
世界25カ国のアートが集結!東京国際アートフェア訪問レポート
10月8日、9日間にかけて世界中のアーティストとコレクターを繋ぐ東京国際アートフェアがベルサール六本木にて開催された。様々なアーティストやギャラリーがコレクターに直接作品を展示・販売をするブースを設け、売買手数料は一切かからないというユニークなイベントは今年で6回目を迎えるという。2日間にわたって行われるこのフェアでは、日本だけでなく世界25カ国のアーティストが参加した。本記事では実際に訪問した際の模様をレポートする。
世界25カ国のアートが一度に楽しめる祭典

会場では世界25カ国のアーティストが参加するというだけあり、様々な言語が行き交っていた。作品が展示されているブースにはアーティストやギャラリストが居ることもあり、作品についての感想や疑問などを問いかけることもできる。通常作品を買うときは、ギャラリーに出向いて展示を見たり、オンラインストアの説明文を見るなどして作品について判断することが多く、なかなか作家とコミュニケーションを取る機会もないので、間近で作品について話をしたり、談笑することができるのは貴重な機会だ。会場内は非常に賑やかで、出品者も鑑賞者も皆フランクに楽しそうに話していたのが印象的だった。

イベントでは、絵画、立体作品、写真作品まで幅広いジャンルのアートを見ることができた。中には日本のアニメをモチーフにした作品や、日本の文化を感じる作品もあったりするなど、国際的なアートフェアの中にも東京で開催されているならではの要素も感じられた。ブースごとに全く異なる作品が飾られるので雰囲気も異なり、短時間で小さなギャラリーにたくさん訪問できるようで楽しい。まさに現代アートの祭典。

オンラインとオフラインの融合、新しい試みも
さらに会場では新しい試みとして、「デジタル&バーチャルアート」のセクションが設けられていた。ブース内にタブレットが置かれ、そこから会場内の作品を購入することができたり、海外のアーティストに関する情報収集もできるようになっている。ここで気になる複数の作品を比較することができたり、言語の問題を解決する手助けにもなりそうだ。
また、イベント終了後も公式サイトから購入できる作品もあるので、会場内で気になった作品をじっくり吟味することもできるので便利だ。コロナ禍を経てアート業界もオンラインギャラリーやオンラインサイトなど非対面で作品を鑑賞・購入する機会も増えてきたが、オンラインとオフラインの併用で自分に方法を選択できるのは、購入者のライフスタイルにも合わせやすい。例えば会場内で気に入った作品があれば、家に帰って飾りたい場所の寸法を確認したり、インテリアとの兼ね合いなども考えることができる。これからのアートの鑑賞・購入方法として当たり前の形になっていきそうだ。

また、NFT作品を展示するブースも。そこにもタブレットが設置され、リアルタイムで作品がオークションライブに出品されている様子を見ることができる。ブースの壁にはQRコードが記載されており、そのQRコードからこのNFT作品にビットすることもできるのだ。展示しながらオークションも行える、新しいアートフェアの形なのではないだろうか。

国境を跨いだアートの祭典
海外はおろか、国内のギャラリーに行くことさえ難しくなってしまった昨今。手数料なしで、海外のアーティストの作品を国内で購入する機会というのはなかなかあるものではない。コロナ禍で発達したオンラインの技術と、従来ならではのオフラインの良さを上手に融合させたアートフェアとなっていた。会場で展示販売されていた作品は現在もオンラインで購入できるものもあるので、気になる方は是非チェックしてみて欲しい。
ANDARTに会員登録すると、ANDART編集部の厳選した国内外のアート情報を定期的にお届け。Facebook, Twitter, LINEなどのSNSでも簡単に登録できます。

