
価格は拮抗する結果に!12/16ボナムズオークション落札結果
2021年12月16日、ロンドンにてボナムズの「Prints and Multiple」オークションが開催。マルク・シャガール、パブロ・ピカソやバンクシーなど20世紀から現代に至る幅広いアーティストの作品が出品された。本オークションより落札価格の高かった5作品とANDARTに関連するアーティストの落札情報をピックアップしてご紹介。結果は12月17日11:00時点、金額は1ポンド=151.43円(12月16日終値)で計算、手数料込み。
2:同率)バンクシー《Very Little Helps》
落札価格:約760万円(£50,250)

出典:https://www.bonhams.com/
本作のタイトルは、イギリスの大手企業「TESCO(テスコ)」の企業スローガンである“Every Little Helps”(日本語で「どんな小さなことでも役に立つ」という意味)をもじって、“Very Little Helps”(「ほとんど何の役にも立たない」)と皮肉的に付けられている。資本主義の元、大手企業が成長して拡大を続けると中小企業は縮小し、消費者の選択肢を奪うことへの批判が込められた作品。(予想落札価格:約605~909万円/£40,000~60,000)
2:同率)草間彌生《Pumpkin 2000 (Green)》
落札価格:約760万円(£50,250)
草間彌生の代名詞であるかぼちゃをグリーンとブラックの2色で描いた作品。こちらは2000年に制作された100部限定のプリント作品。今回は本作と色違いの《Pumpkin 2000 (Red)》と《Pumpkin 2000 (Yellow)》も出品され、グリーンのものが一番高額となった。作品画像はこちらから。(予想落札価格:約227~303万円/£15,000~20,000)
ANDARTでも草間彌生の赤でかぼちゃを描いた《赤色かぼちゃ》を取扱い中。他にも、緑のかぼちゃを描いた《Pumpkin (Gt) (1996)》と黄色いかぼちゃの《南瓜 B》も扱っている。
2:同率)デイヴィット・ホックニー《Self-Portrait》
落札価格:約760万円(£50,250)

出典:https://www.bonhams.com/
デイヴィット・ホックニーは1937年イギリス生まれのアーティスト。本作は、1962年ホックニーがロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート在学中の最終年度に制作したもので、貴重なキャリア初期のエッチング作品(金属板に溝を作る凹版技法)である。同性愛者であることをカミングアウトしているホックニーは、自身のセクシュアリティを作品内で表現することでも知られている。(予想落札価格:約106~151万円/£7,000~10,000)
1:同率)デイヴィット・ホックニー
《Pool Made with Paper and Blue Ink for Book》
落札価格:約912万円(£60,250)

出典:https://www.bonhams.com/
ホックニーの代表的モチーフ「スイミングプール」を描いた1980年のリトグラフ作品。ホックニーは大学を卒業して1963年にアメリカ・ロサンゼルスへ拠点を移す。そこで見たスイミングプールからヒントを得て、当時はまだ新しかったアクリル絵の具を使って描き始めたのがスイミングプールシリーズの始まり。2010年にiPadが発売されてからは、いち早くドローイングのツールとして取り入れるなど、新しいものを積極的に取り入れるアーティストだ。(予想落札価格:約273~379万円/£18,000~25,000)
1:同率)デイヴィット・ホックニー
《Sun, from Weather Series》
落札価格:約912万円(£60,250)

出典:https://www.bonhams.com/
こちらは1973年に制作した「Weather Series」から「太陽(Sun)」を描いた1枚。同シリーズ内で、「風」「雪」「霧」「雨」「雷」を描いた作品がある。1971年に日本を訪れたホックニーが、京都市美術館で日本美術における天候、特に雨の描写に魅了されて制作したのがこの天気シリーズだった。窓辺から差し込む陽光を黄色で表現したホックニーらしい色彩の作品。(予想落札価格:約227~303万円/£15,000~20,000)
【ANDART関連アーティスト】
パブロ・ピカソ
《L’Atelier de Cannes, frontispiece for Ces peintres nos amis, Vol. II》
落札価格:約212万円(£14,000)

出典:https://www.bonhams.com/
世界で最も多作な作家としてギネス・ブックにも登録されているスペイン出身の画家、パブロ・ピカソの落札作品を紹介。本作のタイトルは日本語で「カンヌのアトリエ、『画家と私たち』第二巻の扉絵」という意味。本作は、1956年に『ピカソのアトリエで』の表紙絵として制作されたものを後に『画家と私たち』の第2巻の表紙として、ピカソが色を追加した作品。(予想落札価格:約30~45万円(£2,000~3,000)
ANDARTでは、ピカソの2人目の妻・ジャクリーヌのポートレート作品《Portrait de Jacqueline de Face Etat Ⅲ 21-21-1961(Bloch 1064)》を扱っている。
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文:ANDART編集部