
前澤友作氏所有のバスキアは何位? 2022年オークション落札価格トップ10
2022年は、アンディ・ウォーホルのマリリン・モンローの肖像画が約2億ドルで落札され大きなニュースとなりました。
また、ビル・ゲイツとともにマイクロソフト社を創業した実業家ポール・G・アレンのコレクションが売却され、個人のコレクションとして史上最高額である合計15億638万6000ドル(約2200億円)を売り上げました。今回のトップ10のうち、なんと6作品をポール・G・アレンが所有していた作品が占めています。日本でも話題になった前澤友作氏が所有していたバスキアの作品は一体何位だったのでしょうか。
本記事では、世界のオークションで最も高額だった作品をランキングでご紹介します。(1USD=130円で計算)
10:ルネ・マグリット
《L’empire des lumières》約103億円($79,353,624)

出典:https://www.sothebys.com
ルネ・マグリット(1898 -1967)はベルギー出身のシュルレアリスムの画家。本作は太陽の光が差し込む空の下にある夜景という逆説的なイメージを描いた作品。タイトルは日本語で「光の帝国」という意味。
【オークション】
2022年3月2日 サザビーズ(ロンドン)
「Modern & Contemporary Evening Auction」
9:ジャン=ミシェル・バスキア
《Untitled》約110億円($ 85,000,000)

出典:https://www.phillips.com/
ジャン=ミシェル・バスキア(1960-1988)はアメリカ出身の画家。グラフィティ・デュオ「SAMO」の一人として注目を浴びた後、ファインアートの世界へ参入。1988年、ヘロインのオーバードーズによりわずか27歳で死去。本作は前澤友作氏が2016年5月にクリスティーズにて5730万ドル(当時約62億円)で落札した作品。
【オークション】
2022年5月18日 フィリップス(NY)
「20th Century & Contemporary Art Evening Sale」
8:アンディ・ウォーホル
《White Disaster (White Car Crash 19 Times)》約111億円($ 85,350,500 )

出典:https://www.sothebys.com
アンディ・ウォーホル(1928 – 1987)はアメリカのポップ・アートを代表する画家。本作は、マスメディアで使用される写真(自動車事故や電気椅子、自殺、飛行機墜落事故など)を使用した「死と惨事」シリーズのひとつ。ウォーホルの歴代オークション記録では、3番目の高額作品。
【オークション】
2022年11月16日 サザビーズ(NY)
「Contemporary Evening Auction」
7:ルシアン・フロイド
《Large Interior, W11 (after Watteau)》約112億円($ 86,265,000 )

出典:https://www.artprice.com/
ルシアン・フロイド(1922 – 2011)は、ドイツ出身のイギリスの画家。20世紀を代表する肖像画家と呼ばれている。本作は二人以上の人物が描かれた初めてのキャンバスで当時(1981-1983)のフロイドにとって縦横2メートルに及ぶ最大の作品。フロイドのディーラーが自身のコレクションに15年間保管した後、マイクロソフト社の共同設立者であるポール・G・アレンが入手し、オークションへ出品された。
【オークション】
2022年11月9日 クリスティーズ(NY)
「Visionary: The Paul G. Allen Collection Part I」(ポール・G・アレンのコレクション)
6:グスタフ・クリムト
《Birch Forest》約136億円($ 104,585,000)

出典:https://www.artprice.com/
グスタフ・クリムト(1862 -1918)はオーストリアを代表する画家。ウィーン分離派と呼ばれる新進芸術家のグループの創設者。代表作《接吻》をはじめ、金箔をふんだんに使って女性を描いた作品が有名。本作はポール・G・アレン所有していた「白樺の森」を描いた作品。
【オークション】
2022年11月9日 クリスティーズ(NY)
「Visionary: The Paul G. Allen Collection Part I」(ポール・G・アレンのコレクション)
5:ポール・ゴーギャン
《Maternité II》約137億円($ 105,730,000)

出典:https://www.wikiart.org/
ポール・ゴーギャンは(1848 – 1903)は、フランスのポスト印象派の画家。ゴッホと共に「黄色い家」で9週間の共同生活を送ったエピソードが有名。日本語で「母性II」というタイトルの本作は、タヒチの女性たちが古典的なポーズで描かれている。
【オークション】
2022年11月9日 クリスティーズ(NY)
「Visionary: The Paul G. Allen Collection Part I」(ポール・G・アレンのコレクション)
4:フィンセント・ファン・ゴッホ
《Verger avec cyprès》約152億円($ 117,180,000 )

出典:https://www.artprice.com/
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853 – 1890)は、《ひまわり》や《夜のカフェテラス》などの傑作を生み出したオランダのポスト印象派の画家。ゴーギャンとの口論の末、自身の耳の一部を切り落とした「耳切り事件」もよく知られている。
本作はゴッホが南フランスのアルルに到着して間もない1888年の春に描かれたもの。この絵は、ゴッホが南部で制作した最初の主要作品群である「果樹園」を描いた14点からなるシリーズの一つ。
【オークション】
2022年11月9日 クリスティーズ(NY)
「Visionary: The Paul G. Allen Collection Part I」(ポール・G・アレンのコレクション)
3:ポール・セザンヌ
《La Montagne Sainte-Victoire》約179億円 ($ 137,790,000 )

出典:https://www.artprice.com/
ポール・セザンヌ(1839 – 1906)はゴーギャン、ゴッホと並んで3大ポスト印象派の一人とされ、ピカソなどに影響を与えた人物。本作は、セザンヌが生まれ育ったフランスのエクス=アン=プロヴァンスにある「サント=ヴィクトワール山」を描いた作品。
【オークション】
2022年11月9日 クリスティーズ(NY)
「Visionary: The Paul G. Allen Collection Part I」(ポール・G・アレンのコレクション)
2:ジョルジュ・スーラ
《Les Poseuses, Ensemble (Petite version)》約194億円($ 149,240,000)

出典:https://www.artprice.com/
ジョルジュ・スーラ(1859- 1891)は、「点描法」を創始した19世紀フランスの新印象派の画家。「点描法」とは、パレットで絵の具を混ぜずに、原色のままキャンバス上に小さな点を併置して描くというもの。本作の画面左側に描かれているのは、スーラの代表作である《グランド・ジャット島の日曜日の午後》の一部。
【オークション】
2022年11月9日 クリスティーズ(NY)
「Visionary: The Paul G. Allen Collection Part I」(ポール・G・アレンのコレクション)
1:アンディ・ウォーホル
《Shot sage blue Marilyn》約253億円($ 195,040,000)

アクリル絵の具とシルクスクリーンで描かれた本作は、色の異なるマリリン・モンローを描いた5枚の連作のうちのひとつ。当初の予想落札価格であった2億ドルをわずかに下回ったものの、ウォーホルのオークション最高落札価格を更新。また、20世紀の作品史上、そしてアメリカ美術作品においても最高額を記録した。
【オークション】
2022年5月9日 クリスティーズ(NY)
「The Collection of Thomas and Doris Ammann Evening Sale」
文:ANDART編集部