
バンクシー展開幕!ベッキー×山峰潤也氏トークイベント開催「天才か反逆者か、どっち?」
2021年12月12日、「バンクシー展 天才か反逆者か(BANKSY GENIUS OR VANDAL?)」が、東京・原宿の「WITH HARAJYUKU」でついに開幕!バンクシーの貴重なオリジナル作品を含む、版画、立体オブジェクトなど70点以上の作品をはじめ、映像やポスターなど計100点以上を集結させた大規模展覧会ということで話題を呼んでいる。
開幕に先立つ12月10日のプレス限定イベントではタレントのベッキーとキュレーターの山峰潤也氏によるトークイベントが開催された。個展を開催するなど自身でもアート活動を行っているベッキーと、国内外で数々の展覧会のキュレーションを手がけてきた山峰氏。それぞれが注目した作品とは? そして、バンクシーは天才か反逆者か、2人が出した答えは? 本記事ではトークイベントの内容を抜粋してお届け。ぜひ本展の魅力をチェックしていただきたい。(以下敬称略)
トークイベントの様子をお届け!

――今回の展覧会をご覧になっていかがでしたか?
〈ベッキー〉
バンクシーの作品はずっと見たいなと思っていました。何かニュースになると「こういうメッセージなのかな?」と考えたりしていて、大好きなアーティストの1人です。まず展覧会全体の世界観がすごいですよね。一歩踏み入れただけでバンクシーの世界観に入れる空気がありました。
〈山峰〉
ものすごくたくさんの作品があり、ボリュームと熱量を感じる展覧会です。バンクシーは、アートの世界で今最も話題になる人物で、時代の寵児のようなところがあります。政治や消費社会に対する魂のこもったメッセージに、若い人たちが感化される機会になると思いました。
――印象に残った作品を教えてください。
〈ベッキー〉
どの作品も良かったですが、《BOMB LOVE》という作品が胸にグッときました。一見ポップなんですけど、観る人の解釈によってぜんぜん違うメッセージ性があると思いました。

〈山峰〉
《BOMB LOVE》は少女が爆弾を持っているという、アイロニックながらウィットに富んだ作品で、愛着を持てますよね。僕は《The walled off hotel(世界一眺めの悪いホテル)》がすごく好きです。パレスチナの治安が悪い中で、壁によって文化が断絶されてしまったところに、作品を間近で観られるホテルを建てるというコンセプトに、バンクシーの熱いところが表れていると思います。シュレッダーにかけられて話題になった作品や、貨幣をアートに変えている作品など、資本主義やマーケットをうまく揶揄するようなところが、バンクシーのおもしろさだと思いました。
――ジャン=ミシェル・バスキア、アンディ・ウォーホルとの比較展示はいかがでしたか?

〈山峰〉
比較によって、文脈の中でバンクシーの仕事を知ることができます。ウォーホルは当時のスターだったマリリン・モンローや、毛沢東などの著名人の顔をシルクスクリーンで複製しており、イメージを量産してステレオタイプをつくっていく消費社会に対するメッセージがクリアでした。ウォーホルの代名詞といえる手法でケイト・モスという現代のアイコンをモチーフにするあたりが、バンクシーの巧さだと感じますね。
バスキアも路上からスタートし、しかも白人社会の中の黒人でした。27歳という若さで亡くなってしまいますが、ウォーホルと親交もあり、激しい人生を知ると社会と向き合うエネルギーを感じます。ロンドンでバスキアの個展が開かれた時、バンクシーが近くに作品を残したというエピソードもあり、バンクシー自身も関係性を感じていたのではないかと思います。
〈ベッキー〉
比較展示の空間はとてもポップで安心感があり、写真を撮りたくなるような楽しい空間でした。私はイギリス出身なので、同郷のケイト・モスの作品などからイギリスらしさを感じることもできました。
バンクシーの作品の発表のしかたを見ていると、「自分のやりたいようにやる」というイメージを持ちそうですが、実は尊敬するアーティストたちへの愛を表現しながらアートをしているというのが素敵ですよね。私の中で、バンクシーは「愛がある人」というイメージです。
――バンクシーの代名詞ともいえる《Girl with Balloon》は、どうしてここまで愛されているのでしょうか?

〈山峰〉
もともとロンドンのウォータールー橋に描かれていて、そこに「THERE IS ALWAYS HOPE(いつだって希望はある)」という言葉が書き加えられたんです。そう書きたくなるような作品で、観た人が希望を感じるような表現だからこそ代名詞とまでなっていて、メッセージが心に刺さるのではないでしょうか。シュレッダー事件によってさらに価値が上がりましたが、人々が踊らされる状況を予期しながら仕掛けをして、それを実行してしまうバンクシーは恐ろしい人だなと思います。
〈ベッキー〉
バンクシーといえばまず思い浮かべるのが《Girl with Balloon》です。バンクシーは風刺をすることが多く、胸が締めつけられるような作品もありますが、この作品には誰もがホッとするのではないでしょうか。他の人が隣に文字を書いたというエピソードからも、バンクシーはメッセージを100伝えるのではなく、一石投じて波紋がどう広がっていくのかを楽しんでいる感じがします。
――キャリア初期に描かれた《Laugh Now》は、「今は笑うがいいさ、でもいつかは俺たちが支配する」という標語を掲げています。バンクシーは今や標語どおりアート業界を支配していますね。

〈山峰〉
「今に見てろよ」というすごくストレートなメッセージを、実際にやってのけるところがかっこいいですよね。僕は世界の美術館と仕事をしていますが、アートの世界は白人主義やヒエラルキーを強く感じるところです。その中でストリートアーティストは、ある種のヴァンダリズム(破壊行為主義)をしてきたことがうかがえます。
〈ベッキー〉
「予言の書」のような感じですよね。どこまで先のことが分かっている人なんでしょう? バンクシーに悩み相談をしたら良いアドバイスをくれそうだなと思いました(笑)
――バンクシーは天才か、反逆者か、どちらだと思いますか?
〈山峰〉
「天才的な反逆者」だと思いました。「ディズマランド」という大規模なテーマパークをつくったり、EUの国旗を使ったブレグジットをモチーフにした作品があったりと、メッセージ性が強く、権力などと戦う勇気を与えてくれるダークヒーローのようなところがあります。破壊するだけではなく、その先を見ながら社会を変えていこうとする「天才的な反逆者」ではないかと。
〈ベッキー〉
ずるい答えですね(笑)でも私も似ていて、「愛ある反逆者」だと思います。天才という言葉には収まりきらない人ですし、世界に投げかけてくるメッセージ性が強いので、どちらかというと反逆者。ただ反逆者という言葉にはネガティブなイメージがあるので、「愛ある反逆者」と言いたいです。

――最後にメッセージをお願いします。
〈山峰〉
たくさんの作品が集まっていて、バンクシーを取り巻く社会の中の仕掛けの断片を本展で見ることができます。実社会のストリートでは消えてしまう壁画が持つ臨場感のエッセンスを感じられるようになっていました。
〈ベッキー〉
バンクシーが大好きな方はもちろん、「アートって何?」「アートの見方がわからない」という方が、最初にアートに触れる場としてふさわしいと思います。相反するものを組み合わせてメッセージを伝える作品を観て、考えさせられる時間そのものもアートなので、とにかく色々な方に来ていただきたいです。お子様を連れてくるのもいいですね。気軽にアートに触れられる最高の機会だと思います。

本展には、ANDART取扱作品と同一のエディション作品も含め、多数のバンクシーが勢ぞろい。ANDARTでは追って展示レポートも公開予定なので乞うご期待!バンクシーの代表作35選の解説記事も予習におすすめ。
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東京展・展覧会概要

バンクシー展 天才か反逆者か(BANKSY GENIUS OR VANDAL?)
期間:2021年12月12日(日)~2022年3月8日(火)
休み:2月24日(木)
時間:10:00~20:00 ※最終入場は閉館時間の30分前まで
会場:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1丁目14-30)
アクセス:最寄り駅の原宿駅竹下口より徒歩2
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文:ANDART編集部