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原宿に新たなオークションハウスが誕生!気になる、NEW AUCTIONの第1弾の結果は?

東京の文化発信地である原宿を拠点に、今夏発足したオークションハウス「NEW AUCTION」

従来のオークションの枠組みに縛られることなく、新しい体験、新しい価値観を提供していくことを目的に設立された「NEW AUCTION」は、独自のユニークなアイデアとシステムで、アートの魅力とオークションの可能性を東京・原宿から世界に向けて発信していく予定だという。

そんな新たなオークションハウスの記念すべき第1回目のオークションが、11月6日(土)に行われた。歴史的なモダンアートから現在も第一線で活躍するアーティストの作品まで、時代やジャンルを横断して、厳選されたユニークな作品が選ばれた。今回の出品総数は129点。

なお今回のオークションでは、10月30日〜11月5日の期間で、渋谷・MIYASHITA PARK内のスペース「SAI」にて、オークション下見会が行われた。こちらのスペースには11月6日開催のオークションに出品される作品が一堂に会し、誰もが自由に見学、アートを鑑賞できる形で一般解放されていた。

本記事では、ANDART編集部が伺ったオークションの下見会の一部と、第1回目のオークション結果を合わせてご紹介したい。

渋谷・MIYASHITA PARK内のスペース「SAI」は開放感のある広々としたスペース。オークションに出品される作品が一堂に会し、大人気のKAWSやバンクシーをはじめ草間彌生、奈良美智、ロッカクアヤコ、山口歴、五木田智央、アレックス・カッツ、ジュリアン・オピー、ゲルハルト・リヒター、バスキア、さらにはピカソやウォーホルといった作品まで、ANDARTでもおなじみの作家の作品が多数出品されていた。

会場入り口付近にて

また会場には多数の絵画やプリント作品の他にも、KAWS×Diorのコラボレーショングッズをはじめ、KAWSのイラストが描かれたスケートボード、ジェフ・クーンズ作のオーナメント、草間彌生のティーカップ&ソーサーのセットまで、思わず足を止めたくなってしまうような、ユニークで遊び心溢れる作品が多く展示されていたことも印象的だった。

草間彌生《私の大好きな私》(2013)

ハロシ《Skull Lamp》(1897)

中には、ロッカクアヤコのイラストも。いつも目にしている作風とはやや違ったテイストで、新鮮な驚きがもたらされる。

ロッカクアヤコ《Untitled》(1982)

さらにスペースの奥には、もう一つ広々としたスペースが。今回のオークションの目玉とされていた、ジョージ・コンドの絵画作品が、目立つ場所に大きく展示されていた。

なお今回の下見会で展示されている作品には全てQRコードが表示されており、カメラをかざせば興味のある作品情報をチェックできるというシステムになっていた。さらに希望者には、オークションに出品される作品の一覧を見ることができる冊子を配布しており、至るところに参加者に楽しんでもらえるような細やかな配慮や工夫も感じられた。

ここからは、11月6日(土)に行われた第一回目のオークション、「NEW001」の結果を振り返っていきたい。

▍落札価格トップ5作品

5)奈良美智《Untitled》
落札価格:約1,898万円

奈良美智《Untitled》(1959年)

奈良美智の代表的なモチーフである少女の絵が描かれた本作は、なんと封筒の裏に描かれたもの。若干の質感や色ムラはあるものの、状態は良好。こうした作品の風合いは、後から生じたダメージではなく作家の意図したものと思われる。尚、裏面にはサインや制作年の記載も。封筒という一見どこにでもあるモノに描かれた絵だが、やはり世界的に人気の奈良作品というだけに落札価格には目を見張るものがある。最終的には予想価格を大幅に上回る価格で落札された。

予想落札価格:800〜1,200万円

4)VERDY & KYNE 《Untitled》
落札価格:約2,128万円

VERDY & KYNE 《Untitled》(2019)

心に響くシンプルなメッセージと独自のデザインで東京アーバーンシーンで圧倒的な存在感を放つVERDYと、時代を反映するアイコニックな女性をシンプルに描く手法で、ファインアート界やストリートカルチャー界でも大人気のKYNEによるコラボレーション作品。本作はVERDYによるフェス型プロジェクト「VERDY HARAUKU DAY」の一環としてGALLERY TARGETにて展示された作品だそう。一目見ればKYNEとわかるイラストに、真っ赤なハートに刻まれた「Girls Don’t Cry」の文字が印象的である。予想落札価格を大幅に上回る価格で落札されたことを見ても、VERDYとKYNEの人気の高さが伺える。

予想落札価格500〜800万円

3)ロッカクアヤコ 《Untitled》
落札価格:約2,300万円

ロッカクアヤコ 《Untitled》(2015)

大きな瞳の少女のモチーフに明るい色彩が特徴の、ロッカクアヤコの作品。こちらは少女のモチーフではないが、丸型のキャンバスが愛らしく、色彩の明るさと豊かさにアーティストの息吹を十分に感じ取れる作品だ。予想落札価格を大きく上回る結果で落札された。

予想落札価格:300〜500万円

2)アンディ・ウォーホル 《Flowers》
落札価格:約2,760万円

アンディ・ウォーホル 《Flowers》(1928-1987)

「ポップアートの騎手」と呼ばれ、1960年代のアメリカ消費社会を舞台に多くの傑作を残した、アンディ・ウォーホル。本作は1964年の夏に、ウォーホルがアメリカの『モダンフォトグラフィー』誌で見かけたパトリシア・コールフィールド撮影によるハイビスカスの写真を正方形にトリミングして回転、白黒に変換してテクニカルカラーのシルクスクリーンに仕上げたものだという。同年秋にはニューヨークのギャラリーで発表後、瞬く間に人気を博し、その後この《Flowers》シリーズは様々な形態に拡張していくことになる。数あるウォーホル作品の中でも人気シリーズの原点とも言える重要な作品であるからだろう。本作は予想を大きく上回る高値で落札された。

予想落札価格:1,200〜1,800万円

1)ジョージ・コンド 《Little Ricky》
落札価格:約1億3,800万円

ジョージ・コンド 《Little Ricky》(1957)


予想落札価格:8,000万円〜1億5,000万円

本オークション落札価格第1位となったのは、「アーティフィシャル・リアリズム」と定義する独自の抽象表現で知られるアメリカのーティスト、ジョージ・コンドによる作品。美術史のバックグラウンドを持つ彼は、伝統的な抽象画の構造を噛み砕きながらも、ユーモアとアイロニーをもって従来の芸術の概念を覆すような作品を多く制作している。頭の上にはボトルをのせ、両耳からはタバコの煙が飛び出している肖像画を描いた本作は、なんともコミカルでシュールな印象。本オークションの下見会でも「最大の注目作」と言われていた本作は、今回、落札価格堂々の1位に輝いた。

ANDART関連の落札情報をピックアップ!

バンクシー《FLAG》
落札価格:約610万円

画像引用:http://www.noiseking.com

本作はバンクシーが2006年に制作した作品で、ロンドンにある作家のギャラリー「サンタのゲットー」にて展示販売されたもの。焼け焦げた車の上にまたがる青年と子供の軍団が勝ち誇ったかのように星条旗を掲げる姿は、かの対戦中の報道写真としても名高い「硫黄島の星条旗」の一場面を彷彿とさせる。

予想落札価格:200〜300万円

KAWS 3点組
《NO ONE’S HOME 》《STAY STEADY》《THE THINGS THAT COMFORT》
落札価格:約1,323万円

世界的有名キャラクターの目がXになっているようなカートゥーン調のスタイルは、KAWSがストリートアーティストとして活動していた1990年代初頭に、企業広告を独自の表現をもって改変するために、アクリル画を描き始めたことがルーツと言われている。この三連作のシリーズは、KAWSらしいビビッドな色彩がユニークに配色されており、一枚一枚が独自の個性を放っている。

予想落札価格:600〜900万円

ジュリアン・オピー《NEW YORK COUPLE6,2019》
落札価格:約2,13万円

ミニマムな点と線で描く人物画で有名なイギリスを代表するアーティストのひとり、ジュリアン・オピーのNYを行き交う人々を描いた作品。この作品は、ANDARTで取扱中のオピーの8枚セットの作品の一部と同じ作品。落札価格はシンプルに8倍で計算しても、ANDARTの取扱価格よりも高値で落札された。

本メディアでは、定期的にオークション結果の速報記事をピックアップしてご紹介しているが、オークションでの落札価格とANDARTの取扱価格と照らし合わせてみると、共同保有作品を選ぶ一つの指標になるだろう。

予想落札価格:120〜180万円

まとめ

今年設立されたばかりの新しいオークションハウス「NEW AUCTION」は、歴史的な作品から今話題となっている現代アーティストまで、選りすぐりの作品が集結しており、とても見応えがあった。またそれと同時に、オークションに備えて、情報の発信基地でもある原宿・渋谷エリアのスペースを一般解放して行われた下見会は、アートをもっと知りたい!と思う人たちが気軽に足を運びアートを楽しむスペースとしても、とても魅力的に感じられた。

次回のオークションは、2022年6月に行われる予定だという。ぜひこれを機に「NEW AUCTION」の新しい取り組みに注目していきたい。

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文・写真:ANDART編集部