優のジョン・ウェインや射撃名手のアニー・オークレイのポートレート作品、インディアンのお面などをモチーフにした作品など、アメリカ西海岸の文化や伝統を表すような作品が集められている。本作は予想落札価格を大きく上回る結果で落札された。
予想落札価格:約4,547万円〜約6,820万円($400,000 – 600,000)
ANDART関連の落札情報をピックアップ
ダミアン・ハースト《The Virtues (H. 9)》
落札価格:約1,145万円($100,800)

満開の桜の木をモチーフに、8枚に渡って描いた連作。2021年に制作された新作で、購入方法にビッドコインやイーサリアムを設けるなど、新しい試みがなされた作品でもある。発売当初はオンラインマーケットにて各プリント3,000ドルで販売された。それぞれの版画は、武士道の8つの美徳、正義、勇気、慈悲、礼儀正しさ、誠実さ、名誉、忠誠、統制の1つにちなんで名付けられている。本作は予想落札価格を大幅に上回る価格で落札された。
予想落札価格:約284万円〜約397万円($25,000 – 35,000)
ジャン=ミシェル・バスキア《Untitled (from Leonardo)》
落札価格:約1,074万円($94,500)

バスキアの5枚セットの作品。落書きのように描かれたモチーフは、骸骨やテキストなどバスキアらしさが繊細に表れている。タイトルにもあるレオナルドとは、ルネサンス期を代表する画家のレオナルド・ダ・ヴィンチのことで、バスキアはかねてよりダ・ヴィンチに関する本を熟読しており、彼の作品に基づいた版画作品を制作した。本作は予想落札価格を上回る価格で落札された。
予想落札価格:約568万円〜約795万円($50,000 – 70,000)
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