
3月の注目のオークションをピックアップ!マグリットやバンクシーなど
2022年に入り、1月末にサンドロ・ボッティチェリの《The Man of Sorrows》が約4,500万ドルで落札されたビッグセールも束の間、3月もまた新たな記録が生まれそうだ。そこで、3月の注目オークションをピックアップして紹介。記事内は1ドル=110円、ポンドは150円で計算。
▍3月1日、クリスティーズが3つのオークションを開催
「The Art of the Surreal Evening Sale」(ロンドン)
「The Art of the Surreal Evening Sale」での注目作品は、パブロ・ピカソのシュルレアリスム時代のキャンバス作品《La fenêtre ouverte》。この作品が制作された1929年、ピカソはまだオルガ・ホクロワと結婚していたが、この作品に描かれているマリー=テレーズ・ウォルターと2年前から既に恋愛関係にあった。予想落札価格は1,400〜2,400万ポンド(約21〜36億円)。
「20th/21st Century Evening Sale」(上海とロンドン)
上海とロンドンを橋渡しする「20th/21st Century」はピカソやエゴン・シーレなどの20世紀を代表する画家から戦後アメリカ美術を代表するアンディ・ウォーホル、現代のバンクシーやアモアコ・ボアフォなどのアーティストが一挙に展示される。
その中でも注目されているのが2作品。ひとつ目はロンドンのセールで、今回初出品されるフランシス・ベーコンの《Triptych 1986-7》。予想落札価格は3,500〜5,500万ポンド(約52.5〜82.5億円)。

《Triptych 1986-7》(1986-1987年)
出典:https://www.artprice.com/
ふたつ目は、上海のセールで出品されるジャン=ミシェル・バスキアの《Il Duce》。1,260~1,900万ドル(約13.9〜21億円)で落札される見込み。バスキアの主要な絵画は既に香港で記録を出しているが、中国本土でオークションにかけられるのは今回が初めてだという。

《Il Duce》(1982年)
出典:https://www.pinterest.jp/
▍サザビーズ、注目はバンクシーとマグリット
3月2日、ロンドンで開催されるサザビーズ「The Now Evening Auction」での注目は、バンクシーの3つの作品《Girl with Balloon》《Kissing Coppers》《Vandalised Oil (Choppers)》だ。これは、イギリスの歌手ロビー・ウィリアムズのパーソナルコレクションから出品されるもの。3点のうち2点がユニーク作品で、予想落札価格の合計は700〜1,000万ポンド(約10.5〜15億円)にのぼる。

《Vandalised Oil (Choppers)》(2006年)
出典:https://www.sothebys.com/
同日、ロンドンで開催される「Modern & Contemporary Evening Auction」では、シュルレアリスムを代表するアーティストの1人、ルネ・マグリットの《L’empire des lumières》(光の帝国)が大きな注目を集めている。予想落札価格は6,000万ドル(約66億円)以上と推定。サザビーズが発表したこの6,000万ドルに達すれば、マグリットのオークション最高記録となる。ロンドンのボンドストリートにあるサザビーズでは作品を模したインスタレーションも登場した。

《L’empire des lumières》(1961年)
出典:https://www.sothebys.com/
▍初の同時期開催:アートフェア東京とコンテンポラリーアートオークション
SBIアートオークションは、2022年3月12日に東京国際フォーラムにおいて「Tokyo Contemporary: Redifined」オークションを開催することを発表。日本最大級の国際アートフェアである「アートフェア東京」の同時期開催は、初の試みだ。注目の作品は、奈良美智や草間彌生のほか、ジュリアン・オピーの《New York Couples》(ANDART取り扱い同一作品)など。

《New York Couples》(2019年)
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文:ANDART編集部
参考
https://www.artprice.com/artmarketinsight/whats-coming-up-in-march