
【保存版】いくつ見たことある?東京都内で無料で見られるパブリックアートマップ
六本木エリア
イザ・ゲンツケン《薔薇》

イザ・ゲンツケンはベルリンを活動拠点にするドイツ人アーティスト。コンクリートや石膏、木材など幅広い素材を使用して彫刻やインスタレーション作品を手掛ける。地上から高さ約8mの一輪の薔薇が自立する彫刻作品は、彼女としては珍しい作品とされている。葉脈や茎の棘など、細部まで表現された作品は、是非足を止めてじっくりと眺めてみたい。
六本木ヒルズ
所在地:〒106-6108 東京都港区六本木6-10-1
設置場所:66プラザ内 ハリウッドビューティープラザ前
トニー・クラッグ《ファナティックス》

トニー・クラッグは1949年、イギリス出身の彫刻家。日常の道具や自然物などを使って、人間と自然との関係をテーマにした作品を制作し続けている。1970年代後半からプラスチックやガラス、合板などの素材を組み合わせて、人物や道具など新しい物体を連想させる作品を発表している。近年は鉄やブロンズなどの素材を使った作品が多いと言われている中で制作された《ファナティックス》は、楕円形とその断面からなる幾何学をベースに2006年、東京ミッドタウンに設置された。こちらはよく見ると、いくつかの人間の横顔が隠れているそう。様々な角度から観察して鑑賞を楽しみたい。
東京ミッドタウン
所在地:東京都港区赤坂9-7-1
設置場所:1階芝生広場の近く
村上隆《お花の親子》

日本を代表する現代美術家・ポップアーティストとして、世界で活躍している村上隆2020年11月に六本木ヒルズ66プラザにて公開された《お花の親子》は、「ROPPONGI HILLS TAKASHI MURAKAMI PROJECT」の一環として特別に制作された。高さ約10mにも及ぶ巨大なモニュメントは、ポップなお花モチーフと輝く金色が圧倒的な存在感を放つ、村上隆の最大級の作品。様々な角度から見て、ぜひ新たな発見を楽しみたい。公開は2021年9月26日まで(2021年7月20日現在時点)。
六本木ヒルズ
所在地:東京都港区六本木6-10-1
設置場所:六本木ヒルズの玄関・66プラザ
ルイーズ・ブルジョワ《ママン》

フランス・パリ出身のアーティスト、ルイーズ・ブルジョワによる《ママン》は六本木ヒルズの名物。高さ約10mのクモは、体内に20個近くの大理石で作られた卵を抱えている。「ママン」はフランス語で「母」という意味で、彼女の母親への思いを蜘蛛の姿にして表現した作品。
六本木ヒルズ
所在地:〒106-6108 東京都港区六本木6-10-1
設置場所:66プラザ内 森タワー前
品川エリア
インゲス・イデー《グローイング・ガーデナー》

インゲス・イデーとは、1992年にドイツ・ベルリンで結成したハンス・ハマート、アクセル・リーバー、トマス・A・シュミット、ゲオルグ・ツァイの4人のアーティストグループ。全長約16メートルにもなる、異様に長い赤の帽子を被ったガーデナーは、山手線内から見えることもあって一度は見たことがある人が多いはず。この作品は、ドイツの「ガーデン・ノーム(庭小人)」と呼ばれる人間の姿をした想像上の小さな生き物を模した像がモチーフ。ガーデン・ノームは先の尖った赤い帽子を被る男性の人形で、ヨーロッパでは庭の守り神として庭に飾られているもの。
アートヴィレッジ大崎
所在地〒141-0032東京都品川区大崎1-2-2
設置場所:アートヴィレッジ大崎内
三島喜美代《Work 2012》

三島喜美代は、陶器で印刷物や商品パッケージを作ることで知られている、現代美術家。現代社会に氾濫する情報や、大量に出されるゴミを風刺して、アートで表現している。東京モノレールの天王洲アイル駅からほど近い場所に設置された「くずかご」は、高さ2.5mの彫刻作品。遠くからだとゴミに見えるが、近づくと陶器であることがわかる。大量消費や山積するゴミ問題へのウィットの効いた風刺という観点からもユニークで、日本でも希少性の高いパブリックアートの一つである。
ホテル東横INN品川港南口天王洲アイル
所在地:東京都品川区東品川2-2-35
設置場所:「東横イン」正面玄関前
お台場エリア
ダニエル・ビュレン《25 porticos》

ダニエル・ビュレンは1938年、フランス生まれのアーティスト。アトリエ空間を飛び出して現場で制作する手法に一貫してこだわり、絵画、彫刻、壁面と様々な表現形態に挑戦してきた。お台場海浜公園駅を降りてすぐの場所に設置された《25 porticos》は、ビュレンを象徴するストライプが、ビビッドな2色によって彩られたパブリック・アート。駅から海の方向へと続く複数のオブジェは、その明るいカラーと爽やかなストライプとが相まって、くぐる度に楽しい気分を運んでくれそうだ。
お台場海浜公園
所在地:東京都港区台場1-5-3
設置場所:お台場海浜公園駅」を降りてすぐ
新宿エリア
松山智一《花尾》

松山智一はニューヨーク在住の現代美術家。絵画、彫刻、インスタレーション作品などを制作。松山智一のコレクターにはビル・ゲイツやドバイ王室などが挙げられる。新宿駅東口駅前広場に設置された7mの《花尾》は、都会を意味する「Metro(メトロ)」、自然を意味する「Wild(ワイルド)」、当惑を意味する「Bewilder(ビウィルダー)」を組み合わせた造語「Metro – Bewilder(メトロビウィルダー)」をテーマに制作された。周辺にはベンチも設置されており、松山智一にとって日本初の巨大パブリックアートをゆっくりと眺めたい。
JR新宿駅東口駅前広場
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿3丁目38
設置場所:新宿駅東口駅前・ルミネエスト新宿前
宮下芳子《新宿の目》

宮下芳子は鹿児島県出身の彫刻家。ガラスモザイク、大理石やブロンズなどの彫刻の他に絵画制作も行う。宮下美子が1969年に制作した高さ3m、幅10mの《新宿の目》の内部にはLED照明が埋め込まれており、瞳の部分が回転する仕組みになっている。50年以上もの長い時間、東京・新宿を見守り続ける力強い瞳は東京に来たら一度は眺めてみたい作品。音楽家・椎名林檎の『鶏と蛇と豚』のMVにも登場している。
新宿スバルビル
所在地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿1丁目7−1
設置場所:新宿スバルビル地下1階
ロイ・リキテンスタイン《Tokyo Brushstroke I》

ロイ・リキテンスタイン《Tokyo Brushstroke Ⅱ》

ロイ・リキテンスタインは、アンディ・ウォーホルと並ぶポップアートを代表するアメリカの画家。代表作群であるアメリカンコミックを題材にしたペインティングの他に「ブラッシュストローク」という筆の動きや跡を題材にした作品も有名。《Tokyo BrushstrokeⅠ》と《Tokyo Brushstroke II》は「ブラッシュストローク」をリキテンスタインらしいカラフルな色彩で表現した彫刻作品。
新宿アイランド
所在地:〒163-1390 東京都新宿区西新宿6丁目5−1
設置場所:《Tokyo BrushstrokeⅠ》ウイング/《Tokyo Brushstroke II》アトリウム
ロバート・インディアナ《LOVEのオブジェ》

ロバート・インディアナは、1928年アメリカ生まれ、アメリカのポップアート界を代表するアーティストの一人。「LOVE」の大文字が明るい色彩と調和する本作は、インディアナ自身が3色の組み合わせを考えて、新たに制作したもの。“人間の愛と未来”をテーマとする新宿アイランドのパブリック・アート・プロジェクトのシンボルとして、お馴染みの撮影スポットや待ち合わせ場所として、多くの人々に親しまれている。
新宿アイランドタワー
所在地:東京都新宿区西新宿6-5-1
設置場所:新宿アイランドの正面入り口
渋谷・表参道エリア
杉本博司《究竟頂》

ニューヨーク在住の写真家・現代美術家の杉本博司。60年代に流行したコンセプチュアル・アートからの影響をはじめ、古美術や建築、伝統芸能まで、幅広い文化に精通していることでも知られる。本作は、2013年にハナエ・モリビル跡地に誕生したオーク表参道のオフィスエントランスに佇む空間アート。「最深部の天井から数理模型を下げ、神殿的空間における御正体(御神体)の役割を果たしている」という哲学的なコンセプトを持つ《究竟頂》は、表参道の中心にあって不思議な静けさをたたえている。
オーク表参道
所在地:東京都港区北青山3-6-1
設置場所:オーク表参道のエントランスホール
岡本太郎《こどもの樹》

戦後、日本の前衛芸術の立役者として、旺盛な活動を展開した岡本太郎。生涯に渡って多くの作品を制作し、絵画をはじめ巨大モニュメントや詩やデザインまで、様々な作品を残した。その中の一つ《こどもの樹》は、こどものための福祉と文化活動の拠点として1985年に開館した「こどもの城」のシンボルモニュメントとして制作されたもの。幹から伸びる枝先に広がる、個性豊かな表情が印象的な作品からは、こども達が自由に伸び伸びと、感性を育むことにも関心を寄せていたという太郎の情熱が、直に伝わってくるかのようだ
旧こどもの城跡地前
所在地:東京都渋谷区神宮前5-53-1
設置場所:旧こどもの城跡地前
岡本太郎《明日の神話》

「芸術は爆発だ!」や大阪の《太陽の塔》でお馴染みの岡本太郎。1968〜1969年にかけて製作された巨大壁画《明日の神話》はしばらく行方が分からなくなっていたが、2003年にメキシコで発見された。日本へ移送後、修復作業を行い、2006年に汐留で一般公開。2008年から渋谷マークシティに恒久設置された。原爆が炸裂する瞬間を描いた本作は、ピカソの代表作《ゲルニカ》の影響を受けている。禍々しい雰囲気を放つも美しい岡本太郎の作品は圧倒される力強さがある。
渋谷マークシティ
所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目12−1
設置場所:渋谷マークシティ内、京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅を結ぶ連絡通路
皇居付近エリア
大巻伸嗣《Echoes Infinity ~Immortal Flowers~》

大巻伸嗣は1971年岐阜県生まれの現代美術家。「空間」「時間」「重力」「記憶」をキーワードに彫刻作品や参加型インスタレーション作品を多く手がける。本作のコンセプトは「伝統文化に対してのリスペクトを“今”という空間に立体的に映し出すこと」。色彩豊かに構成されたアサガオ、キキョウ、サクラ、蝶々などの間に挟まれた鏡が反射し合い、万華鏡のような世界を構築する。どのように反射し合うのか近づいて実際に体験してみたい作品。
東京ガーデンテラス紀尾井町
所在地:〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町1−2他(建物によって住所が違うのでご注意下さい)
設置場所:東京ガーデンテラス紀尾井町 紀尾井タワー入り口前(東京都千代田区紀尾井町1番3号)
ジャウメ・プレンサ《Roots》

ジャウメ・プレンサは、スペイン・バルセロナを代表するアーティスト。思想的、哲学的な立体作品を制作する作家として世界的に知られている。本作は、2014年に虎ノ門ヒルズのオーバル広場に設置されたもの。膝を抱えて座る人間を表現したという本作は8つの異なる言語で使われ、「世界の多様性」をテーマに人々が言語・文化の違いを超えて共存すること願って制作されたものだという。また《Roots》という作品名には、最先端と伝統が融合する国である日本の土壌から、根が土から芽を出すイメージが込められている。
虎ノ門ヒルズ
所在地:東京都港区虎ノ門1-23-1
設置場所:虎ノ門ヒルズのオーバル広場
レアンドロ・エルリッヒ《Cloud》

レアンドロ・エルリッヒは1973年、アルゼンチン生まれの現代アーティスト。錯覚や音響などを用いて人の知覚を揺るがすような表現を試み、人々の空間認識や経験に新たな視点をもたらすようなインスタレーションを多く制作している。日本では、金沢21世紀美術館の《スイミング・プール》が有名。直方体のガラスの中にふわっと雲が浮かぶ本作は「大海原に浮かぶ雲」を表している。オフィスビルが立ち並ぶ霞ヶ関に2011年に設置されて以来、人々に自然と癒しを与える存在として親しまれている。なおLEDライトも内蔵されているため、幻想的な夜の姿もぜひおすすめしたい。
飯野ビルディング
所在地:東京都千代田区内幸町2-1-1
設置場所:1階ピロティ防風スクリーン
杉本博司《SUN DIAL》

オーク表参道のエントランスを飾る《究竟頂》と同様、杉本博司が三次関数の数式を立体的に表現した数理模型シリーズの一つとして、パブリックな場で鑑賞を楽しめるのが、《SUN DIAL》。こちらは大手町プレイスの1階オフィスエントランスに設置されている、高さ12メートルもの巨大な彫刻。その名の通り「日時計」としての機能も併せ持つ本作は、春分・秋分の昼が等分された南中時のひと時を影を通じて感じることができる。シンプルな造形でありながらもこの地にふさわしいシンボルとして、ビルの狭間にありながらも街の景観に美しく調和している。
大手町プレイス
所在地:東京都千代田区大手町2-3-1~2 1階西ゲート南
設置場所:大手町プレイスの1階オフィスエントランス
銀座・日本橋エリア
山口晃《日本橋南詰盛況乃圖》

撮影:宮島径 ©YAMAGUCHI Akira, Courtesy of Mizuma Art Gallery
山口晃は1969年生まれの現代美術家、現代浮世絵師。古美術と大和絵に影響を受けた作風で絵画、立体、漫画、インスタレーションなど表現方法は多岐にわたる。
山口晃が原画・制作監修したステンドグラスのパブリックアート《日本橋南詰盛況乃圖》(にほんばしみなみづめせいきょうのず)が2021年7月1日より公開。江戸から現代までの日本橋南詰の景色が細部まで描かれた作品は、是非足を止めてじっくりと鑑賞したい。
設置場所:東京メトロ銀座線日本橋駅B1出口付近
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