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アートマーケット

バンクシーの最も高額な作品とは?オークション落札価格TOP3を紹介

バンクシーとは?

バンクシーはイギリス・ブリストル出身のストリートアーティスト。ロンドン周辺を拠点に活動している。1990年代の活動初期から正体不明のアイデンティティを守り続け、世界中の路上を舞台に神出鬼没に作品を残している。

バンクシーは型紙にスプレーを吹きつけて絵柄を描く「ステンシル」と呼ばれる技法で壁画を制作し、度々その壁画を元にキャンバスやプリント作品を展開。主に資本主義や消費主義、人間の愚かさなどを揶揄する風刺的な作品、そして戦争反対・平和を訴えるパワフルでメッセージ性の強い作品で高く評価されている。

撮影ANDARTバンクシー展
「バンクシー展 天才か反逆者か」の展示風景
撮影:ANDART編集部

アートマーケットから見たバンクシー

オークションで度重なる記録の更新を叩き出してきたバンクシー。人気のアーティストであることは何となく知っていても、具体的にどれほどの影響を現代のアートマーケットに与えているのか、いまいちピンとこない人も多いはず。そこで近年のマーケットレポートから、バンクシーが残した2つの記録と一緒に落札価格TOP3の作品を見てみよう。

記録1:欧米全体でTOP2の売上

2020/21年の欧米で開催されたオークションにおいて、最も売上の高かった現代アーティストTOP3の2位にバンクシーが位置付けた。売上総額は1億4,720万ドル(約169.3億円)だった。

ちなみに、1位は2億6,760万ドル(約307.7億円)でジャン=ミシェル・バスキア。3位はNFTが超高額で落札されて話題になったデジタルアーティストのBeeple。なんと2作品のみで6,960万ドル(約80億円)を売り上げた。

この結果に付随し、同年の現代アート部門のトータル売上の7%をバンクシーが占める結果に。1位はもちろんバスキア(14%)、3位奈良美智(5%)、4位ジョージ・コンド(3%)、5位Beeple(3%)だった。

記録2:存命するアーティストでトップの売上

2021年上半期オークション落札総額TOP10(全ジャンル)において、バンクシーが5番目の1億2,332万ドル(約136億1,892万円)を売り上げた。これは存命するアーティストではトップの結果だった。バンクシーは文字通り、現代で最も成功しているアーティストであり、多大なる影響力を持っている人物だと言えるだろう。

詳しいTOP 10のランキングはこちらから

落札価格TOP3

3位《Sunflowers from Petrol Station》(2005)

落札価格:約16億4,287万円

Banksy:Sunflowers from Petrol Station
出典:https://theartofbanksy.jp/

フィンセント・ファン・ゴッホの代表作《ひまわり》をオマージュした作品。2021年11月のクリスティーズオークション(NY)にて、 1,455万8,000万ドル(当時約16億4,287万円)で落札された。本作は、2005年にロンドンで開催された展覧会「Crude Oils. A Gallery of Re-mixed Masterpieces」でファッションデザイナーのポール・スミスが直接購入したもの。タイトルは日本語で「ガソリンスタンドのひまわり」という意味。ゴッホの生き生きとしたひまわりを枯らすことで、芸術と自然の両方が消費主義の手によって汚染されていることを比喩的に表現している。

2位《Game Changer》(2020)

落札価格:約25億円

Banksy:Game Changer
出典:https://theartofbanksy.jp/

新型コロナウイルスによるパンデミックの第一波がイギリスを襲った2020年5月、イギリス南部にあるサウサンプトン大学病院で10ヶ月に渡って《Game Changer》が展示された。右端にバットマンやスパイダーマンの人形がゴミ箱に捨てられている代わりに、男の子が遊んでいる人形はマスクをした看護師。これは、バンクシーなりの医療従事者への感謝とリスペクトを表した作品である。そして、2021年3月クリスティーズ(ロンドン)へチャリティーのため出品。落札額は、約1,675万8,000ポンド(当時約25億円)にも上り、作品の売却益は同大学病院や医療機関、慈善団体に寄付された。

1位《Love is in the Bin》(2018年)

落札価格:約28.9億円

Banksy:Love is in the Bin
出典:https://www.sothebys.com/

落札価格トップの作品は、バンクシーを語る上では絶対に欠かせない《Love is in the Bin》だ。これは、バンクシーの代表作の一つである《Girl with Balloon》の額装されたキャンバス作品が、2018年10月のサザビーズ(ロンドン)に出品された時のこと。作品が104万2,000ポンド(当時約1.5億円)で落札が決まった瞬間、バンクシーによって額縁に仕掛けられたシュレッダーが作動し、作品の半分を細断するという事件が起きた。

その後、バンクシーはタイトルを《Girl with Balloon》(風船と少女)から《Love is in the Bin》(愛はごみ箱の中に)へと変更。アート史上初、オークション中に制作・破壊された作品が誕生した。そして、2021年10月サザビーズに再度出品され、前回の落札額の18倍近い1,858万ポンド(当時約28.9億円)で落札され、現在もバンクシー作品の中でトップの記録を保持している。

ANDARTでは現在、バンクシーの作品を8点取り扱い中です。

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文:ANDART編集部

参考URL
https://imgpublic.artprice.com/pdf/the-contemporary-art-market-report-2021.pdf