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アート鑑賞

バンクシー展と一緒に楽しむ!天王洲周辺パブリックアートマップ

アート鑑賞

正体不明のアーティスト、バンクシーのストリートアートを体感できる展覧会「バンクシーって誰?展」が、2021年8月21日(土)〜2021年12月5日(日)まで開催される。この記事では、会場となる天王洲アイルの寺田倉庫 G1ビル周辺で観られるパブリックアートを紹介。バンクシー展と合わせて、運河沿いのアートシティ・天王洲の散策を楽しもう。

天王洲セントラルタワー アートホール

画像引用:https://www.e-tennoz.com/

駅からスカイウォーク直結のアートホールでは、1年を通して展示が行われている。天井高5.5mを誇り、窓からは自然光が降りそそぐ開放的な空間だ。美大生や教員から著名アーティストまで、さまざまな企画が開催される。1ヶ月弱で展示が入れ替わることが多いので、気軽に立ち寄ってチェックしてみよう。
※現在の展示は写真と異なる可能性あり。最新情報は公式ページ参照

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-24
設置場所:天王洲セントラルタワー 1F アートホール

大隅秀雄《2005 SASAYAKI》

画像引用:https://ecru-no-mori.jp/

光の反射によるきらめきが美しいセントラルタワーの野外彫刻は、大隅秀雄による作品。大隅はさまざまな金属素材を用いて「心にひびく風」のすがたを模索しており、本作もステンレススチールや銅、真鍮といった金属でつくられている。運河に近く風がよく通るこの場所で、風の表情を映し出す作品の動きを楽しみたい。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-24
設置場所:天王洲セントラルタワー アイルコート

三島喜美代《Work 2012》

画像引用:https://www.e-tennoz.com/

ホテルの入り口前で客を迎えるのは、高さ2.5mの巨大なゴミ箱。中に詰め込まれた雑多なパッケージは、ダンボールではなくセラミックでできている。三島喜美代は1970年代から、割れやすい陶器でゴミや印刷物を表現し、情報が氾濫する現代社会を批評する作品を発表してきた。背丈を超える高さの本作の前に立つと、その存在感に圧倒される。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-35
設置場所:東横INN品川港南口天王洲 バスロータリー

伊藤誠《Tap》

画像引用:https://www.e-tennoz.com/

伊藤誠は、身近な素材を使ったユーモラスな立体作品で知られる彫刻家。FRP、ゴム、ステンレスなど日常に溶け込んでいる素材に生命を吹き込み、楽しく不思議な空間をつくり出している。本作は鑑賞者の視点によって姿を変え、踊る脚のようにも、巨大なヘッドフォンのようにも、きれいな円のようにも見える。さまざまな角度から眺めてみよう。

所在地:〒108-0075 東京都港区港南4-5-1
設置場所:港南公園D面

円形モニュメント

画像引用:https://www.e-tennoz.com/

川に面した天王洲アイル第9公園からは、ささやかな夜景や船の往来を楽しむことができる。公園中央の高台にある円形のモニュメントは、幾何学的でスタイリッシュな構成だが、雲をイメージしてつくられており、周囲の自然とも調和している。公園にはベンチが点在しているので、散策の合間にひと休みするのにもぴったりだ。

所在地:〒141-8507 東京都品川区東品川2-4-3
設置場所:天王洲アイル第9公園 中央高台

《しながわ鯨》

画像引用:https://www.e-tennoz.com/

目黒川水門は、2007年に「運河ルネサンス」の一貫として、地域住民の提案を取り入れて塗り替えが行われた。この絵柄は公募16作品から選ばれた佐々木恭子さんによるもの。大きな鯨とうねる波を描いたダイナミックなデザインで、江戸時代に品川沖に入り込んだ鯨がモチーフになっている。波の動きは、よく見ると「しながわ」の文字になっているので、じっくり観察してみよう。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-6
設置場所:目黒川水門

ストリートファニチャー

画像引用:https://www.e-tennoz.com/

スフィアタワー天王洲と天王洲ファーストタワーの間にある広場には、スタイリッシュな家具が点在。アメリカ最大の建築設計事務所ゲンスラー社が監修を務め、イタリアブランドMagisの椅子など、さまざまなデザイナーによる家具がセレクトされている。実際に座ることができるので、使い心地まで考え抜かれたデザインを体感してみてほしい。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-8
設置場所:みどりの広場

松下徹《Sleeping City》

photo by shin hamada
画像引用:https://www.facebook.com/tennozartfes/

松下徹は、1984年神奈川県出身のアーティスト。2012年に高須咲恵とともに発足したアーティストコレクティブ「SIDE CORE」としても活動している。駅の通路両サイドに描かれた壁画は、せわしないビジネス街・天王洲の、ゆったりとした休日を表現したもの。普段働いている建物や標識、時計などが、みんな横になって眠っているという、ユーモアたっぷりの作品だ。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-5-19
設置場所:東京モノレール 天王洲アイル駅 改札前

吉野もも《巡り循る》

photo shin hamada
画像引用:https://www.facebook.com/tennozartfes/

吉野ももは、視覚的な効果を使った2次元の作品を発表しているアーティスト。ブルーとオレンジで大きな渦を描く本作は、観ていると吸い込まれそうなダイナミックな作品。「循環」をテーマに、水と土が巡り巡って自然に還る様子を表現しており、埋立地から発展した天王洲の清掃所跡地というロケーションと絶妙にリンクしている。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-3-2
設置場所:東品川清掃作業所(東京モノレール 天王洲アイル駅 南口すぐ)

ラファエル・スリクス《Organic Blue》

photo by shin hamada
画像引用:https://www.facebook.com/tennozartfes/

桟橋の船着場を鮮やかなブルーで生まれ変わらせたのは、ブラジル・サンパウロを拠点に活動するグラフィティアーティスト、ラファエル・スリクス。洞窟壁画からインスピレーションを受けたというストロークは躍動感にあふれ、生命の力強さを感じさせる。生命の源である水に囲まれた天王洲が、アートの町として進化し続けていくさまを表しているようだ。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-3-2
設置場所:東品川2丁目 桟橋待合所

DIEGO《東京/ 天王洲》

photo by shin hamada
画像引用:https://www.facebook.com/tennozartfes/

正規の美術教育を受けず、10代の頃からストリートアートを始めたDIEGO。アーティストコレクティブ「SIDE CORE」のメンバーとして、都内のシャッターに合法でグラフィティを描く壁画プロジェクト「LEGAL SHUTTER TOKYO」を主催するなど、活動の幅を広げている。ボンドストリートの入り口から続く本作は、生き物のようなビルなどが絡み合うように描かれたカラフルな壁画。ユーモラスな形を眺めながら、ゆっくり散歩を楽しみたい。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-1
設置場所:ボンドストリート

ARYZ《“The Shamisen” Shinagawa 2019》

photo by shin hamada
画像引用:https://www.facebook.com/tennozartfes/

ARYZ(アリス)はカリフォルニア生まれスペイン育ちのストリートアーティストで、世界各地で大画面の壁画を制作している。本作は歌川晴信の《見立芥川》を参照し、浮世絵や木版画について調査しながらスケッチしたという。波状の壁面に描かれており、和服姿で三味線を弾く女性の姿が、水面のゆらめきを反映しているようだ。あまりに巨大なので、近くを通る時には見過ごしてしまうかもしれない。ぜひ川の対岸から眺めてみよう。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-35
設置場所:ホテル東横INN品川港南口天王洲アイル 立体駐車場

ダミアン・プーラン《猫も杓子も》

画像引用:https://www.facebook.com/amanainc/

高さ約4メートルの巨大な猫は、フランスのグラフィックアーティスト、ダミアン・プーランが2018年の「浅間国際フォトフェスティバル」のために制作したもの。その後、銀座のGinza Sony Parkでも展示され、天王洲にやって来た。誰もがスマホを持ち歩き、猫も杓子もカメラマンになれるこの時代。写真を撮ろうとしたら逆に被写体になってしまうという、皮肉めいた作品だ。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-43
設置場所:テラダウェアハウスボンドストリートT2前

ルーカス・デュピュイ《Looking for words》

photo by shin hamada
画像引用:https://www.facebook.com/tennozartfes/

「文字を文字として認識できないと、この世界はどのように見えるのか」をテーマにしたシリーズ作品のひとつ。作者のルーカス・デュピュイは、難読症のために文字を読むのが難しかったという幼い頃の経験を持つ。羽田空港からも近く、さまざまな言語が飛びかう天王洲に現れた本作は、何らかの意味を持つように見えながら誰にも判読することができない。全体を観るには、少し離れた天王洲ふれあい橋からの鑑賞がおすすめ。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-43
設置場所:寺田倉庫T33 壁面

スタフ・シュムスキ《Oracle Born Script Connection》

photo by shin hamada
画像引用:https://www.facebook.com/tennozartfes/

1992年にポーランドに生まれたスタフ・シュムスキは、廃棄物を利用して独自の世界を構築する作品で知られるアーティスト。日本列島をヒッチハイクで縦断した経験を持ち、日本文化やシャーマニズムに興味を持っている。本作は甲骨文字をモチーフにしており、右側には甲骨にヒビが入った様子、左側にはそこから生まれた文字が表されている。運河に浮かぶ微生物のような不思議な形態を、水辺を歩きながらのんびり眺めてみよう。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川1-3-12
設置場所:パナソニック東品川ビル2号館 壁面

淺井裕介《どこまでも繋がっていく》

画像引用:https://tennoz-art-festival.com/

淺井裕介は、現地の土と水で動植物を描く「泥絵」など、有機的な作品を多く手がけてきた。2019年からは画材として鹿の血を使った制作も始めている。生命力のシンボルである水をテーマにした本作は、約30x40mの大壁画。運河にかかるアイル橋から全体像を眺めることができる。たくさんの小さな生き物や植物が描き込まれているので、近くから細部もじっくり観察したい。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-28
設置場所:三信倉庫 品川営業所 壁面

Keeenue《See a Song》

photo by shin hamada
画像引用:https://www.facebook.com/tennozartfes/

東京を拠点として国内外で活動をしている女性アーティスト、Keeenue(キーニュ)。NikeやG-SHOCKといったファッションブランドや、Sony Music、SHAKE SHACKなど多くのコラボレーションも手がけている。りんかい線天王洲駅前の公園にあるポップな本作は、これからどんな発見が待っているのか、ワクワクさせてくれるような作品だ。

所在地:〒140-0002 東京都品川区東品川2-6-23
設置場所:天王洲公園車庫(サッカー場前)

「バンクシーって誰?展」詳細

2020年に開催予定だったものの、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた展覧会「バンクシーって誰?」展が開催中。

イギリスの匿名ストリートアーティスト・バンクシーのこれまでの活動を辿る本展は、世界各都市を巡回する「The Art of Banksy展」の傑作群を、日本オリジナルの切り口で紹介。《Girl with Balloon》などの代表作に加えて、ポール・スミス氏やその他、個人蔵の作品が展示されるなど、滅多に見られないバンクシーのアートを鑑賞することができる。

また、会場は映画のセットのように作られていて、バンクシーの主な活動場所「ストリート」を再現したインスタレーションも楽しめる没入体験型で構成。バンクシーの世界観を存分に体験することができる。音声ガイドはアンバサダーの中村倫也が担当。

展覧会概要】(公式ホームページはこちら

会期:2021年8月21日(土)〜2021年12月5日(日)
会場:寺田倉庫 G1ビル
住所:東京都品川区東品川2-6-4
開館時間:11:00〜20:00 (金・土・祝前日は21:00まで)
※最終入場は閉館時間の30分前
休館日:10/5(火)、10/12(火)、10/19(火)


入場料:
〈前売券〉平日 一般1,800円、大学・高校生1,600円、中学・小学生1,100円/土日祝(日時指定) 一般2,000円、大学・高校生1,800円、中学・小学生1,300円
〈当日券〉平日 一般2,000円、大学・高校生1,800円、中学・小学生1,300円/土日祝(日時指定) 一般2,200円、大学・高校生2,000円、中学・小学生1,500円
※未就学児は無料
※チケットはプレイガイドでの事前購入が必要
チケット販売期間:前売券 ~2021年8月20日(金)、当日券 8月21日(土)~12月5日(日)
※土日祝は、11:00~15:00/15:00~20:00(金、土、祝前日は21:00)までの2部制

巡回情報

・名古屋展
会期:2021年12月19日(日)〜2022年3月27日(日)
会場:グローバルゲート ガレージ名古屋(愛知県名古屋市中村区平池4-60-12 グローバルゲート3F)

・大阪展
会期:2022年4月23日(土)〜6月12日(日)
会場:グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ(大阪府大阪市北区大深町3-1)

・郡山展
会期:2022年6月29日(水)〜8月24日(水)
会場:ビッグパレットふくしま(福島県郡山市南2-52)

・高岡展
会期:2022年9月11日(日)~2022年12月6日(火)
会場:高岡市美術館(富山県高岡市中川1-1-30)

※高岡展終了後、福岡でも開催予定。開催概要は変更となる場合があります

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文:ANDART編集部